3歳新馬戦はいつまで?「ない」理由と賞金、その後を解説

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こんにちは。Asymmetric Edge、運営者の「K」です。

競馬を見ていると、「3歳新馬戦」という言葉をたまに聞きますが、2歳新馬戦に比べて「いつまでやってるの?」とか、そもそも「ない」んじゃないか、みたいな疑問が出てきますよね。私も気になって調べてみたんですが、確かに情報が少ないですし、なぜデビューが遅れるのか、その後のキャリア、特に活躍馬はいるのか、賞金は未勝利戦とどう違うのか、馬券の予想はどうすればいいのか、気になることだらけです。

この記事では、そんな「3歳新馬戦」に関する様々な疑問について、JRAのルールや現状を、私なりに分かりやすくまとめてみました。

  • 3歳新馬戦が「ない」と言われる本当の理由
  • 開催時期(タイムリミット)と賞金の仕組み
  • デビューが遅れる背景と馬券のヒント
  • 3歳新馬戦を終えた馬の「その後」のキャリア
目次

3歳新馬戦の定義と「ない」と言われる理由

まず、「3歳新馬戦」とは一体何なのか、そしてなぜ「ない」とまで言われるのか。その基本的な定義と、JRAの番組編成の裏側にある事情を掘り下げてみますね。

3歳新馬戦はいつまで開催?

JRAの競馬番組って、基本的には日本ダービー(5月下旬~6月上旬)が終わった直後の6月から新しいサイクルが始まりますよね。そこから年末の12月まで、主に2歳馬のための新馬戦、いわゆる「メイクデビュー」が活発に開催されます。これが新馬戦の「本流」です。

では、2歳時にデビューできなかった馬のための「3歳新馬戦」はいつまでか?

これは年明けの1月からスタートするんですが、問題は「いつまで」というタイムリミットです。私も気になって調べてみたんですが、この期間が想像以上に短いんですよね。

結論から言うと、3歳新馬戦の開催は、例年「2月の第3週または第4週」あたりが最終的なデッドラインとなっているようです。

過去の番組表や報道をチェックしてみると、「今週で現3歳世代の新馬戦は終了」といったアナウンスが、2月24日頃のレース開催週に出ていることが確認できました。つまり、3月に入ると、もう「3歳新馬戦」というカテゴリ自体が存在しない、ということになります。

1月から始まって2月下旬にはもう終わり。実質的な開催期間は、本当に「2ヶ月弱」しかない、非常に限定的なレースなんですね。

(「なぜそんなに短いの?」とか「昔は違ったの?」という疑問については、次のセクションで詳しく見ていきますね!)

なぜ「ない」と言われるのか

「3歳新馬戦はない」って聞くと、「え、ゼロなの?」って思ってしまいますが、そういうわけじゃないんですよね。ただ、なぜそんな風に言われるのかには、ちゃんとした理由がいくつかあります。

まず一番の理由は、前のセクションで触れたように、開催期間がめちゃくちゃ短いこと。2歳新馬戦が約半年(6月~12月)にわたって毎週のように組まれているのに対して、3歳新馬戦は実質2ヶ月弱(1月~2月下旬)。

競馬ファンが目にする機会が物理的に少ないので、「あれ、最近3歳の新馬戦って見かけないな」=「もしかして、ないのでは?」と感じてしまう。これが感覚的な理由ですね。

でも、それだけじゃないんです。

実は、単なる感覚じゃなくて、事実として「縮小された」経緯があります。

昔(2020年まで)は、3歳新馬戦は3月頃まで開催されていたそうなんです。それが現行のプログラムでは2月下旬までに短縮された。だから、以前から競馬を見ているファンにとっては、「昔はあったのに、今は見かけない(ほとんど、ない)」という認識は、あながち間違いでもないんですよね。

そして、もう一つの決定的な理由が、JRA自身が「3歳新馬戦を廃止する方向で検討している」と、実際に報じられたことがあるから、だと思います(確か2021年頃の話だったかと)。

「JRAが無くそうとしている」というニュースが出れば、当然「もうすぐ無くなるんだ」→「今はもう、ないんじゃないか?」って思う人も出てきますよね。

結論として、「ゼロではない」けど、

  • 開催期間が極端に短い(希少性)
  • 実際に開催期間が短縮された(事実)
  • JRAによる廃止検討が報じられた(将来性)

これらの要因が重なって、「3歳新馬戦=ない(に等しい)」というイメージが定着したんじゃないかな、と私は見ています。

JRAが廃止を検討した背景

じゃあ、なんでJRAは、わざわざ一つのレースカテゴリを「廃止しよう」とまで考えたんでしょうか。ちょっと不思議ですよね。

その最大の理由が、本文でも少し触れられていた「除外ラッシュ」という深刻な問題です。

「除外」というのは、レースに出走登録した馬が、出走枠(例えば16頭立て)よりも多かった場合に、抽選や獲得賞金額の順で「枠からあぶれて出走できない」ことを指します。

考えてみてください。3歳新馬戦の開催期間は、実質8週間(1月~2月下旬)しかありません。一方で、2歳時に怪我や成長遅れでデビューできなかった馬たちが、この短い期間に一斉に「デビューしたい!」と登録してくるわけです。

「除外ラッシュ」の深刻さ

問題なのは、「じゃあ、また来週」が通用しない可能性があることです。

仮に1週目に除外されて、2週目も除外…と繰り返しているうちに、あっという間に「2月下旬」の最終期限が来てしまうんです。

そうなると、その馬は健康で走れる状態なのに、一度も「3歳新馬戦」に出走できないまま、その権利(と、後述する高い賞金)を失うことになります。これは馬主さんや調教師さんからすれば、たまったものじゃないですよね。

そこでJRAは、この「出走したくても出られない馬」が続出する、いわば「デビュー渋滞」を解消するために、対策を考えました。

JRAの狙い:渋滞の解消

その対策というのが、逆説的ですが「3歳新馬戦というカテゴリ自体を縮小(ないし廃止)する」ことでした。

このカテゴリを無くす(減らす)ことで、3歳デビュー馬を、代わりに「3歳未勝利戦」(すでにレース経験がある馬も混在するレース)の方へ誘導しようとしたんです。

「未勝利戦」であれば、3月以降も、夏を越えて9月頃まで開催されています。目先の「新馬戦」という狭き門で立ち往生させるよりも、より開催期間が長い「未勝利戦」の舞台でデビューさせた方が、馬たちの出走機会(走るチャンス)をしっかり確保できる、と判断したわけですね。

なので、「廃止を検討」と聞くとネガティブに聞こえますが、実際には馬たちがレースに出られないという弊害をなくすための、番組編成上の意図的な「誘導策」だった、というのが実態かなと思います。

新馬戦と未勝利戦の決定的な違い

ここで、「新馬戦」と「未勝利戦」の違いを、もう一度しっかり整理しておきたいですね。どちらも「まだ勝っていない馬」が出走するレースなので混同しがちですが、この二つの間には「出走馬の過去のレース経験」において、決定的な違いがあります。

  • 新馬戦:出走経験が「0回」の馬。つまり、正真正銘の「新馬(しんば)」だけが出走できる、生涯一度きりのデビュー戦です。
  • 未勝利戦:出走経験が「1回以上」あり、かつ、「まだ1勝もしていない馬」が出走できるレースです。

この違いが、3歳デビュー馬のキャリアに大きく影響します。

3歳になって初めてレースに出る馬は、2月下旬のタイムリミットに間に合えば、「3歳新馬戦」で、自分と同じ「初出走の馬」たちだけを相手にデビューできます。

しかし、その時期を逃して3月以降にデビューする場合、出走できるのは「3歳未勝利戦」になります。これはつまり、デビュー戦(初出走)でありながら、すでにレース経験のある馬たちに混ざって戦わなければならない、ということです。

「未勝利戦デビュー」の難しさ

新馬戦は、全馬がレース未経験なので「よーいドン」の横一線スタートです。しかし未勝利戦には、すでに新馬戦や未勝利戦で2着、3着と惜しい競馬を経験し、レースの流れに慣れている「先輩」たちがたくさんいます。

その中に、いきなり初出走で飛び込んでいくのは、やはり簡単なことではありません。デビュー戦としてのハードルは、新馬戦よりも高くなると言えそうですね。

ちなみに、この「新馬戦は生涯一度きり」というルールは、2003年から施行されたものです。それ以前(2002年まで)は、新馬戦で負けても、同じ開催期間中なら最大4回まで新馬戦に出走できたそうです(実質、未勝利戦とあまり変わりませんね)。

現行の「一度きり」というルールに変更されたからこそ、その一発勝負を勝ち切る「新馬勝ち」は、競走馬にとって価値あるステータスになった、というわけです。

なお、ここで解説しているのは、あくまでJRA(日本中央競馬会)の番組体系に基づいたルールです。地方競馬(NAR)では、新馬戦に関するルール(例:ファーストチャレンジなど)が異なる場合がありますので、その点はご注意ください。

デビューが遅れる主な理由とは

そもそも、大多数の馬が2歳の6月頃からデビューしていく中で、なぜ一部の馬は3歳の1月、2月までデビューがずれ込むんでしょうか。これには、競走馬の育成過程における、いくつかの代表的な理由があるみたいです。

単に「能力が低いから」というわけではなく、むしろ将来を期待されているからこそ「無理をさせない」結果、遅れるケースも多いんですよね。

理由1:馬体の成長遅れ(晩成)

人間にも早熟なタイプと、大人になってから伸びるタイプがいるように、馬にも成長のスピードには大きな個体差があります。

2歳の時点ではまだ骨格や筋肉が調教の負荷に耐えられるほど成熟しておらず、陣営(馬主さんや調教師さん)が「この馬はまだ本格化前だな」と判断した場合、意図的にデビューを遅らせることがあります。

特に、血統的に長距離を得意とするステイヤー(例えばステイゴールド系など、あくまで傾向ですが)と呼ばれるタイプには、2歳時よりも3歳になってからグッと成長する「晩成(おくて)」の馬も多い印象です。こういう馬は、焦って2歳で使うよりも、体がしっかりするのを待って3歳でデビューさせた方が、その後のキャリアで良い結果に繋がると判断されるわけですね。

理由2:怪我やアクシデント(頓挫)

これが、デビューが遅れる理由としては最も多いパターンかもしれません。育成過程で順調に調教が進んでいても、不運な怪我や体調不良に見舞われ、一時的に調教を中断せざるを得ない状態を「頓挫(とんざ)」と言ったりします。

若馬に多い「ソエ」とは?

若馬特有のアクシデントとしてよく聞かれるのが「ソエ」です。これは骨膜炎(こつまくえん)の通称で、人間でいう「シンスプリント」に近い状態だそうです。命に関わるような重傷ではないんですが、痛みがあるため調教を休んで安静にする必要があります。

他にも、調教中に骨折(軽いヒビなども含む)してしまったり、蹄(ひづめ)が割れる「裂蹄(れってい)」を発症したり、理由は様々です。

これらの治療と休養期間が必要になるため、当然デビューは遅れます。そして、回復を待って3歳になってから再度調教をスタートさせ、ようやくデビューにこぎつける、という流れです。

理由3:ゲート試験の不合格(気性)

JRAでレースに出走するためには、調教の他に、もう一つクリアしなければならない必須条件があります。それが「ゲート試験」です。

競馬は、あの発走ゲートから全馬が一斉にスタートしますよね。あのゲート内で静かに立っていられるか(駐立)、そしてゲートが開いたらスムーズに発進できるか、を審査される試験です。

馬の気性(性格)によっては、

  • 狭いゲート内でじっとしているのを極端に嫌がる
  • スタートの合図に反応が鈍く、発進が極端に遅い

といった理由で、なかなか合格できないことがあります。このゲート試験に合格するまで、馬はレースに出走することが許可されません。

能力はあっても、この試験で手こずってしまった結果、デビューが3歳までずれ込んでしまう、というケースも実際にあります。

3歳新馬戦デビュー馬の賞金とキャリア

さて、そんな短く険しい「3歳新馬戦」ですが、陣営がそこを目指すのにはちゃんとした理由があります。ここからは、お金の話(賞金)と、デビュー後のキャリアについて見ていきましょう。

3歳新馬戦の賞金、未勝利戦と比較

なぜ陣営(馬主さんや調教師さん)が、2月下旬という短いタイムリミットまでに、除外されるリスクを冒してまで3歳新馬戦に登録しようとするのか。

その最大の理由は、第1章で触れた「新馬勝ち」という一度きりのステータスに加え、もっと直接的な「経済的インセンティブ(賞金)」が明確に存在するからです。

JRAは、「新馬戦」の賞金を、「未勝利戦」よりも高く設定しています。まずは、3歳馬が出走する両レースのJRA平地・一般レースにおける本賞金(1着から5着まで)の比較を見てみてください。

順位 3歳新馬戦 (1着賞金) 3歳未勝利戦 (1着賞金) 差額
1着 620万円 560万円 +60万円
2着 250万円 220万円 +30万円
3着 160万円 140万円 +20万円
4着 93万円 84万円 +9万円
5着 62万円 56万円 +6万円

この比較表から、いくつかの重要なポイントが分かります。

ポイント1:1着賞金で「60万円」の明確な差

まず目につくのが1着賞金です。同じ「3歳馬」が「初めて勝つ」という行為でも、それが2月下旬までの「新馬戦」であれば620万円、間に合わずに3月以降の「未勝利戦」でのデビュー勝ちだと560万円となり、60万円もの差が生まれます。この差は非常に大きいですよね。

ポイント2:2着以下(掲示板)でも差がある

見逃せないのが、1着だけでなく2着以下(5着まで)の賞金も全て新馬戦の方が高く設定されている点です。

レースは何が起こるか分かりません。たとえ勝てなくても、2着に入れば30万円、3着でも20万円の差が出ます。「どうせ同じレースに出すなら、上位に来た時のリターンが大きい方が良い」と考えるのは、当然のことかなと思います。

競走馬を1頭維持・管理するには、厩舎に預ける「預託料(よたくりょう)」だけでも、月々数十万円単位のコストがかかると言われています。

馬主さんにとって、この賞金60万円の差は、そうしたコストの数ヶ月分に相当する可能性もあるわけです。だからこそ、陣営は「除外ラッシュ」のリスクを承知の上で、この経済的メリットを取りに行くんです。

結論として、2月下旬のタイムリミットまでに登録が殺到する理由は、

  1. 「新馬勝ち」という二度と手に入らないステータス
  2. 「1着620万円」という明確な経済的メリット

この両方を手に入れられる「最後のチャンス」だから、なんですね。

※これらの賞金額は、あくまでJRAの平地競走・一般レースの一例です。特別競走やダート競走、あるいは今後の番組改編によって金額は変動する可能性があります。

馬券の検討や詳細なデータについては、必ずJRA公式サイトなどで最新の正確な情報をご確認ください。

デビューが遅れた馬の予想ポイント

競馬ファンにとって、この「3歳新馬戦」は、正直なところ予想がすごく難しいレースだと思います。なにしろ、出走馬の全頭が「なんで今頃デビューなの?」という、何らかの不確定要素(ワケ)を抱えているわけですから。

それだけに、世間の評価(人気)がアテにならず、人気馬が飛んで人気薄が突っ込んでくる…といった「荒れる」展開も多い印象です。

じゃあ、どこを見ればいいのか。その鍵は、やはり第3章で触れた「デビューが遅れた理由」を、出走馬の情報から推理することに尽きるかなと思います。

具体的に、私が注目している着眼点は以下の3つです。

着眼点1:調教(追い切り)で「状態」を推理する

レース前の調教内容(時計や本数)は、その馬の現在の仕上がり具合を判断する上で、最も重要な材料の一つです。

ここで見極めたいのは、その馬が「怪我明けで本調子にない」のか、それとも「晩成型で、満を持して出てきた」のか、という点です。

  • 怪我明け・急仕上げの可能性が高い馬
    • レース直前の調教本数が、他の馬と比べて明らかに少ない。
    • 追い切りの時計が全体的に平凡(特に終い1ハロンの伸びが甘い)。
    • 最終追い切りだけ時計を出して、それ以前の乗り込みが不足している。
  • 晩成型・順調なデビューの可能性が高い馬
    • (ゲート試験などで遅れただけなら)調教本数はしっかり積めている。
    • 時計が、同日の未勝利戦や1勝クラスの馬と比較しても見劣りしない。
    • 特に坂路やウッドチップコースで、シャープな伸び脚を見せている。

「ゲート試験」で手間取った馬は、調教はしっかり積めていることが多いですが、レース本番での気性面(後述するパドック)には注意が必要かもしれませんね。

着眼点2:血統(晩成血統)で「適性」を推理する

血統背景も、デビューが遅れた理由を読み解く重要なヒントになります。

一般的に、2歳戦から活躍する「早熟型」の血統(例えばダイワメジャー産駒など、あくまで傾向ですが)の馬が、この3歳冬にようやくデビューしてくる場合、「何か(怪我や体調不良)があったのでは?」と疑う材料になります。

逆に、「奥手(おくて)」「大器晩成」と呼ばれるタイプの血統背景を持つ馬が、この時期に満を持してデビューしてくる場合は、単なる「遅れた馬」ではなく、「適期にデビューしてきた注目馬」と評価できるかもしれません。

注目したい晩成血統(あくまで傾向です)

  • ステイゴールド系:オルフェーヴル、ゴールドシップ産駒など。スタミナ豊富で、古馬になってから真価を発揮する馬も多い血統です。
  • ハーツクライ系:ジャスタウェイ、スワーヴリチャード産駒など。こちらも成長曲線が緩やかで、長く良い脚を使うタイプが多い印象です。

これらの血統の馬が、調教でも良い動きを見せていれば、積極的に狙ってみる価値はあるかなと思います。

着眼点3:馬体重とパドックで「仕上がり」を見極める

2歳新馬戦と異なり、3歳馬は馬体がある程度完成しつつあります。だからこそ、当日のパドック(レース前に馬が周回する場所)での状態チェックは、2歳戦以上に重要です。

  • 馬体重:まずチェックしたいのが馬体重。2歳時と違って、大幅なプラス体重は「太め残り(仕上がり途上)」の可能性があります。
  • 筋肉の張り・ツヤ:冬場で毛ヅヤは判断しにくいかもしれませんが、筋肉の張り(特にトモ=お尻の筋肉)がしっかりしているかは見たいですね。
  • 気性(落ち着き):これが一番重要かもしれません。特に「ゲート試験」で遅れた馬が、パドックでひどくイレ込んでいたり、汗をびっしょりかいていたりする場合は、レース前に消耗している可能性が高いです。

3歳新馬戦は、まさに「情報戦」です。調教、血統、パドックから、その馬が「なぜ今デビューなのか」を推理し、本調子でない馬を見抜き、隠れた「遅れてきた大物」を見つけ出すのが、馬券的中の鍵かなと思います。

新馬戦のデータ分析については、以前に新馬戦の成績データに関する考察や、新馬戦の配当傾向についての分析も行いましたので、よければそちらも参考にしてみてください。

※血統や調教の傾向は、あくまで一般的な見解の一つであり、全ての馬に当てはまるものではありません。

馬券の購入は、ご自身の判断と責任において、JRA公式サイトなどの最新情報をご確認の上、お楽しみください。

3歳新馬戦からの活躍馬はいるか

「遅れてきた大物」という言葉は、競馬ファンのロマンをくすぐりますよね。では、この3歳新馬戦からデビューして、同年のクラシック、特に競馬の祭典である「皐月賞(4月)」や「日本ダービー(5月下旬)」で活躍するような馬は、果たして存在するんでしょうか。

結論から言うと、春のクラシック(皐月賞・ダービー)に関しては、日程的に「ほぼ不可能に近い」というのが、残念ながら現実のようです。

なぜ春のクラシックが困難なのか?

その理由は、圧倒的な「時間のなさ」です。

仮に、3歳新馬戦の最終週である2月下旬にデビュー勝ちしたとしましょう。そこから、

  • 皐月賞(4月中旬)まで、約8週間(2ヶ月弱)
  • 日本ダービー(5月下旬)まで、約12週間(3ヶ月弱)

しかありません。

この短期間で、馬主さんや調教師さんが何をしないといけないかというと、

短期間で求められる「常識外れ」のパフォーマンス

  1. まず、レース後の疲労を回復させる(最低1~2週は必要)。
  2. 次に、クラシック出走権を得るための「トライアルレース」に向けて再調整する。
  3. そのトライアルレース(例:弥生賞、スプリングS、青葉賞など)で、すでに2歳時からG1などでキャリアを積んできた強豪馬たちを相手に、上位入線(例:3着以内など)して優先出走権を獲得する。
  4. そして本番のクラシック(皐月賞やダービー)に挑む。

つまり、デビューから休む間もなく、ほぼ「連勝」に近いパフォーマンスが求められるわけです。これは、常識的に考えて非常に困難なローテーションと言えます。

「データの不在」が示す現実

私も色々調べてみましたが、少なくとも現行のルール(新馬戦が生涯一度きりになった2003年以降)において、3歳新馬戦でデビューして、その年のうちに日本ダービーを制したような、華々しい活躍馬の事例を具体的に見つけることはできませんでした。

この「データの不在」こそが、3歳新馬戦デビュー馬が春のクラシックで活躍することの難しさを、何よりも雄弁に物語っているかなと思います。

「遅れてきた大物」の真価は秋以降に

ただし、ここで重要なのは、「春のクラシックに間に合わなかった」=「その馬に素質がなかった」では、決してないということです。

デビューが遅れた理由が、単なる「晩成」であったり、「軽微な怪我(頓挫)からの回復待ち」であったりした場合、その馬が秘めている素質は本物かもしれません。

「大器晩成型」のキャリアパス

そうした馬たちは、無理に春に間に合わせることをせず、以下のようなキャリアを歩むことが多いです。

  • 春は成長を促す期間にあて、夏(函館・札幌やローカル開催)で力をつけ、秋のクラシック最終戦「菊花賞(10月)」(3000m)で頭角を現すパターン。
  • あるいは、3歳時は条件戦をコツコツと勝ち上がり、馬体が本格化する4歳(古馬)になってから、G1戦線で活躍するパターン。

実際に、3歳デビュー馬の中からも、古馬になってからG1を制するような名馬は(数は多くないものの)出てきています。

結論として、3歳新馬戦は「短期的なクラシック候補」を探すレースとしてではなく、将来のG1戦線や、息の長い活躍が期待できる「大器晩成型」の原石がいないか、長期的な視点で注目すべきカテゴリだと言えそうですね。

迫る未勝利戦のタイムリミット

3歳新馬戦が終わっても、実は安心できません。競走馬のキャリアには「二重のタイムリミット」という、さらに厳しい現実が待っています。

第1のタイムリミット:3歳新馬戦の終了(2月下旬)

これは、ここまで話してきた通りです。この期限を過ぎると、「新馬勝ち」のステータスと、割増された賞金(620万円)を得る権利を失います。

第2のタイムリミット:3歳未勝利戦の終了(9月)

こっちがさらに重要です。JRAは、3歳馬のための「未勝利戦」を、9月中旬頃で打ち切ってしまうんです。

この「第2のタイムリミット」(9月中旬)までに1勝もできなかった馬は、JRAの平地レースに出る資格を事実上失ってしまいます。

この終了時期(例:2025年度は9月15日まで)は、JRAの番組編成によって毎年決まります。あくまで目安として捉え、必ず最新の公式発表をご確認ください。

3歳新馬戦の重要性と「その後」

では、9月までに1勝もできなかった馬は、どうなってしまうのか。「その後」のキャリアパスは、大きく二つに分かれます。

  • 地方競馬(NAR)への移籍:多くの馬が、新天地を求めて地方競馬に移籍し、再起を図ります。
  • 引退:そのまま競走馬を引退し、乗馬になったり、牝馬(女の子の馬)の場合はお母さん(繁殖牝馬)になったりします。

こうして見ると、「3歳新馬戦」というのは、単なるデビュー戦が遅れたレースというだけじゃないんですよね。

JRAでキャリアを続けるための、厳格なタイムリミット・システムの「第一関門」なんだなと。賞金もステータスも、そして「その後」のキャリアも左右する、馬にとっては非常に重要なレースなんだと、私は思います。

この記事で紹介した情報や数値は、JRAのルールに基づいたものですが、内容は変更される可能性もあります。馬券の購入や最終的な判断は、ご自身の責任において、JRA公式サイトなどの信頼できる情報源をご確認の上、行ってくださいね。

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