こんにちは。Asymmetric Edge、運営者の「K」です。
冬の訪れとともに中京競馬場で開催される名物ハンデ重賞、中日新聞杯の季節がやってきましたね。過去10年の配当や傾向を見ると、とにかく一筋縄ではいかないレースだということがわかります。予想をする上で、コース適性や血統背景など、このレース特有のデータ分析は欠かせません。私自身、毎年このレースには頭を悩ませていますが、難解だからこそ的中したときの喜びも大きいものです。今回は、2024年の結果なども踏まえつつ、中京芝2000mというタフな舞台で行われる中日新聞杯について、私が気になっているポイントを共有していきたいと思います。
- 冬の中京開催における特有の馬場状態と波乱のメカニズム
- 過去のデータから導き出される有利な脚質と不利な枠順
- タフな舞台で激走する欧州型血統やリピーターの重要性
- 馬券の組み立てに役立つ年齢別の消しデータと穴馬の条件
中日新聞杯のデータ分析で荒れる理由を解明
まずは、なぜ中日新聞杯というレースがここまで「荒れる」と言われ、実際に多くの競馬ファンの頭を悩ませ続けているのか、その根本的な原因を深掘りしていきましょう。単なる「運」や「偶然」ではなく、コースの物理的な形状、開催時期特有の環境変化、そしてハンデ戦というルールが複雑に絡み合った結果として、波乱が起きるべくして起きていることが見えてきます。

中京2000mの傾向とタフなコース形態
データ分析を進める上で、すべての基礎となるのが舞台となる中京芝2000mというコースの特殊性に対する深い理解です。このコースは、JRAの全10場の中でも屈指のタフさを誇り、ごまかしの効かない実力検定の場として機能しています。東京競馬場のような広々としたコースとも、中山競馬場のようなトリッキーな小回りとも異なる、非常に独特なベクトルを持ったコースなのです。
まず、コースレイアウトを詳細に見ていきましょう。スタート地点はスタンド前直線の左側にあるポケット地点です。ゲートが開いてすぐに緩やかな上り坂を迎えるため、基本的には前半のペースが落ち着きやすい傾向にあります。しかし、ここでのポジション争いが非常にシビアで、外枠の馬は内に潜り込むために余分な脚を使わされるリスクが付きまといます。
第1コーナーから第2コーナーを回り、向こう正面に入ると、今度は緩やかな下り坂が続きます。ここで騎手が息を入れようとしても、馬が下り坂の勢いで掛かってしまうことが多く、見た目以上にスタミナを消耗するポイントとなります。そして3コーナーから4コーナーにかけては「スパイラルカーブ」が採用されています。これは出口にかけて傾斜(カント)がきつくなる構造で、スピードを落とさずに直線へ向かうことができる反面、遠心力で外に振られやすく、距離ロスが大きくなる危険性を孕んでいます。
そして、このコース最大の難所が、最後の直線に待ち構える急坂です。直線距離は412.5mと十分に長く、その途中で高低差2.0mの急勾配を一気に駆け上がらなければなりません。この坂の勾配は中山競馬場に次ぐキツさと言われており、多くの馬がここで脚色が鈍り、失速していきます。さらに厄介なのが、坂を登り切った後もゴールまで平坦部分が残されている点です。坂で力を使い果たしてしまうと、最後の平坦部分で後ろから来た馬に強襲されることになります。
加えて、決定的な要素となるのが「開催時期」です。現在の中日新聞杯は12月に行われますが、この時期の中京は野芝の上に洋芝をオーバーシードした状態で開催されます。開催が進むにつれて芝が痛み、路盤が荒れてくるため、時計のかかるタフな馬場コンディションになりがちです。高速決着に対応できる瞬発力(キレ)よりも、泥臭いパワーと尽きないスタミナが要求されるのが、冬の中京2000mの正体であり、これが人気馬の凡走と穴馬の激走を招く最大の要因となっているのです。
参考情報:コースデータの詳細
中京競馬場のコース高低差や詳細なレイアウト図については、正確な一次情報を確認することで、よりイメージが湧きやすくなります。JRAの公式サイトでは、これらのデータがグラフィカルに公開されています。
(出典:JRA公式サイト『中京競馬場 コース紹介』https://www.jra.go.jp/facilities/race/chukyo/course/index.html)

脚質傾向から見る差しと追込の明暗
次に、レース展開を左右する「脚質」ごとの成績について、より詳細なデータ分析を行っていきます。一般的に、直線の長い中京コースは「差し・追込」が決まりやすいというイメージを持たれがちですが、中日新聞杯においてその常識をそのまま当てはめるのは危険です。データは、非常にシビアな現実を突きつけています。
特に警鐘を鳴らしたいのが、「極端な追込馬」に対する評価です。過去の膨大なデータを分析しても、4コーナーを10番手以下、あるいは13番手以下といった後方集団で通過した馬が、直線だけで全馬をゴボウ抜きにして勝利したケースは極めて稀です。勝率にして2%台、連対率でも3%台という数字は、統計的に見ても「狙う価値が低い」ことを示唆しています。
| 脚質分類 | 傾向と詳細分析 |
|---|---|
| 逃げ (4角1番手) | 【要警戒】勝率・連対率こそ高くはありませんが、ハマった時の回収率が異常に高いのが特徴です。 2021年のショウナンバルディのように、他馬が牽制し合ってスローペースになった場合、タフな馬場を味方につけてそのまま押し切る「行った行った」の展開が発生します。人気薄の逃げ馬は、マークが甘くなる分だけ不気味な存在となります。 |
| 先行 (4角2〜5番手) | 【安定軸】最もリスクが少なく、安定して馬券に絡むのがこのポジションです。 ある程度の位置を取りつつ、直線の坂に向けて脚を溜めることができる馬が理想的です。特に冬場のタフな馬場では、後ろから差そうとする馬が坂で失速するケースが多く、結果的に前々で粘っていた馬が残るパターンが頻発します。複勝回収率の高さも魅力です。 |
| 差し (4角中団) | 【本命候補】勝ち馬の絶対数が最も多いのがこの「中団差し」です。 ただし、ここで言う「差し」とは、ある程度の好位(6番手〜9番手付近)をキープできる馬を指します。完全に置かれることなく、直線の入り口で射程圏内に入っていられるかどうかが鍵です。長く良い脚を使えるタイプがここで輝きます。 |
| 追込 (4角後方) | 【危険信号】数字が示す通り、最も信頼度が低い脚質です。 直線の急坂でスタミナを削がれるため、最後方から上がり最速の脚を使っても、前との差が詰まりきらない「届かずの競馬」になることが大半です。ディープインパクト級の絶対能力がない限り、ここから勝ち切るのは物理的に困難と言わざるを得ません。 |
これらの傾向から導き出される戦略は明確です。基本は「中団から長く脚を使える差し馬」を軸に据えつつ、穴馬として「前残りの逃げ・先行馬」を拾うこと。そして、人気であっても「後方一気の追い込み馬」は、馬群に沈むリスクを考慮して評価を下げる勇気を持つことが、的中への近道となるでしょう。

枠順別成績に見る内枠有利の真実
競馬予想において「枠順」は常に重要なファクターですが、中日新聞杯においてはこの枠順がレース結果に与える影響に、極めて明確かつユニークなバイアス(偏り)が存在します。一般的に「中京は内枠有利」と一括りにされがちですが、このレースに関しては、もう少し解像度を上げて「勝つための枠」と「穴をあけるための枠」を使い分ける必要があります。
1. 物理的構造が生む「内枠の絶対的優位性」
まず、勝ち馬(1着馬)の傾向を見ると、圧倒的に「1枠〜4枠」の内枠勢が支配的です。これには中京芝2000m特有のスタート地点の物理的構造が大きく関係しています。
スタートはスタンド前直線の左奥にあるポケット地点。そこから第1コーナーまでの距離は十分に長いとは言えず、かつ緩やかな上り坂です。ここで外枠(特に8枠)に入った馬は、以下の「二重苦」を強いられます。
- ポジションを取るための消耗: 内の馬を見ながらポジションを取りに行くために、スタート直後の上り坂で余計に脚を使わされる。
- 距離ロスの受け入れ: 無理に内へ潜り込めなければ、終始コースの外々を回らされる「距離ロス」が発生する。
対照的に、1枠をはじめとする内枠の馬は、スタートを決めてしまえば、最短距離の「経済コース」を通りながら、馬なりで好位を確保できます。この序盤のわずかなスタミナ温存の差が、最後の急坂での「あとひと踏ん張り」に直結し、勝敗を分けるのです。事実、過去のデータを紐解いても、大外8枠の勝率は極端に低く、軸にするにはリスクが高すぎると言わざるを得ません。
2. 12月のトラックバイアス:「内→外」の法則
しかし、ここでデータ分析の面白さでもあり、このレース最大の攻略ポイントとなる現象について触れなければなりません。それは、「勝つのは内枠だが、2着・3着には外枠が突っ込んでくる」という傾向です。
中日新聞杯が開催される12月中旬は、秋から続く開催のダメージが蓄積し、コース内側の芝がボコボコに荒れ始めています。これを専門用語で「トラックバイアス」の変化と呼びます。
- 内枠の馬(先行勢): 荒れたインコースを走らされるデメリットはあるが、距離ロスがないため、スタミナのある馬なら押し切って1着になる。
- 外枠の馬(差し勢): 道中は距離ロスがあるが、勝負所の直線で馬場の綺麗な「外目」を選んで伸びてこれるため、勢いが削がれずに2着・3着に届く。
つまり、馬場が荒れてくることによって、内枠の先行馬が勝ち切る一方で、ヒモ荒れとして外からの差し馬が台頭するという、非常に立体的な構造になっているのです。「内枠有利だから全頭内枠を買う」という単純な思考では、この高配当の正体を見抜くことはできません。
【Kの推奨】枠順から導く黄金フォーメーション
この「内→外」のバイアスを馬券戦略に落とし込むなら、以下のようなフォーメーションが最も期待値が高いと考えられます。
- 1列目(1着固定): 1枠〜4枠に入った、ある程度ポジションが取れる馬。
- 2列目・3列目(相手): 枠順不問で手広く流すが、特に6枠・7枠・8枠の人気薄を積極的に拾う。
「内枠の実力馬が勝って、外枠の穴馬が2着に飛び込んでくる」。これが、中日新聞杯で万馬券を的中させるための典型的な勝ちパターンです。

過去10年の配当と波乱の歴史
中日新聞杯を語る上で絶対に避けて通れないのが、その凄まじいまでの「荒れっぷり」です。このレースは、堅い決着を望む本命党にとっては悪夢のような、一発逆転を狙う穴党にとってはまさに宝の山のようなレースです。
単なる印象論ではありません。過去10年間の配当データを分析すると、3連単の配当が10万円を超えた回数は実に半数以上。つまり、「2回に1回は10万馬券以上の高配当が出ている」という計算になります。なぜこれほどまでに荒れるのか、そのメカニズムを過去の事例から紐解いてみましょう。
伝説の2021年:236万馬券を生んだ「魔の展開」
その象徴とも言えるのが、多くの競馬ファンの記憶に刻まれた2021年の大波乱劇です。結果をただ振り返るだけでなく、「なぜそうなったのか」というプロセスにこそ、攻略のヒントが隠されています。
| 着順 | 馬名(人気) | 勝因・敗因の分析 |
|---|---|---|
| 1着 | ショウナンバルディ (8番人気) | 他馬が牽制し合い、極端なスローペースの逃げに持ち込む。誰も捕まえに行かず、まんまと逃げ切り。 |
| 2着 | アフリカンゴールド (17番人気) | 番手追走から粘り込み。ブービー人気ながら、展開利とステイゴールド系のスタミナを活かす。 |
| 3着 | シゲルピンクダイヤ (10番人気) | 内枠から好位を追走。距離不安説があったが、スロー展開に助けられ馬券圏内に。 |
上位人気に支持された馬たちがこぞって後方待機策をとった結果、前に行った人気薄の馬たちがそのままゴール板を駆け抜ける「行った行った」の展開となりました。3連単の配当は236万8380円。地方都市なら中古マンションの手付金になりそうな金額です。
このレースが教えてくれた教訓は、中京2000mというタフな舞台であっても、「展開(ペースと位置取り)」が能力差を容易に覆すという現実です。特に冬場の荒れた馬場では、後ろから差すには相当なエネルギーが必要となるため、人気馬が不発に終わるリスクが常に付きまといます。
近年のトレンド:勝ち馬は堅くても「ヒモ」が荒れる
2021年のような全頭人気薄というケースは極端ですが、直近の2022年〜2024年の傾向も非常に示唆に富んでいます。
- 2022年:G1馬キラーアビリティ(5番人気)が復活勝利するも、2着にマテンロウレオ、3着にアイコンテーラーが入り、3連単は15万馬券。
- 2023年:中京巧者ヤマニンサルバム(2番人気)が勝利したが、2着に13番人気のハヤヤッコが突っ込み、やはり10万馬券超え。
ここから読み取れるのは、「軸馬選びは正解していても、相手選びで人気サイドを買っていると外れる」という法則です。勝ち馬はある程度実績のある馬(G1級やコース巧者)であっても、2着・3着には「近走不振の実績馬」や「展開に恵まれた無欲の先行馬」が紛れ込んできます。
なぜ市場(オッズ)は歪むのか?
そもそも、なぜこれほどまでにオッズと結果が乖離するのでしょうか。それは、多くの競馬ファンが「東京や京都での実績(上がり3ハロンの速さ)」を過大評価しすぎている点にあります。
ファンの心理として、直線の長いコース=瞬発力勝負、と考えがちです。しかし、前述の通り冬の中京で求められるのは「泥臭いパワー」と「バテないスタミナ」です。切れ味自慢の人気馬が、急坂とタフな馬場に脚を取られて苦戦する横を、ジリジリとしか伸びないがバテもしない穴馬が追い抜いていく。この「適性のギャップ」が存在し続ける限り、中日新聞杯の高配当傾向は今後も続くと予想されます。
配当から考える馬券戦略
このレースで「3連複10点」「3連単20点」といった絞った買い方はリスクが高いと言えます。ヒモ荒れを前提として、あえて点数を広げてフォーメーションを組み、人気薄を網羅する戦略の方が、トータルでの回収率は高くなる傾向にあります。

ハンデ戦特有の斤量と実績の関係
ハンデ戦である中日新聞杯において、「斤量(負担重量)」は予想の重要なファクターですが、その解釈には注意が必要です。かつて競馬界には「ハンデ戦は軽ハンデ馬を狙え」という格言がありました。実績馬が重い斤量を背負わされて苦しむ間に、斤量の軽い格下馬が激走するというセオリーです。
しかし、近年のデータを見ると、その傾向には明らかな変化が生じています。「重い斤量を背負った実績馬でも、あっさりと勝ち切る」ケースが増えているのです。2024年のデシエルト(58kg)の勝利や、2023年のハヤヤッコ(58.5kg)の2着好走は、その典型例と言えるでしょう。
この背景には、いくつかの要因が考えられます。一つは「馬場造園技術の進化」です。昔に比べて馬場の水はけや管理技術が向上し、極端な不良馬場になりにくくなったことで、能力のある馬が斤量を苦にせず実力を発揮しやすくなっています。もう一つは「馬の大型化とトレーニング技術の向上」です。馬体重が500kgを超えるような大型馬にとって、1kgや2kgの斤量差は、400kg台の小型馬に比べて相対的な負担が小さいと考えられます。
斤量判断の新しい基準
単純に「57.5kg以上だから消し」「53kgだから買い」と判断するのは危険です。以下の視点を組み合わせて判断することをお勧めします。
- 馬格の有無: 500kg以上の大型馬なら、重ハンデでも割引く必要は薄い。逆に420kg〜440kg台の馬が重い斤量を背負う場合は警戒が必要。
- 実績の質: G1やG2で勝ち負けしてきた実績馬の58kgは「実力の証明」であり、G3常連馬の57kgとは意味合いが異なる。
つまり、現代の中日新聞杯においては、斤量そのものよりも「その斤量をこなせるだけのフィジカルとポテンシャルがあるか」を見極めることの方が重要です。実績馬が不当に人気を落としている場合、それは絶好の狙い目になるかもしれません。
中日新聞杯のデータ分析に基づく攻略法
レースが荒れるメカニズムを理解したところで、ここからは具体的な攻略アクションプランに入っていきます。「どの馬を買えばいいのか?」という問いに対し、血統、年齢、そしてリピーターという3つの視点から、的中率を極限まで高めるためのフィルターを提供します。

血統適性は欧州型パワーとスタミナ
私が中日新聞杯の予想において、最も信頼し、かつ毎年のように配当妙味を感じているファクター、それが「血統」です。通常、日本の芝レースといえばディープインパクト系を中心とした「主流サンデーサイレンス系」の独壇場ですが、冬のタフな中京2000mにおいて、その勢力図は明確に歪みます。
このレースで狙うべきは、ずばり「欧州型の重厚なパワー血統」です。日本の高速馬場で求められる「軽さ・瞬発力」ではなく、ヨーロッパの深く重い芝をこなすような「重さ・底力・馬力」を持つ血統が、ここでは黄金の輝きを放つのです。特に、現代の種牡馬事情に合わせて、具体的に注目すべき系統と種牡馬を深掘りしていきましょう。
1. 現代の「冬の中京」マイスター:ハービンジャーとキズナ
まず、現役の種牡馬の中で特筆すべき相性を誇るのが、欧州(ダンジグ系)の血を引くハービンジャーです。冬場の中山や中京といった「時計のかかる馬場」で無類の強さを発揮するこの種牡馬は、中京2000mにおいて勝率・連対率ともに高いアベレージを残しています。瞬発力勝負では分が悪くても、持久力勝負になればハービンジャー産駒の独壇場です。
また、サンデー系の中でもキズナには要注目です。ディープインパクト産駒でありながら、現役時代の自身と同様に、産駒はパワーとスタミナに寄ったタイプが多く出ています。道悪や荒れた馬場を苦にしない「パワー型サンデー」として、冬の中京では信頼度が跳ね上がります。
2. 穴馬の共通項:ノーザンテーストとRoberto(ロベルト)
配当を跳ね上げる穴馬を見つけるために、私が血統表の隅々まで探すのが「古き良きパワーの血」です。
- ノーザンテーストの血: かつての社台グループの基礎を築いた名種牡馬。この血は、枯れた冬芝を掴む頑健な筋肉と、最後までへこたれない成長力を伝えます。2021年に大穴をあけたアフリカンゴールドやシゲルピンクダイヤ、過去に何度も激走したショウナンバッハなど、人気薄で激走した馬の多くが、血統表の3代前・4代前にこの血を隠し持っていました。
- Roberto(ロベルト)系: パワーとスタミナの代名詞。具体的にはエピファネイアやモーリスの産駒が該当します。特にエピファネイア産駒は、父シンボリクリスエス譲りの雄大な馬格とスタミナで、中京2000mの急坂を力強く駆け上がります。
3. 非主流サンデー系の逆襲:ステイゴールドとブラックタイド
王道から少しズレた「非主流サンデー系」も、このレースのトレンドです。
ステイゴールド系(オルフェーヴル、ゴールドシップなど)は、激しい気性と無尽蔵のスタミナが武器。消耗戦や混戦になればなるほど強さを発揮し、「他馬が止まってからが勝負」という泥臭い競馬で浮上します。
また、ディープインパクトの全兄であるブラックタイドの血も侮れません。代表産駒のキタサンブラックは、ディープインパクト系のようなキレ味鋭い瞬発力というよりは、先行して押し切る心肺機能の高さとパワーを伝えます。サンプル数はまだ少ないものの、複勝率約40%という驚異的な数字(過去データ参照)を残しており、見つけたら即買いのレベルです。
ディープインパクト系を買う時の注意点
もちろん、絶対王者ディープインパクト系を完全に無視することはできません。ただし、買うなら条件がつきます。
それは、「母系に欧州の重厚な血が入っていること」です。母父がサドラーズウェルズ系やフレンチデピュティ系など、パワーを補完する血統であれば、ディープ特有のキレが鈍ることなく、タフな馬場にも対応可能になります。逆に、母系も米国型のスピード血統だと、冬の中京ではパワー負けするリスクが高まるので注意が必要です。

年齢別成績で判明する消しデータ
予想を効率化するためには、「買うべき馬」を見つけるだけでなく、「買ってはいけない馬」をバッサリと切り捨てる勇気も必要です。中日新聞杯において、私が心の鬼にして適用している「消し」のルールがあります。
それは、「8歳以上の高齢馬は無条件で消し」という鉄の掟です。
過去10年以上のデータを詳細に分析しても、8歳以上の馬がこのレースで3着以内に入った例は皆無に等しい状況です([0-0-0-7]など)。もちろん、過去にG1を勝ったような実績馬が8歳で出走してくることもありますが、データは残酷な現実を示しています。
なぜ高齢馬は走らないのか。それは「回復力」と「瞬発力の衰え」が、急坂のあるタフなコースで致命傷になるからだと推測されます。若い3歳馬や4歳馬が、勢いと成長力で坂を駆け上がっていくのに対し、高齢馬はどうしても坂の途中で苦しくなり、踏ん張りが効かなくなります。人間で言えば、ベテランのアスリートが過酷なクロスカントリーコースで若手と競うようなものでしょう。
感情を排してデータを信じる
「昔お世話になった馬だから応援馬券を…」という気持ちは痛いほど分かりますが、勝ちに徹するなら、8歳以上の馬は馬券の対象から外すことを強く推奨します。その分の資金を、3歳馬や4歳馬、あるいはリピーターの穴馬に回す方が、長期的な回収率は間違いなく向上します。

穴馬の条件とリピーターの重要性
「人気はないが、激走する可能性が高い馬」。そんなお宝馬を見つけるための最強のキーワードが「リピーター」です。中日新聞杯は、JRAの重賞の中でも屈指の「リピーターレース」として知られています。
リピーターとは、「過去に同レース(または同コース)で好走した実績がある馬」のことです。中京2000mという特殊な条件は、馬によって「得意・不得意」がはっきりと分かれます。「右回りはダメだけど左回りは走る」「東京の長い直線はキレ負けするけど、中京のタフな直線なら粘れる」といった、その馬だけのストライクゾーンが存在するのです。
例えば、ショウナンバッハという馬は、毎年のように中日新聞杯に出走し、人気薄ながら何度も掲示板に載ったり馬券に絡んだりしました。また、2024年に14番人気で3着に激走したマテンロウレオも、実は2022年の中日新聞杯で2着に入っていた実績馬でした。
ここで重要なのは、「近走の成績に惑わされないこと」です。直近のレースで二桁着順が続いていたとしても、それが東京や京都、あるいは右回りのコースであったなら、度外視して構いません。「中京2000mに戻ってきた」という一点だけで、その馬は本来の力を取り戻す可能性があるのです。競馬新聞の柱に「中日新聞杯 2着」や「金鯱賞 3着」といった履歴を見つけたら、どんなに人気がなくてもヒモには加えておくことを強くお勧めします。

2024年結果から学ぶ次走へのヒント
直近に行われた2024年(第60回)の結果は、これからの予想精度の向上に役立つ多くのヒントを含んでいます。この年の勝ち馬デシエルト、2着ロードデルレイ、3着マテンロウレオの顔ぶれから見えてくる事実を整理しましょう。
優勝したデシエルトは、もともとダート競走でも実績のある馬でした。父ドレフォンはダート色の強い種牡馬であり、母系にもパワーの血が入っています。この勝利は、「冬の中京芝においては、ダート的なパワーが極めて有効である」という仮説を、決定的な事実として証明しました。芝のレースだからといって、芝専用の血統にこだわる必要はありません。「ダートも走れそうな馬」「実際にダートで勝っている馬」が、芝のレースで穴をあける。このパターンは今後も再現される可能性が高いでしょう。
また、3着のマテンロウレオの激走は、前述した「リピーターの法則」の正しさを裏付けました。近走の不振で14番人気まで評価を落としていましたが、得意舞台で見事に復活。やはり、このコースを知り尽くしている馬の強さは別格です。
この結果を踏まえると、来年以降の中日新聞杯、あるいは冬の中京開催においては、「ダート血統・実績馬」と「過去のコース好走馬」を最優先でチェックするリストを作成することが、的中に向けた最短ルートになると確信しています。

中日新聞杯のデータ分析総括と予想
長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございます。最後に、中日新聞杯(GIII)を攻略するための方程式をまとめます。
【Kの結論】中日新聞杯 勝利への5箇条
- 適性重視: スピード指数よりも「タフ馬場適性」を最優先。消耗戦に強い馬を探せ。
- 血統の鍵: ノーザンテースト、Roberto、ステイゴールド。この3大パワー血統を持つ馬を狙い撃つ。
- 脚質戦略: 「中団差し」が王道。「逃げ・先行」は穴。「追込」は危険。ポジションを取れる馬を中心に。
- 消去法: 8歳以上の高齢馬は情を捨てて消す。逆に3歳・4歳の勢いのある馬を重視。
- 魔法の言葉: 「リピーター」。近走大敗していても、このコースで実績があれば無条件で買い目に入れる。
中日新聞杯は、データを知っている者とそうでない者の間に明確な有利不利が生まれるレースです。一見すると難解なハンデ戦ですが、分解してみれば「買える馬」と「買えない馬」の境界線は意外とはっきりしています。
今回ご紹介したデータを武器に、ぜひ皆さんも高配当を狙ってみてください。私もこの分析を信じて、週末は渾身の予想を組み立てたいと思います。競馬に絶対はありませんが、データは嘘をつきません。素晴らしい的中が皆さんに訪れることを願っています!
