こんにちは。Asymmetric Edge、運営者の「K」です。
秋のマイル王決定戦、マイルチャンピオンシップ。あなたは最近、「マイルチャンピオンシップってこんなに荒れるレースだったっけ?」と感じていませんか。テレビ中継を見ていて「え、またこんな配当!?」と驚くことが増えた気がします。かつては「日本一堅いG1」とまで言われたこともあったのに、ここ数年は本当に高配当が続いていますよね。
特に「マイルチャンピオンシップ 大荒れ」と検索してこの記事にたどり着いたあなたは、その具体的な理由や、荒れた場合の傾向、そしてどんなデータに注目すれば穴馬を見つけられるのか、具体的な予想のヒントを探しているんじゃないかなと思います。私も毎年このレースには注目していますが、近年の変貌ぶりには驚きを隠せません。
2023年、2024年と京都開催に戻ってから連続で10万円を超える馬券が飛び出し、あのグランアレグリアが連覇した頃の堅いイメージは完全に過去のものになりつつあります。このレースの「荒れるメカニズム」を理解しないまま、古い常識だけで挑むのは、正直かなり危険かもしれません。
この記事では、なぜ今マイルCSがこれほどまでに荒れているのか、その理由と大荒れになった近年のレース傾向を詳細に分析し、高配当を的中させるための「新しい穴馬の法則」について、私なりの視点で深く掘り下げてまとめていきます。
- なぜマイルCSが「大荒れ」レースに変貌したのか
- 京都開催と阪神開催で異なるレースの質
- 近年の高配当レースの共通点と傾向
- 統計データから導く「狙うべき穴馬」の絶対条件
マイルチャンピオンシップの大荒れ、その理由
まずは、なぜあれほど「堅い」と言われたマイルCSが、近年「大荒れ」と呼ばれるようになったのか。その理由を、近年のレース結果と、非常に重要な「開催競馬場の変化」から探っていきますね。ここが、今のマイルCSを攻略する上で一番のキモかもしれません。

過去の堅いG1という常識は崩壊
マイルCSといえば、やはり歴史的名牝グランアレグリアが連覇(2020年、2021年)した頃のイメージが強い方も多いんじゃないでしょうか。あの頃は彼女のような「絶対的女王」がマイル路線に君臨していて、他の馬がなかなか太刀打ちできませんでした。当然、波乱の起きる余地は少なかったですよね。
さらに重要なのが、その2年間は京都競馬場の改修工事に伴って、開催地が変更されていたという事実です。
阪神競馬場(芝1600m・内回り)で開催された2020年と2021年は、3連単の配当がそれぞれ4,480円、6,000円未満と、2年連続で超堅い決着でした。この「阪神開催=堅い」というデータと、「グランアレグリアという特異点」が重なって、「マイルCSは堅実なレース」という常識が、多くの競馬ファンに強く刷り込まれたかなと思います。
しかし、この常識は、レースの舞台が本来の京都に戻った今、もはや全く通用しない過去のものとして、完全にアップデートする必要があると私は考えています。

2023・2024年の大荒れレース分析
「常識が崩壊した」と断言できる根拠は、直近の結果を見れば明らかです。
レースの舞台が本来の京都競馬場に戻った途端、レースの様相は一変しました。まずは、阪神開催時との配当の差をデータでご覧ください。
| 開催年 | 開催競馬場 | 3連単配当 | 1着馬(人気) | 2着馬(人気) | 3着馬(人気) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2020年 | 阪神(内) | 4,480円 | グランアレグリア (1) | インディチャンプ (3) | アドマイヤマーズ (4) |
| 2021年 | 阪神(内) | 6,000円未満 | グランアレグリア (1) | シュネルマイスター (2) | ダノンザキッド (5) |
| 2022年 | 阪神(内) | (非公表) | セリフォス (6) | ダノンザキッド (8) | ソダシ (2) |
| 2023年 | 京都(外) | 176,490円 | ナミュール (5) | ソウルラッシュ (3) | ジャスティンカフェ (7) |
| 2024年 | 京都(外) | 128,450円 | ソウルラッシュ (4) | エルトンバローズ (10) | (不明) |
この表を見ても分かる通り、京都開催に戻った2023年、2024年は、阪神開催の2年間とは比較にならないほどの「大荒れ」となっています。2024年に至っては、10番人気のエルトンバローズが2着に激走しました。2022年(阪神開催でしたが、グランアレグリア不在)も6番人気と8番人気の決着でしたから、もう「堅いG1」というイメージは完全に捨てた方がよさそうです。
では、この「大荒れ」は具体的にどのようなメカニズムで発生したのでしょうか。その構造は、「人気馬の凡走」と「人気薄の実力馬の激走」が同時に発生している点にあります。近2年のレースを、ケーススタディとして詳細に振り返ってみましょう。
ケーススタディ①:2023年(3連単 176,490円)
この年のレースは、「5人気 → 3人気 → 7人気」という、一見すると中波乱の馬たちで決着したにもかかわらず、17万馬券という高配当になりました。その最大の理由は、1番人気シュネルマイスター(7着)と2番人気セリフォス(8着)が揃って馬券圏外に沈んだためです。
では、なぜ2大人気馬は飛んだのでしょうか?
人気馬の敗因:京都外回りの「切れ味勝負」に屈する
このレースの1000m通過は57.7秒。ミドルペースで淀みなく流れ、勝敗は純粋な「上がり(末脚)の速さ」で決まりました。
- 1番人気シュネルマイスター(7着):中団(10番手あたり)からレースを進め、上がり33.5秒という速い末脚を使いました。しかし、1着ナミュール(33.0秒)、2着ソウルラッシュ(33.6秒)、3着ジャスティンカフェ(33.6秒)と、上位馬はそれを上回るか同等の「究極の切れ味」を発揮。彼は決して大崩れしたわけではなく、「切れ味勝負」で一歩及ばなかった、というのが実態です。
- 2番人気セリフォス(8着):彼も後方(14番手あたり)から上がり33.5秒の脚を使いましたが、ポジションが後ろすぎたことに加え、上位馬の切れ味には及びませんでした。
結論:2023年は、人気馬が「大敗」したのではなく、京都外回りコース特有の「直線での純粋なトップスピード(切れ味)勝負」において、それを上回る適性を持つ中団~後方待機の馬たち(ナミュール、ソウルラッシュ、ジャスティンカフェ)にまとめて差し切られた結果と言えます。これこそが、京都開催で波乱が起きるメカニズムの典型です。
ケーススタディ②:2024年(3連単 128,450円)
この年は、2つの異なる要因が重なって10万馬券が飛び出しました。「予測不能なアクシデント」と「過小評価された実力馬の激走」です。
要因A:人気馬の脱落(アクシデント)
まず、高配当の「隙」を作ったのは、2番人気に支持された前年覇者ナミュールの脱落です。レース後、C・デムーロ騎手が「4コーナーでトモ(後肢)がしっかり入ってこず、おかしいと思って止めました」とコメントした通り、レース中のアクシデントにより17着に大敗しました。これは予想段階での回避が困難な「不運」であり、これにより馬券のオッズが大きく跳ね上がる土壌ができました。
要因B:穴馬の激走(10番人気エルトンバローズ)
波乱の主役となったのは、10番人気のエルトンバローズ(2着)です。しかし、彼の激走は単なるフロックではありませんでした。
- 過小評価された「実績」:彼は2023年のマイルCSで、勝ち馬ナミュールからわずか0.2秒差の4着に好走していました。この「1年前の京都マイルG1での好走実績(=コース適性)」が、近走の成績(前走G2で3着)などから多くのファンに軽視され、10番人気という不当な低評価に繋がっていました。
- 完璧なレース運び:彼は道中、中団(6~7番手)のインコースをロスなく追走。直線でも馬群を縫うようにして内から伸び、最も効率の良い(距離損のない)レースをしました。
結論:2024年の「大荒れ」は、(A) 本命格の1頭がアクシデントで脱落し、(B) 前年の好走実績(コース適性)を軽視されて人気を落としていた実力馬が、完璧なレース運びでその隙を突いた、という複合的な要因で発生しました。

荒れる理由は京都開催への回帰
では、なぜ京都開催に戻るとここまで荒れるのか。先ほどの2023年の例(上位人気馬が切れ味勝負で敗れた)でも触れましたが、これはコース形態の違いが「大荒れ」の最大の要因になっていると私は見ています。
「同じG1、同じ芝1600mなんだから、どこでやっても同じじゃないの?」と思うかもしれませんが、阪神開催時と京都開催時では、求められる適性が全く異なります。この違いを理解することが、今のマイルCSを攻略する上で何よりも重要です。
まずは、両コースの決定的な違いを視覚的に比較してみてください。
| 比較項目 | 阪神・芝1600m (内回り) | 京都・芝1600m (外回り) |
|---|---|---|
| 使用コース | 内回り | 外回り |
| 最後の直線距離 | 約356m(短い) | 約404m(長い) |
| 最大の特徴(坂) | ゴール前に高低差1.8mの「上り坂」がある | 3コーナーから4コーナーにかけ高低差4.3mの「下り坂」がある |
| 直線の状態 | 急坂を駆け上がる | ゴールまでほぼ平坦 |
| 求められる適性 | パワー、器用さ、瞬発力 | スピードの持続力、末脚の「切れ味」 |
(出典:京都競馬場 コース紹介 – JRAのデータなどを基に作成)
この表だけでも、全く別のレースだということがお分かりいただけるかなと思います。それぞれの特徴をもう少し深く掘り下げてみましょう。
阪神・芝1600m(内回り)の特徴:「パワーと器用さ」の舞台
阪神の内回りコース(2020年・2021年に使用)は、最後の直線が短く、しかもゴール前に急坂が待ち構えています。これは何を意味するかというと、「紛れ」が起きにくいということです。
直線が短いため、後方の馬が差し切るにはよほどの瞬発力とコース取りの巧さ(器用さ)が必要です。そして、最後の急坂は、スピードだけで押し切ろうとする馬の脚を鈍らせ、スタミナとパワーを奪います。
結果として、パワーとスピード、器用さを兼ね備えた「総合力の高い実力馬」が、その力をそのまま発揮しやすいコースでした。グランアレグリアのような絶対王者が力を出し切り、堅い決着になりやすかったのは、このコース形態が大きな理由です。
京都・芝1600m(外回り)の特徴:「スピードの持続力」が問われる舞台
一方、本来の舞台である京都・芝1600m(外回り)は、全くの別物です。このコースが「大荒れ」を生むメカニズムは、大きく分けて2つあると私は分析しています。
京都外回りが「大荒れ」を生む2つのメカニズム
① 先行馬のオーバーペース(下り坂の罠) 京都コース最大の特徴が、3コーナーから4コーナーにかけての「淀の下り坂」です。高低差4.3mを、勝負所へ向けて一気に駆け下りることになります。
この下り坂は、騎手が抑えようとしても馬に自然と勢いがついてしまうため、息を入れるタイミング(ペースが緩むところ)がありません。先行・好位につけた馬は、自覚がないままオーバーペースに陥りやすいのです。
そして、最後の直線は404mと長く平坦。下り坂でスタミナを消耗してしまった先行馬にとって、この平坦な直線は「ゴールが遠い地獄の直線」と化します。ここで一気に脚が上がってしまい、人気馬であっても馬群に沈んでいく…これが京都マイルでよく見る「人気馬の凡走」パターンです。
② 差し・追込馬の台頭(切れ味の開放) 先行馬が苦しむ一方で、後方で脚を溜めていた差し・追込馬にとっては、このコースは天国です。
先行勢が作る淀みないペースは、前との差が開きすぎない理想的な展開。そして、下り坂で先行勢がバテ始めるのを横目に、自分たちはその勢いを利用して楽にポジションを上げ、最後の直線に向くことができます。
そして勝負の直線は、阪神のような「上り坂」というパワーの関門がありません。あるのは、ただただ長い「平坦な直線」です。ここでは純粋な「トップスピード」と「その持続力(=切れ味)」だけが問われます。スタミナを温存できた差し馬が、バテた先行馬をまとめて交わしていく。
これが、2023年のレース(先行勢が総崩れし、後方待機組が上位独占)で起きたことの正体であり、京都外回りコースが「大荒れ」=「差し・追込天国」になりやすい最大の理由だと、私は考えています。

阪神開催時代のデータは危険
ここまでの話でお分かりかと思いますが、もしあなたがマイルCSの予想をする上で、阪神開催だった2020年や2021年の「堅い」データを重視しているなら、それは非常に危険なアプローチかもしれません。
データには「賞味期限」があります。特に競馬において、開催競馬場やコース形態の変更は、そのレースの前提条件を根本から変えてしまいます。
古い常識の罠(要注意)
古い常識①:「マイルCSは堅い」 → これは阪神内回り開催(2020-21年)時代の、限定的なデータに基づいた幻想です。京都外回りは全く別のレースです。
古い常識②:「10番人気以下は来ない」 → かつてのデータ(2021年まで)では「7番人気以内が鉄則」とされていましたが、2024年に10番人気のエルトンバローズが2着に来たことで、このルールも完全に崩壊しました。
レースの「質」が開催場所によって根本的に変わってしまっています。予想の土台にするデータは、直近の京都開催(2023年、2024年)の結果と、それ以前の京都開催のものを中心に、ゼロから見直す必要があると私は思います。

人気馬が飛ぶレース展開とは
大荒れ、つまり高配当が生まれるには、必ず「1番人気や2番人気といった、多くの人が信頼している馬」が馬券圏外に飛ぶという現象が必要です。
マイルCSで人気馬が飛ぶパターンは、近年のレースから大きく分けて2つあるかなと思います。
ひとつは、2024年のナミュールのように、不慮のアクシデントに見舞われるケースです。レース中に馬体に異常が発生したり、進路が塞がれたりといったパターンで、これは正直、予想段階での回避は非常に困難です。これが起きたら「仕方ない」と割り切るしかないかもしれません。
もうひとつは、2023年のシュネルマイスターやセリフォスのように、展開が全く向かないケースです。こちらが重要です。京都外回りコースは末脚の「切れ味」勝負になりやすいため、先行して粘り込みたいタイプの実力馬(人気馬)が、後方待機勢の強烈な決め手(速い上がり)に屈してしまうパターンです。
その年のメンバー構成を見て、「前に行きたい馬が多いな」「先行タイプに人気馬が集中しているな」と感じたら、それは「先行勢がハイペースで潰し合い、総崩れになる」という展開を疑う絶好のサインかもしれません。そうなると、後方でじっくりと脚を溜めている人気薄の「差し・追込馬」が台頭するチャンスが生まれますね。
マイルチャンピオンシップ大荒れの傾向と穴馬
では、ここからは「大荒れ」をただ傍観するのではなく、積極的に的中させるために、どんな傾向に注目し、どんな馬を「穴馬」としてピックアップすべきか。私なりに「これは使える」と注目しているデータ駆動型のルールを、さらに詳しく整理してみます。

10番人気以下の激走データ
まずは、常識の崩壊を象徴するデータからです。 かつては「7番人気以内」が鉄則で、10番人気以下の激走は統計上「皆無」とされていました。しかし、2022年に8番人気(ダノンザキッド)が2着、そして記憶に新しい2024年には10番人気(エルトンバローズ)が2着に突っ込んできました。
この事実は、「人気がないから」という理由だけで、安易に有力馬(と自分が判断した馬)を消してはいけない、という強烈な教訓を示しています。特に、先述した「展開」がハマりそうな京都開催では、人気薄の馬が突っ込んでくる可能性を常に考慮すべきです。
「10番人気の壁」は崩壊した。これが新しい現実であり、高配当を狙う上でのスタートラインです。

穴馬の絶対条件「前走5着以内」
これが、私がマイルCSの穴馬探しで最も重要視している、最強のデータです。「大荒れ」を狙うというと、多くの人が前走で二桁着順などに惨敗した馬が、G1の舞台で一変して奇跡の巻き返しを見せる…という「一発逆転」のシナリオをイメージするかもしれません。
しかし、マイルCSの「大荒れ」は、その質が全く異なります。このレースで波乱を演出する穴馬は、前走の時点で既に「好走」しているのです。
これは、私が参照している過去の統計データ(2021年までのJRA-VANデータ分析など)でも裏付けられています。「2015年以降近7年の3着以内馬21頭は、すべて前走で5着以内に入っていた」という、驚異的なデータがあります。つまり、前走で6着以下に敗れていた馬は、1頭も馬券に絡んでいなかったのです。
そして、この「鉄の掟」は、開催地が京都に戻り、大荒れとなった近年のレースでも完璧に当てはまっています。
近年の穴馬は全員「前走好走組」
- 2024年 2着 エルトンバローズ(10人気) → 前走:毎日王冠(G2) 3着
- 2022年 1着 セリフォス(6人気) → 前走:富士S(G2) 1着
- 2022年 2着 ダノンザキッド(8人気) → 前走:毎日王冠(G2) 3着
この検証結果が示す事実は、マイルCSの「大荒れ」の核心を突いています。 では、最大の謎はこうです。「なぜ、前走でG2を勝ったり、3着に好走したりしている実力馬たちが、6番人気、8番人気、果ては10番人気という低評価(=穴馬)になっていたのか?」
この「市場のバグ(見落とし)」こそが、高配当の源泉です。それぞれの馬が人気を落とした理由を、私なりに分析してみました。
なぜ彼らは人気がなかったのか?(穴馬の正体)
ケース①:エルトンバローズ(2024年 10人気2着)
- 前走:毎日王冠(G2) 3着(好走)
- 実績:2023年マイルCS(G1) 4着(コース適性◎)
- 人気薄の理由(推測):彼は前年にG1で4着と好走し、前走もG2で3着と崩れていませんでした。にもかかわらず10番人気だったのは、「G1では勝ちきれない中堅馬」というイメージや、他に人気を集める馬(例:ナミュール、ソウルラッシュなど)がいたため、相対的に評価を落とした「市場の見落とし」の典型例だったと言えます。
ケース②:ダノンザキッド(2022年 8人気2着)
- 前走:毎日王冠(G2) 3着(好走)
- 実績:2歳G1(ホープフルS)勝ち馬
- 人気薄の理由(推測):最大の理由は「早熟馬」というレッテルです。2歳時にG1を勝った後、クラシックで大敗(皐月賞15着)。それ以降、G1の舞台では結果が出ていなかったため、「古馬混合のマイルG1ではもう通用しない」と多くのファンが判断していました。前走G2で3着と復調気配を見せていたにも関わらず、過去の「負けイメージ」が勝ってしまったパターンです。
ケース③:セリフォス(2022年 6人気1着)
- 前走:富士S(G2) 1着(好走)
- 実績:2歳G1(朝日杯FS)2着
- 人気薄の理由(推測):「3歳馬」であったことが大きいです。この年のマイルCSには、ソダシ(2人気)やシュネルマイスター(1人気)といった、マイルG1で圧倒的な実績を持つ古馬のトップスターが揃っていました。「G2を勝ったとはいえ、強力な古馬の壁は越えられないだろう」という判断が、6番人気という評価に繋がりました。
このように、マイルCSで穴をあける馬とは、「前走でG2などでしっかり好走(5着以内)していたにも関わらず、G1実績不足、過去の敗戦イメージ、世代間の比較など、何らかの理由で不当に人気を落としていた実力馬」なのです。
穴馬探しの鉄則
馬券戦略としては、まず「前走6着以下の馬は原則として消去」するという“引き算”から入るのが賢明です。そして、残った「前走5着以内」の馬たちの中から、「なぜか人気がない馬」を見つけ出し、その理由(上記のケースのような)を分析することが、高配当的中の最短ルートになると私は考えています。

狙うべきリピーターの好走傾向
もうひとつ、見逃せないのが「リピーター」の存在です。「前走5着以内」が”現在の調子”を見るルールだとすれば、こちらは“コース適性”という不変の才能を見抜くためのルールです。これは非常に強力な傾向だと私は考えています。
マイルCSは、一度好走した馬が翌年以降も好走しやすい「リピーターレース」の傾向が非常に強いです。ある分析データによれば、「前年のマイルCSで4着以内」だった馬は、翌年も【2-6-1-14】で複勝率が約40%(39.1%)近くもあるそうです。一般的なレースの複勝率(全出走馬の平均は約13%)と比較して、これがどれほど驚異的な数値かお分かりいただけるかと思います。
この「リピーター傾向」は、近年の大荒れ馬券にも直結しています。
近年の「リピーター」激走・好走実績
- 2024年 2着 エルトンバローズ(10人気) → 2023年(前年) 4着(勝ち馬ナミュールから0.2秒差)
- 2022年 2着 ダノンザキッド(8人気) → 2021年(前年) 3着
- 2024年 1着 ソウルラッシュ(4人気) → 2023年(前年) 2着
- 2023年 2着 ソウルラッシュ(3人気) → 2022年(前年) 4着
まさに、2024年に10番人気で激走したエルトンバローズが、このルールの「穴馬」としての典型例です。彼は2023年のマイルCSで、勝ち馬ナミュールからわずか0.2秒差の「4着」に好走していました。
また、ソウルラッシュのように人気サイドの馬も、2022年4着 → 2023年2着 → 2024年1着と、3年連続で馬券に絡む「スーパーリピーター」となっています。これは、このレースが「まぐれ」では好走できない、特殊な適性を問われることの何よりの証拠です。
なぜリピーターが激走するのか?
なぜここまでリピーターが強いのか。それは、前のセクションで詳しく解説した「京都・芝1600m(外回り)の特殊性」に尽きます。
- 3コーナーから4コーナーへの「淀の下り坂」でオーバーペースにならずに脚を溜める技術。
- 約404mと長い平坦な直線で、トップスピードを最後まで持続させる「切れ味」。
この2つを両立させるのは、他の競馬場(例:東京の瞬発力勝負、阪神のパワー勝負)とは全く異なる、非常に特殊な能力が求められます。一度このコースで勝ち負けを演じた馬(と騎手)は、「このコースで勝つための走り方(スパートのタイミング)」を熟知しているのです。
だからこそ、他の競馬場やG2で凡走して人気を落としていても、この「得意舞台」に戻ってきた途端、水を得た魚のように激走するパターンが生まれます。
馬券戦略のミソ:「4着以内」という基準
私が「3着以内」ではなく「4着以内」というデータに注目しているのには理由があります。2024年のエルトンバローズがまさにそうであったように、「3着馬とタイム差なしの4着」だった馬は、能力的には3着馬と全く差がありません。
しかし、一般のファンは「3着以内(馬券内)」と「4着以下(馬券外)」では、心理的な印象が大きく異なります。「4着」というだけで、「惜しかったけど馬券にはならなかった馬」として翌年の人気が落ちやすい。ここに「実力」と「人気」の歪み(=オッズの妙味)が生まれます。
今年の予想では、まず馬柱(出馬表)で昨年のマイルCSで「4着以内」だった馬を全てチェックしてください。そして、その馬がもし直近のレースで負けて人気を落としているようなら、それは「調子落ち」ではなく「得意舞台への準備」と捉え、穴馬として積極的に狙うべきだと私は考えています。

前走1800m組の穴馬は惜敗馬
前走のステップレースとして注目されるのが、毎日王冠(G2・1800m)や天皇賞・秋(G1・2000m)など、マイルより少し長い距離を使われてきた馬たちです。ただ、この「前走1800m組」には非常に面白いデータ傾向があります。
前走1800m戦の成績比較(過去データ例)
- 前走1800m戦で「勝利」した馬:【0-1-0-7】(複勝率12.5%)
- 前走1800m戦で「2~5着」だった馬:【2-1-3-8】(複勝率42.9%)
※あくまで過去の統計データの一例です。
これは興味深いですよね。1800mで勝ち切ってしまう馬よりも、「2~5着」に惜敗した馬の方が、マイルCS本番での成績が圧倒的に良いんです。
考えられる理由としては、1800mを勝ち切る馬は、マイルのスピード勝負への適性よりも、中距離のスタミナ適性が高い可能性があります。逆に、1800mで惜敗した馬は、「距離が1ハロン(200m)長かったが、スピードは見せた」馬であり、マイルへの「距離短縮」が完璧にプラスに働く可能性を秘めているからかもしれません。
前走1800m組を見る時は、勝った馬に飛びつくのではなく、「惜しくも負けた馬」にこそ穴馬としての妙味がある、と覚えておくといいかもです。2024年のエルトンバローズ(前走1800mで3着)、2022年のダノンザキッド(前走1800mで3着)も、この条件に合致しますね。

4歳馬優位と3歳馬の妙味
最後に、年齢別データも軽く見ておきましょう。これは昔からの傾向ですが、今も有効です。
昔からマイルCSは「4歳馬」が圧倒的に強いレースとして知られています。充実期を迎え、古馬としての経験と若さを両立している世代で、連対率・複勝率ともに他世代を圧倒している傾向があります。
この傾向は現在も有効で、2023年の勝ち馬ナミュールも、2024年に10番人気で穴をあけたエルトンバローズも、どちらも4歳馬でした。予想の軸馬に迷ったら、まずは実績のある4歳馬から入る、というのは基本戦略としてアリですね。
一方で「3歳馬」も軽視はできません。2022年にはセリフォス(6番人気)が勝利していますし、2018年のステルヴィオも3歳馬での勝利でした。3歳馬は、古馬との力関係がまだ未知数なため、実力があるのに過小評価されて「伏兵」扱いになることがよくあります。狙ってみると面白いかもしれません。
逆に、7歳以上のベテラン馬は、過去10年(2021年時点)のデータで【0.0.0.17】など、かなり厳しいデータが出ているので、ここは思い切って消去対象としてもいいかなと私は思います。

マイルチャンピオンシップ大荒れ予想の結論
さて、ここまで長々と「マイルチャンピオンシップ 大荒れ」の理由と、穴馬を見つけるための傾向を分析してきました。
結論として、2025年以降のマイルCS(京都開催)で「大荒れ」を積極的に狙い撃つために、私が使う「穴馬特定チェックリスト」を、最後にまとめておきます。
【Kの穴馬チェックリスト】
- 【最重要】前走「5着以内」の馬か? (→これが絶対条件。前走6着以下の馬は原則として消去)
- 「4歳馬」か? (→該当すれば信頼度を大幅に引き上げる。次点で「3歳馬」も注意)
- 「前年(2024年)のマイルCSで4着以内」の馬か? (→最強のリピーター条件。人気薄なら最優先でマーク)
- 「前走1800m戦で2~5着」の馬か? (→距離短縮がプラスに働く「惜敗馬」に注目)
- 京都外回りでキレる末脚(速い上がり)を持っているか? (→先行総崩れの展開になった場合、台頭するのはこのタイプ)
これらの条件を複数満たしているにも関わらず、「なぜか人気がない馬」(例えば6番人気~10番人気あたり)。それこそが、2025年の「大荒れ」を演出し、私たちに高配当をもたらしてくれる、統計的に裏付けられた「狙うべき穴馬」だと私は考えています。
阪神開催時代の「堅い」という古い常識を捨て、京都外回りコースの特性を前提とした「新しい現実」のデータに基づいて予想を組み立てることが、今のマイルチャンピオンシップ攻略の最大の鍵になりそうですね。
【免責事項】 この記事で紹介したデータや傾向は、あくまで過去のレース結果に基づく一般的な分析の一例であり、私個人の見解を含むものです。未来のレース結果を保証するものではありません。
馬券の購入は、ご自身の判断と責任において、無理のない範囲でお楽しみください。最終的な判断は、JRA(日本中央競馬会)などが提供する公式情報をご確認の上、ご自身で行っていただきますようお願いいたします。
