新馬戦と未勝利戦の違いとは?賞金や予想のコツ

【PR】この記事には広告を含む場合があります。

こんにちは。Asymmetric Edge、運営者の「K」です。

競馬を見始めたとき、まず「?」となるのがレースのクラス分けかもしれません。特にキャリアの浅い馬たちが出てくる「新馬戦(しんばせん)」と「未勝利戦(みしょうりせん)」は、名前は似ていますが、その中身はまったくの別物です。

新馬戦と未勝利戦の違いがよくわからない、賞金はどっちが高いの?未勝利戦っていつまでやってるの?といった疑問から、それぞれの予想の仕方や馬券のヒントまで。競馬の「始まり」を理解することは、レースをより深く楽しむための第一歩かなと思います。

この記事では、そんな競馬の基本ルールとも言える2つのレースについて、その役割や仕組み、そして私なりの馬券戦略のポイントをまとめてみました。

  • 新馬戦と未勝利戦の決定的な違い
  • なぜ賞金に差があるのか
  • 未勝利戦がいつまで行われるかのルール
  • 新馬戦・未勝利戦の予想のヒント
目次

新馬戦と未勝利戦の違いをルールから解説

まずは基本の「キ」ですね。この2つのレースが、JRA(日本中央競馬会)のシステムの中でどういう位置づけで、どう違うのか。ルールや仕組みから見ていきたいと思います。

デビュー戦限定の新馬戦とは

新馬戦は、その名の通り「新馬」のためのレースです。JRAでは「メイクデビュー」という愛称でも呼ばれていますね。

最大の特徴は、すべての競走馬がそのキャリアで「ただ一度だけ」しか出走できないこと。つまり、全馬が「初出走(デビュー戦)」なんです。

昔は一度負けても、また新馬戦に出ることができた時代もあったようですが、2003年からはルールが変わりました。これにより、新馬戦=全員がデータゼロのデビュー戦、という構図が明確になったわけです。

すべての馬がここからスタートする、特別なレースなんですよね。

未勝利戦の出走資格とクラス

一方、新馬戦が「デビュー戦限定」なのに対し、未勝利戦は文字通り「まだ1勝もしていない馬」が集まるクラス、ということになります。

ただ、JRAの公式な定義を見ると、もう少し複雑で、以下の2つの条件を「両方とも」満たす馬を「未勝利馬」と定めています。

  • 1. 出走して第1着になったことがない馬
  • 2. 重賞競走(G1, G2, G3)の第2着にもなったことのない馬

「1」は分かりやすいですが、「2」はちょっと不思議ですよね。これは、クラス編成の公平性を守るための、非常に重要な防波堤なんです。

補足:重賞2着ルールの意味

ごく稀にですが、ものすごく素質の高い馬が、新馬戦を経ずにいきなりデビュー戦としてG3(重賞)などに出走することがあります。もしその馬がデビュー戦の重賞でいきなり2着に入った場合、「1着になったことがない」というルールだけなら、彼は「未勝利馬」です。

でも、重賞で2着になれる実力馬(=実質、1勝クラス以上の力)が、次のレースで未勝利戦に出てきたら… レースが公平じゃなくなってしまいますよね。このルール(S1, S6とも呼ばれます)は、そういう実力馬を強制的に1勝クラスに昇級させるための「実力判定」ルールとして機能しているわけです。

この定義を踏まえた上で、未勝利戦の本質を理解するために最も重要なのが、「未勝利戦にはどういう馬が出走してくるのか?」という点です。これには、大きく分けて2つのパターンがあります。

パターン1:新馬戦で敗れた馬(キャリア1戦以上)

これが最も一般的なパターンですね。「新馬戦」という、一生に一度のデビュー戦で勝利を逃した馬たちです。

すでに「レース」というものを経験している馬たちで、キャリアは1戦、あるいは2戦、3戦と、様々です。彼らにとって、この未勝利戦は「JRAに所属し続けるための1勝」を目指す、いわば「敗者復活戦」の位置づけになります。

パターン2:デビューが遅れた馬(未出走馬)

そして、こちらが非常に重要です。JRAのルールには「未勝利競走には未出走馬も出走することができる」という大事な補足があります。

「あれ?デビュー戦は新馬戦じゃないの?」と思いますよね。ですが、例えば「3歳新馬戦」は、JRAの番組編成上、例年2月頃で終了してしまいます。

もし、怪我や成長の遅れ(晩成タイプ)で、3月以降にようやくデビューを迎える3歳馬がいたら… その馬はもう「新馬戦」に出走できないんです。

そうした「デビューが遅れた馬」は、キャリアの初戦(デビュー戦)を、この「3歳未勝利戦」で迎えることになります。


つまり、未勝利戦は「新馬戦で負けた馬(=レース経験者)」と、「デビューが遅れた馬(=レース未経験者)」が混在する、非常に特殊な「混成レース」なんです。

この「経験」の有無が混ざり合う点が、未勝利戦の予想を面白くも、難しくもしている最大の要因かなと、私は思います。

決定的な違いは賞金にも

もう一つの決定的な違いは、勝った時にもらえる「本賞金」です。ズバリ、新馬戦は未勝利戦よりも賞金が高いです。

これはJRAが発表している2025年度の番組データ(平地競走)ですが、差は一目瞭然ですね。

競走 (2025年度) 第1着 第2着 第3着 第4着 第5着
2歳新馬 750万円 300万円 190万円 110万円 75万円
2歳未勝利 560万円 220万円 140万円 84万円 56万円
3歳新馬 620万円 250万円 160万円 93万円 62万円
3歳未勝利 560万円 220万円 140万円 84万円 56万円

同じ2歳馬でも、デビュー戦で勝つ(新馬勝ち)のと、2戦目以降で勝つ(未勝利勝ち)のとでは、1着賞金で190万円も違います。これが「新馬勝ち」の価値であり、経済的な裏付けになっているわけです。

未勝利戦はいつまで?3歳の壁

「未勝利戦 いつまで」というのは、競馬のシステムを調べ始めると必ず出てくる、重要なキーワードですよね。

これはJRAの厳格なサバイバルシステムを象徴するルールで、3歳馬のための未勝利戦は、例年8月末、または9月の第1週をもってすべて終了します。

「3歳の夏」と呼ばれるこの期限は、JRAに所属する3歳未勝利馬にとっての、文字通り「キャリアの崖(クリフ)」とも言えます。

なぜ期限があるのか?

なぜJRAは、未勝利戦をいつまでも開催しないのか。これはJRAが「中央競馬」というピラミッドの頂点であることと深く関係しています。

秋になると、G1レースを頂点とした「トップ層」の戦いが本格化します。同時に、下からは次世代のスター候補である「現2歳馬」たちのレースが本格化してきます。日本の競馬番組は、このサイクルで回っているわけです。

JRAとしても、限られたレース枠の中で、ずっと3歳未勝利馬のためのクラス(ピラミッドの最下層)を用意し続けることはできません。そこで、「3歳の夏」というタイムリミットを設け、競走馬の「ふるい落とし(選別)」を行う必要があるんですね。これがシステムの現実です。

期限までに勝てなかった馬の「進路」

では、この期限までに1勝を挙げられなかった馬は、どうなってしまうのか。JRAでのキャリアを続けるのが原則として難しくなり、馬はいくつかの進路を選択することになります。ここが競馬の厳しい側面でもあり、奥深い部分でもあります。

主な4つの進路

  1. JRA残留(格上挑戦) JRAの登録を残したまま、自分より上のクラスである「1勝クラス」のレースに出走します。未勝利戦で勝てなかった馬が、すでに1勝している馬たちと戦うわけですから、これは非常に厳しい道です。「もしかしたら」という一縷の望みをかけた挑戦ですね。
  2. 地方競馬(NAR)への転厩 最も一般的な進路です。JRAの登録を抹消し、地方競馬(NAR)へ移籍します。地方競馬はJRAよりもクラス分けが細かく、馬のレベルに合ったレースが組まれています。そこで心機一転、1勝を目指し、キャリアを続行します。
  3. 障害競走への転向 平地競走(普通のレース)に見切りをつけ、「障害馬」としてジャンプを飛び越えるレースにキャリアチェンジします。平地ではスピードが足りなかった馬が、ジャンプの才能とスタミナで花開くこともあり、馬にとっての「転職」とも言えますね。
  4. 引退 競走馬を引退します。牝馬(メス馬)で血統的な価値が認められれば「繁殖牝馬(お母さん)」になる道もありますが、多くは「乗馬」として、全国の乗馬クラブなどで「先生」として第二の馬生(ばせい)をスタートさせます。

このように、「3歳夏の未勝利戦終了」というのは、日本競馬界における競走馬のキャリアを振り分ける、経済ピラミッドの最初の巨大なフィルターとして機能しているわけです。このシステムを知っていると、夏の未勝利戦を見る目も少し変わってくるかもしれません。

スーパー未勝利戦という最終関門

そして、その3歳未勝利戦の最終週に行われるレースは、通称「スーパー未勝利戦」と呼ばれています。

これは最後の砦なんですが、すべての未勝利馬が出られるわけではないのがミソです。出走は1回限りで、さらに以下の条件を満たす必要があります。

スーパー未勝利戦の出走資格(いずれか)

  • キャリアが5戦以下の馬
  • 前走で5着以内だった馬

これはJRAによる「JRAに残留する価値のある馬」の最終選別試験、とも言えますね。

キャリアが浅くてまだ底を見せていない馬や、キャリアは多くても直近で惜しい競馬をしている馬に、最後のチャンスが与えられます。逆に言えば、ダラダラと走り続けて大敗している馬は、最後のレースに出る資格すらない、というシビアな実力主義の現れかなと思います。

新馬戦や未勝利戦の予想と馬券戦略

さて、ルールや違いがわかったところで、実践編です。じゃあ、この2つのレース、馬券的にはどう予想すればいいのか? もちろん正解はありませんが、私なりの注目ポイントをまとめてみます。

新馬戦の予想は血統が鍵

新馬戦の予想は、ベテランの競馬ファンでも「難しい」と言う人が多いですよね。理由はハッキリしていて、全馬が初出走なので「比較できる過去のレースデータ」が一切存在しないからです。前走何着だったとか、どんな勝ち方をしたとか、そういう物差しが全くないわけです。

じゃあ何を見るかというと、調教(トレーニング)の動きや、厩舎(きゅうしゃ)のコメントなどももちろん大事ですが、やはり最大の拠り所は「血統」になるかなと思います。これはオカルトや神頼みではなく、「過去のパフォーマンス」の「代理データ(Proxy Data)」として機能する、最も信頼できる統計的な指標だと私は捉えています。

その馬自身が走ったデータがないなら、そのお父さん、お母さん、おじいさん達が、似たような条件でどういう成績を残してきたかを参考にする、というわけですね。

血統から「適性」を推測する

血統を見るとき、私が特に注目するのはこの3点ですが、もう少し具体的に見てみます。

  • 芝・ダート適性


    これは一番わかりやすいフィルターですね。例えば、お父さん(種牡馬)がヘニーヒューズパイロといった馬なら、まず「ダート向きかな?」と推測します。逆にキズナエピファネイアといったお父さんなら、芝のレースでこそ、と期待します。もちろん例外はありますが、デビュー戦でいきなり不得意そうな条件に出てきた馬は、少し評価を下げることもあります。
  • 距離適性


    これも重要です。例えばキタサンブラック産駒(さんく=子供のこと)なら、2000m以上の長めの距離で良さが出そうだな、とか。逆にダイワメジャー産駒なら、マイル(1600m)前後が強そうだな、といったイメージです。新馬戦が1200mなのに、血統的にどう見ても長距離向きの馬が出ていたら、「ここは叩き台(=本番は先)かも?」と考える材料になります。

新馬戦特有の「仕上がり」と「早熟性」

そして、新馬戦の予想で特に大事なのが、この「仕上がり」と「早熟性」の視点です。

競走馬には、人間と同じで「早くから活躍できるタイプ(早熟)」と「じっくり成長して強くなるタイプ(晩成)」がいます。どれだけすごい素質を持っていても、晩成タイプの馬が2歳の6月(新馬戦が始まる時期)に完璧な状態でデビューするのは難しいかもしれません。

私の印象ですが、例えばダイワメジャー産駒やキンシャサノキセキ産駒などは、2歳戦から元気に走る馬が多く、「仕上がりが早い」血統として新馬戦で人気になりやすい傾向がある気がします。逆に、かつてのハーツクライ産駒のように、クラシック(3歳春)や古馬になってから本格化する血統は、新馬戦ではまだ本領を発揮しきれないケースもありました。

補足:母父(BMS)の重要性

血統というと、ついついお父さん(種牡馬)ばかりに目が行きがちですが、お母さんのお父さん(母父、BMSとも言います)も、同じくらい重要です。

例えば「お父さんは芝の長距離が得意」でも、「母父はダートの短距離が得意」という組み合わせなら、「芝もダートもいけるかも?」「距離はマイルくらいがベスト?」といったように、適性を補完しあったり、バランスを取ったりします。私は必ず「父」と「母父」の組み合わせをチェックするようにしています。

このように、新馬戦の血統予想とは、その馬個人の走りを見るのではなく、「その馬が属する血統カテゴリの過去の統計データ」を分析することに他なりません。「この子の血統は、この競馬場の、この距離の、この時期の新馬戦で、過去にどれくらい活躍していたか?」を調べる。それが新馬戦予想の基本であり、奥深さかなと思います。

新馬戦のパドックは「下見」

「パドック(レース直前に馬が周回するところ)を見ればわかる」というのは、競馬のベテランがよく言う言葉ですよね。でも、こと「新馬戦」に関しては、私は少し違う見方をしています。

それは、新馬戦のパドックは「馬券を当てるため」に必死で見るというより、「次走(未勝利戦)の馬券を当てるための下見である」と捉える、ということです。

なぜか? それは、新馬戦のパドックが最も難しいとされる「比較基準の不在」がここでも当てはまるからです。

例えば、馬が少しチャカチャカして見えたり、キョロキョロしたりしているとします。でも、それがその馬の「平常運転(いつもの性格)」なのか、それとも「初めての場所で緊張している(イレ込み)」のか、初見で判断するのはプロでも至難の業です。その馬の「平熱」が分からないので、当日の「熱っぽさ」がどの程度深刻なのか判断できないんですよね。

もちろん、極端に発汗している(入れ込み過ぎ)とか、毛ヅヤが悪くガリガリに痩せて見えるとか、明らかにコンディションが悪い馬を見抜くことは大事です。それは馬券検討から外す材料になります。

でも、新馬戦のパドック観察の本当の価値は、その馬の絶対的な能力を判断することよりも、その馬の「キャリアの基準点(ベースライン)」を、自分の中にインプットすることにあると私は思っています。

「この馬、デビュー戦の時はこんな感じだったな」と、その時の馬体重、気配、歩き方、発汗の具合を、その馬の「平常時(の第一形態)」として覚えておくんです。

この「下見」が、次走、その馬が未勝利戦に出てきた時に、とてつもない威力を発揮します。

次走(未勝利戦)で比較するポイント

  • 精神的な「変化」 「新馬戦の時はあんなにキョロキョロして幼かったのに、今日はすごく落ち着いて集中して歩けているな(=学習した!)」
  • 肉体的な「変化」 「新馬戦の時はまだ体が細く見えたけど、1ヶ月休んで馬体重+10kg、すごくたくましくなったな(=成長した!)」
  • 状態の「変化」 「新馬戦の時は汗をかいてイレ込んでいたのに、今日は落ち着いている。これが本来の姿か(=状態が上がった!)」

新馬戦のパドックは「答え合わせ」の場ではなく、次の未勝利戦で「変化」という答えを見つけるための「問題用紙」を受け取る場、という感じかなと思います。この「変化」に気づけることこそが、未勝利戦の予想の鍵になるんですよね。

未勝利戦の予想は「変化」を見る

新馬戦が「ポテンシャル(可能性)」を予想するレースなら、未勝利戦は「実績と変化」を分析するレースだと私は思っています。

新馬戦とは対照的に、未勝利戦は「狙い目」のレースだと私が考える理由は、まさに「一度見たことがある馬」がほとんどだからです。新馬戦で得た「基準点(ベースライン)」があるからこそ、前走からの「変化」や「上積み」を見抜くことができるわけです。

では、その「変化」や「上積み」とは、具体的にどこを見ればいいのか。私が注目しているのは、主に「精神面」「フィジカル面」、そして「データ面」の3つです。

ポイント1:精神面とレース経験(学習)

馬にとって、初めてのレース(新馬戦)は、右も左もわからない、混乱した体験のはずです。周りに馬が密集する、砂や芝が顔に飛んでくる(キックバック)、歓声が響く。パニックになっても仕方ありません。

ですが、二戦目(デビュー二戦目)は違います。一度レースを経験したことで、流れを「学習」し、精神的な落ち着きや集中力が出てくる馬が非常に多いです。これは、パフォーマンスが激変する可能性が最も高いタイミングと言えます。

また、陣営(厩舎)が馬具を工夫してきた時も、明確な「変化」のサインです。

  • ブリンカー(遮眼帯):前走キョロキョロして集中していなかった馬に装着されます。
  • ハミの変更:前走、騎手の言うことを聞かずに暴走(掛かった)した馬の制御を利かせるため、など。

これらは「前走の課題を、これで修正してきました」という陣営からのメッセージであり、非常に重要な予想材料になります。

ポイント2:フィジカル(馬体)の変化

新馬戦のパドックを「下見」としてインプットしておくと、ここで一気に差がつきます。若い2~3歳馬にとっての1ヶ月は、人間の中高生と同じで、急激に成長する時期です。

  • 馬体重:特に「休み明け(中5週以上)」の馬は要注目です。前走時からプラス4kg~10kgくらいの増加は、中身が詰まって成長した(身が入った)健全なサインであることが多いです。逆にマイナス10kgなど大幅に減っている場合は、体調が万全でない可能性も考えます。
  • パドックの気配:新馬戦の時と比べ、「落ち着きが出たか」「汗をかいていないか(イレ込み)」「筋肉のメリハリは出たか」といった比較ができます。新馬戦で細く見えた馬が、休み明けで馬体に厚みが出ていたら、それだけでプラス評価です。

ポイント3:前走の「着順に表れない」内容

これは少し上級者向けかもしれませんが、最も重要なポイントかもしれません。前走の「6着」という数字だけを見て「弱い」と判断するのは早計です。

見るべきは「レースの中身」です。

例えば、レースの「上がり3ハロン(最後の600m)」のタイムが、そのレースで1位か2位(最速)だった場合。これは、スタートで出遅れたり、道中で前が壁になってスムーズに走れなかったりしたせいで、「脚を余して」負けた可能性が非常に高いです。着順は8着でも、能力は1着馬と変わらない、というケースですね。

前走で明らかな不利(出遅れ、進路妨害など)があった馬や、この「上がり最速」を記録していた馬が、今回スムーズなレースさえできれば、あっさり勝つ。これが未勝利戦の馬券の醍醐味の一つです。

K的・未勝利戦の「狙い目」パターン

個人的に一番期待値が高いと思うのは、これらの「上積み」が複合している馬です。

  1. 新馬戦(初戦)で、不利や展開のせいで負けたが、「上がり最速」を記録していた馬。
  2. その後、焦って連戦せず、中5週以上の適度な休み(放牧)をとった。
  3. そして今回、馬体重プラス8kgでパドックに落ち着いて出てきた。

こんな馬がいたら、「精神的な学習」「肉体的な成長」「データ的な裏付け」の三拍子が揃っているわけで、私にとってはかなり魅力的に映りますね。

狙い目はローテーションにあり

これは馬券戦略の、かなり実践的なヒントになるかなと思う部分です。

特に「3歳の夏」のタイムリミット(「未勝利戦はいつまで?」のセクション参照)が迫る、7月~9月の3歳未勝利戦において、「ローテーション(レース間隔)」は、他のどのレースよりも重要な攻略ポイントになる気がします。

なぜなら、この時期のローテーションには、「陣営の焦りや心理状態」と、「馬の残り余力(フィジカル)」が、隠しようもなく表れるからです。

【危険かも?】 タイムリミットが迫る「連戦」

タイムリミットが目前に迫ると、「中1週」(1週間おき)や「中2週」(2週間おき)といった、短い間隔でレースに連続出走してくる馬(=連戦)が目に見えて増えます。

これを見て「お、前走から間隔が詰まってるから、調子が良いのかな?」と判断するのは、少し早いかもしれません。

もちろん、本当にタフで調子が良い馬もいますが、多くの場合は「勝てるから使っている」のではなく、「タイムリミットが来るから、今使うしかない」という、陣営の「焦り」の現れである可能性を私は考えます。

人間だって、毎週フルマラソンを走れば疲労が蓄積しますよね。馬も同じで、十分な回復期間がないまま「無理遣い」されている状態だと、前走の着順(例:3着)から人気になっていても、目に見えない疲労で最後の直線で伸びを欠く… というのは、この時期によく見るパターンな気がします。典型的な「危険な人気馬」になり得るわけです。

【狙い目かも?】 「一鞍必勝」のローテーション

一方で、私が狙い目かなと思うのは、逆のパターンです。

例えば、前走で惜しいレース(例:3着以内、あるいは着順は悪くても上がり最速など)をした馬が、焦って連戦せず、あえて「中4週~7週」といった適度な間隔を空けて、この勝負時期に戻ってきた場合です。

この「間隔」は、陣営が馬をしっかり回復させ、場合によっては放牧(リフレッシュ)に出し、「ここを勝つ」ためだけに万全の態勢を整えてきた、という戦略的な意図が読み取れる気がします。

これは、前のセクションで触れた「肉体的な成長」や「精神的な学習」を促すのにも十分な期間です。まさに「一鞍必勝(いっきゅうひっしょう=この一戦に懸ける)」のローテーションであり、陣営の勝負気配(本気度)が感じられます。

もちろん、これが全てではありません。馬の個性(タフな馬、休み明けが苦手な馬など)もあります。

ですが、この「3歳の夏」という特殊な時期においては、「そのローテーションは、焦りから来ているのか、それとも戦略(一鞍必勝)から来ているのか?」と一歩引いて考えてみることが、馬券のヒントに繋がるのではないかなと、私は思います。

賞金から読むJRAの意図

さっき「決定的な違いは賞金にも」で賞金表を見ましたが、あの賞金体系はJRAの「早期デビュー推進策」と完全に連動しています。

もう一度整理すると、

2歳新馬(750万) > 3歳新馬(620万) > 未勝利戦(560万)

という順番です。

JRAは「より早く(2歳で)」「より強く(デビュー戦で勝つ)」馬に対し、最も高い賞金を支払うという明確な経済的インセンティブを設定しているわけです。

これが、馬主さんや生産牧場が、馬を早い時期から仕上げて2歳戦に投入する大きな動機になっているんですね。

まとめ:新馬戦と未勝利戦の役割

新馬戦と未勝利戦の違い、なんとなく掴んでいただけたでしょうか。

この2つのレースは、似ているようでまったく異なる役割を持つ、JRAのピラミッド構造の土台をなすシステムです。

K的まとめ

  • 新馬戦:キャリアの「出発点」。早期デビュー戦略の象徴。馬券的には「ポテンシャル(可能性)」を分析するレース。
  • 未勝利戦:JRA残留をかけた「最初の関門(ふるい落とし)」。馬券的には前走からの「変化(学習と成長)」を分析するレース。

馬券購入者としては、この「性質の違い」を正確に理解すること。つまり、新馬戦でポテンシャルを見抜き、未勝利戦でその馬の「変化」を追跡することが、馬券戦略の精度を上げる確実な第一歩かなと、私は思います。

情報の取り扱いについて この記事で紹介した賞金やルールに関する情報は、JRAの2025年度番組概要などを基にしていますが、これらは変更される可能性があります。また、馬券戦略に関する見解はあくまで私個人のものであり、利益を保証するものではありません。

馬券の購入はご自身の判断と責任においてお願いします。正確なレース情報やルールについては、必ずJRAの公式サイトなどでご確認ください。

目次