クラシック三冠の最終戦、菊花賞の予想を組み立てる上で、多くの競馬ファンが頭を悩ませるのが「菊花賞の馬場状態」ではないでしょうか。日本ダービーの馬場状態やオークスの馬場状態とはまた一味違う、長距離ならではの適性が問われるこのレースでは、馬場読みが的中への鍵を握ります。しかし、今日の馬場傾向を把握するだけでは十分ではありません。例えば、札幌競馬場の馬場傾向や、時には小倉競馬場で見られる雪の影響、さらには中京bコースのようなコース替わりまで、その要因は多岐にわたります。新潟競馬場の馬場と天気の関係性や、冬季競馬で耳にする凍結防止剤が競馬に与える影響など、知っておくべき知識は膨大です。この記事では、東京競馬場の馬場状態をツイッターやリアルタイムで追いかける方法、阪神競馬場や京都競馬場、中京競馬場の馬場状態速報の活用法から、東京競馬場の馬場傾向といった基礎知識、そして最終的な京都競馬場の馬場状態の予想に至るまで、あなたの馬券戦略を飛躍させるための情報を網羅的に解説します。
- 菊花賞における馬場状態の重要性
- 各競馬場の馬場傾向と特殊な条件
- リアルタイムで馬場情報を収集する方法
- 集めた情報を予想に活かす具体的な手順
菊花賞の馬場状態を過去データから分析
- 日本ダービーとオークスの馬場状態
- 東京競馬場の馬場傾向とリアルタイム情報
- 京都と阪神競馬場の馬場状態速報
- 中京競馬場のリアルタイム馬場状態速報
- 特殊な中京bコースの傾向と対策
- 札幌競馬場の馬場傾向を把握する

日本ダービーとオークスの馬場状態
春のクラシック、特に日本ダービーやオークスで素晴らしい走りを見せた馬が、秋の菊花賞でも同じように強いはず。多くの競馬ファンがそう考えるのは自然なことですが、実はそこに大きな落とし穴が潜んでいます。
もちろん、どちらのレースも馬場状態が結果を左右する点は共通しています。しかし、その求められる「質」が全く異なるのです。春の実績を鵜呑みにしてしまうと、秋の淀の舞台で思わぬ失敗を招きかねません。
「キレ味」の春、「スタミナ」の秋:違いを生む3つの要因
なぜダービー・オークスと菊花賞では、求められる馬場適性がこれほどまでに違うのでしょうか。その理由は、主に以下の3つの要因に集約されます。
- 馬場コンディション(開催時期)
ダービーやオークスが行われる5月の東京競馬場は、一年で最も芝の状態が良い時期です。JRAも最高の舞台を用意するため、徹底した管理を行い、まるでビロードの絨毯のような「高速グリーンベルト」が出現しやすくなります。一方、菊花賞が行われる10月の京都・阪神競馬場は、夏の酷暑を乗り越え、長期間の開催で使い込まれた後のタフな馬場になりやすいのが特徴です。 - 距離の壁
2400mと3000m。このわずか600mの差が、競走馬のスタミナに決定的な違いをもたらします。2400mまでは類まれなスピードと瞬発力でこなせても、3000mという未知の距離は、純粋な長距離適性、つまりステイヤーとしての資質がなければ決して乗り越えられません。 - コース形態
東京の2400mは、長く緩やかなカーブと、約525mの長い直線が特徴です。そのため、ゴール前の「瞬発力勝負」になりやすいコースと言えます。対して、菊花賞の舞台となる京都芝3000m(外回り)は、名物の「淀の坂」を2回も上り下りする非常にトリッキーなコース。道中でいかにスタミナを温存できるかが鍵となり、消耗戦になりやすいのです。
馬名で見る「適性の壁」という現実
この「適性の違い」は、過去の名馬たちの戦績を振り返ることで、より鮮明に理解できます。
「ダービー馬はダービー馬から」という格言がある一方で、ダービー馬が菊花賞を勝てないケースは決して珍しくありません。その馬が持つ能力の方向性が違う、ということなんですよ。
| 馬名 | 日本ダービー | 菊花賞 | タイプと考察 |
|---|---|---|---|
| ワグネリアン (2018年) | 1着 (高速馬場) | 不出走 | 典型的な瞬発力タイプ。高速馬場のダービーを見事に制しましたが、陣営は距離適性を考慮し菊花賞には向かいませんでした。適性の違いを示す好例です。 |
| フィエールマン (2018年) | 7着 (高速馬場) | 1着 | 典型的なスタミナタイプ。ダービーの瞬発力勝負ではキレ負けしましたが、スタミナが問われる菊花賞の展開で見事に巻き返し、G1初制覇を飾りました。 |
| キセキ (2017年) | 7着 (高速馬場) | 1着 (不良馬場) | パワー・スタミナタイプ。ダービーでは上位に食い込めませんでしたが、歴史的な不良馬場となった菊花賞でその真価を発揮。馬場と距離適性が完璧に噛み合いました。 |
三冠馬という「例外」
もちろん、コントレイルやディープインパクトのように、春の高速馬場も秋の長距離戦も完璧にこなす、歴史的な名馬も存在します。しかし、彼らは全ての適性を兼ね備えた「例外中の例外」と考えるべきです。全てのダービー馬が三冠馬の器を持っているわけではありません。
このように、春のクラシック、特に日本ダービーの実績はあくまで重要な参考記録と捉えるべきです。そして、ダービーで見せた素晴らしい瞬発力に目を奪われるだけでなく、その馬が菊花賞で求められる「3000mを走り切るスタミナ」という物差しで、もう一度冷静に評価し直す作業が、菊花賞を的中させるためには不可欠なのです。

東京競馬場の馬場傾向とリアルタイム情報
東京競馬場は、日本の競馬場の中でも特に高速馬場になりやすいことで知られています。JRAの徹底した馬場管理技術により、水はけが非常に良く、雨が降っても回復が早いのが特徴です。そのため、基本的にはスピード能力に優れた馬が活躍しやすい舞台と言えます。
ただし、常に同じ傾向というわけではありません。特に注意したいのがA・B・C・Dと続くコース替わりです。開催が進むにつれて内側の芝が傷んでくると、仮柵を外側に移動させて傷んだ部分をカバーします。これにより、内側の状態が良いBコースやCコースの開催週は、再び内枠の先行馬が有利になることがあります。
コース替わりの初週は特に狙い目ですね。馬場読みが得意な騎手は、この有利な内側のコースを巧みに突いてきますよ。
リアルタイムの情報を得るには、JRAの公式サイトで発表される「クッション値」や「含水率」をチェックするのが基本です。それに加えて、競馬専門紙の電子版や、信頼できる競馬ニュースサイトの速報も役立ちます。最近では、パドック解説者が馬場状態に言及することも多く、リアルタイム性の高い情報を得られる機会が増えています。
情報の信頼性を見極める
リアルタイム情報は非常に有用ですが、中には個人の主観が強く反映されたものもあります。一つの情報だけを鵜呑みにせず、JRAの公式発表をベースに、複数の情報源を比較検討することが大切です。

京都と阪神競馬場の馬場状態速報
菊花賞の舞台となる京都競馬場(改修期間中は阪神競馬場で代替開催)は、東京競馬場とは異なる特徴を持っています。特に京都競馬場の芝コースは、「淀の坂」と呼ばれる3コーナーの上り下りがあり、非常にタフなコースとして知られています。ここでスタミナを消耗し、最後の直線で失速する馬は少なくありません。
阪神競馬場も、内回りコースのゴール前に急坂が待ち構えており、パワーとスタミナが要求されるコースです。どちらの競馬場も、雨が降って馬場が渋ると、さらにその傾向が強まります。そのため、レース当日の馬場状態速報をチェックすることは、予想において極めて重要です。
馬場状態速報は、JRA公式サイトや各競馬専門メディアで確認できます。特に注目すべきは、午前中のレース結果です。
午前中のレースで見るべきポイント
- 内外の有利不利:逃げ・先行馬が内ラチ沿いをスムーズに走って粘っているか、それとも外から差してくる馬が上位を占めているか。
- 時計:同じクラス、同じ距離のレースの勝ち時計が、標準的なタイムと比べて速いか遅いか。
- 脚質:逃げ・先行馬と差し・追込馬のどちらが多く馬券に絡んでいるか。
これらの情報を分析することで、メインレースが行われる午後の馬場がどのような状態になっているかを推測できます。特に、雨が降ったり止んだりするような不安定な天候の日は、速報をこまめにチェックすることが的中の確率を高めます。

中京競馬場のリアルタイム馬場状態速報
中京競馬場は、ゴール前の直線に高低差約2mの急坂が待ち構える、屈指のタフコースです。直線距離も長く、最後の最後まで激しい追い比べが繰り広げられます。このコース形態から、求められるのは単純なスピードではなく、坂を駆け上がるパワーと、長い直線を走り切るスタミナです。
リアルタイムで馬場状態を把握するためには、JRAが発表する「クッション値」と「含水率」のデータが非常に参考になります。
| 馬場状態 | クッション値の目安 | 含水率の目安 | 傾向 |
|---|---|---|---|
| 良 | 9.5以上 | 10~15% | スピードが出やすく、時計が速くなりやすい。 |
| 稍重 | 8.5~9.5 | 15~20% | やや力が要るようになり、時計も少しずつかかり始める。 |
| 重 | 7.5~8.5 | 20~25% | パワーとスタミナがかなり要求される。適性が問われる。 |
| 不良 | 7.5未満 | 25%以上 | 非常にタフな馬場。「道悪巧者」と呼ばれる馬の独壇場になることも。 |
クッション値は馬場の硬さを示す指標で、数値が大きいほど硬く、スピードが出やすい馬場と判断できます。逆に含水率は馬場に含まれる水分の割合で、数値が高いほど時計のかかるタフな馬場となります。
これらの数値をリアルタイムで追いかけることで、見た目だけでは分かりにくい馬場の変化を客観的に捉えることが可能です。特に雨が降った後は、含水率の上昇とともにクッション値がどう変化していくかを見ることで、馬場の悪化度合いをより正確に判断できます。

特殊な中京bコースの傾向と対策
競馬の予想において、コース替わりは非常に重要なファクターです。特に「中京Bコース」への変更週は、馬場傾向が大きく変わる可能性があるため、注意が必要です。
コース替わりとは、開催が進んで傷んだ内側の芝を保護するために、可動式の柵を外側に移動させることを指します。中京競馬場の場合、最も内側に柵を設置した状態がAコース、そこから外に3m移動させたのがBコースです。
このBコース替わりの最大のポイントは、これまで使われていなかった内側の芝の状態が非常に良いということです。Aコース開催終盤では、馬場の内側は多くの馬が通るため荒れてしまい、外を回った馬の方が伸びる「外差し馬場」になりがちでした。しかし、Bコースに替わることで、その傷んだ部分が柵でカバーされ、再び絶好のコンディションの芝が現れるのです。
中京Bコースの狙い目
Bコース替わりの初週は、内枠を引いた先行馬が絶好の狙い目となります。馬場の良い内側をロスなく走り、そのままゴールまで粘り込むケースが多く見られます。逆に、大外をぶん回すような競馬では、距離のロスが大きくなり不利になる傾向があります。
もちろん、この傾向も開催が進むにつれて薄れていきますが、コース替わりのタイミングを把握し、馬場のバイアスを読むことは、予想の精度を上げる上で強力な武器となります。

札幌競馬場の馬場傾向を把握する
札幌競馬場の最大の特徴は、芝コースが「洋芝」100%で造成されている点です。本州の競馬場で主流となっている「野芝」とのハイブリッドではなく、すべて洋芝で構成されています。
この洋芝は、野芝に比べて根が深く、葉の密度も高いため、クッション性に優れています。その結果、馬の脚への負担は少ないものの、走る際にはパワーが必要となり、時計がかかりやすいタフな馬場になるのが一般的です。
よく「洋芝巧者」という言葉を耳にしますよね。パワータイプの血統や、少しズブい(反応が遅い)くらいの馬が、このタフな洋芝でいきなり激走することがあります。
そのため、札幌競馬場でのレースを予想する際は、他の競馬場でのスピード能力をそのまま評価するのではなく、パワーとスタミナを重視する必要があります。特に、過去に函館競馬場(同じく洋芝100%)や、馬場が渋ったレースで好走実績のある馬は、札幌の馬場への適性が高いと判断できます。
夏の北海道シリーズで札幌のタフな馬場を経験した馬が、秋になって本州のレースに戻ってきた際に、スタミナを活かして好走するケースも少なくありません。菊花賞のような長距離レースを占う上でも、札幌での走りっぷりは重要な参考データとなります。
リアルタイムで菊花賞の馬場状態を掴む
- 今日の馬場傾向から流れを読む
- 新潟競馬場の馬場と天気は要チェック
- 小倉競馬場の雪と凍結防止剤の影響
- 東京競馬場馬場状態はツイッターで
- 京都競馬場の馬場状態で最終予想

今日の馬場傾向から流れを読む
菊花賞の予想を確定させる上で、「今日の馬場傾向」を読むことは、他のどんなデータ分析よりも優先されるべき重要な作業です。なぜなら、どれほど完璧に過去データを分析し、各馬の能力を評価したとしても、レース当日の馬場という巨大な「変数」一つで、その予想は根底から覆ってしまう可能性があるからです。
この生きた情報を得るための最も効果的な方法は、言うまでもなく菊花賞の前に行われるレースをライブで観察することに他なりません。
観察対象レースと最低限のレース数
菊花賞が行われる京都芝3000mは、1〜2コーナーを回った後、向こう正面から外回りコースをぐるりと一周する特殊な形態です。そのため、馬場の特徴を把握する上で最も参考になるのは、同じく広々とした外回りコースを使用するレースとなります。
具体的には、「京都芝1600m(外回り)」や「京都芝1800m(外回り)」のレースが最適です。午前中に行われる新馬戦や1勝クラスのレースでも全く問題ありません。菊花賞の発走までに、最低でも2レースはこれらのコースのレースを集中して確認したいところです。
レース観察で絶対に外せない4つの視点
当日のレースを観察する際は、ただ漫然と見るのではなく、以下の4つのポイントに絞って意識的に情報を収集することが、傾向を掴むための近道となります。
- 内外の有利不利:馬はどのコースを通って伸びているか
- レースの時計:馬場は速いのか、タフなのか
- 勝ち馬の脚質:どのポジションから勝負が決まっているか
- 騎手の意識:トップジョッキーたちはどこを走らせているか
最重要項目:VTRで見るべき「内外の有利不利」
4つの視点の中でも、特に重要なのが「内外の有利不利」、つまり馬場のどのあたりが伸びるのかという点です。開催が進むと、多くの馬が通る内側の芝は傷み、逆にあまり使われていない外側の芝の状態が良くなることがあります。
この有利不利を判断するために、レース映像の「4コーナーから直線入口」に注目してください。馬群全体の動きを見れば、多くの騎手たちがどの進路を選んでいるかが一目瞭然となります。
特に、その競馬場を知り尽くしたリーディング上位の騎手や、地元出身の騎手の動きは重要なヒントになります。彼らが一斉に馬場の外側に持ち出すようなら、内側の馬場は相当厳しい状況だと判断して間違いありません。
また、ゴール前の直線映像では、勝ち馬だけでなく3着以下の馬がどのコースを通って伸びてきたか、あるいは失速したかも確認しましょう。勝ち馬の能力が突出していると、馬場の有利不利を無視して勝ってしまうこともありますが、下位の馬たちの動きにこそ、馬場のバイアスが素直に表れていることが多いのです。
馬場の速さを測る「レースの時計」と「勝ち方の質」
レースの勝ち時計は、馬場の状態を客観的に判断するための重要な指標です。前日の同じ条件のレースや、標準的な持ち時計と比較して、明らかに速いタイムが出ていれば、馬場が乾いて走りやすい「高速馬場」と判断できます。逆に、時計がかかっていれば、雨の影響が残るタフな馬場と考えられます。
前述の通り、時計と合わせて勝ち馬の「脚質」と「勝ち方の質」も重要です。例えば、同じ勝ち時計でも、スローペースを楽に逃げ切ったのか、ハイペースを後方から差し切ったのかでは、レース内容の価値が全く異なります。もし後方から追い込んできた馬が上位を占めるレースが続いているなら、それは「差し馬に有利な流れ」が来ている証拠と言えるでしょう。
注意点:傾向は絶対ではない
ただし、これらの馬場傾向は絶対的なものではありません。急な雨など天候の変化や、JRAによる散水作業の直後など、レースとレースの合間で馬場状態が変化する可能性は常にあります。一つのレース結果だけで判断せず、複数のレースから総合的に「今の馬場の流れ」を読み解く姿勢が大切です。
これらの情報を総合的に分析することで、「今日は内を通れる先行馬が有利な高速馬場だ」とか、「外からの差しが決まるタフな消耗戦だ」といった、その日の馬場の全体像が見えてきます。この「馬場の流れ」を読み解き、自分の本命馬がその流れに乗れるタイプかどうかを冷静に判断することこそ、的中への最後のピースとなるのです。

新潟競馬場の馬場と天気は要チェック
新潟競馬場の最大の特徴は、日本一長い約659mの直線を持つ外回りコースです。この長い直線のため、基本的には瞬発力に優れた差し・追込馬が有利とされています。
しかし、その傾向を大きく左右するのが「天気」です。新潟競馬場は日本海側に位置しており、天候が急変しやすいという特徴があります。特に夏場の開催では、突然のゲリラ豪雨に見舞われることも少なくありません。
雨による馬場変化
平坦でスピードが出やすい新潟の芝コースも、ひとたび雨が降って水分を含むと、一気に時計のかかるタフな馬場へと変貌します。こうなると、自慢の末脚が活かせなくなり、先行して粘り込む馬や、パワータイプの馬が台頭してくることがあります。
そのため、新潟競馬場のレースを予想する際は、常に最新の天気予報を確認しておくことが重要です。レース直前に雨雲が近づいていないか、風の強さや向きはどうなっているか、といった情報が予想の鍵を握ります。JRAの公式サイトでは、競馬場周辺の天気予報も提供されているため、馬場状態の発表と合わせてチェックする習慣をつけましょう。
また、直線競馬(千直)と内回り・外回りコースでは、全く傾向が異なる点も忘れてはいけません。それぞれのコースの特性と、当日の馬場・天候を組み合わせて考えることが、新潟競馬場を攻略する上でのポイントとなります。

小倉競馬場の雪と凍結防止剤の影響
冬の小倉競馬は、他の季節や他の競馬場では見られない特殊な要因に注意が必要です。それが「雪」と「凍結防止剤」の影響です。
まず、雪が降った場合の影響ですが、芝コースは開催が中止になることもありますが、ダートコースは比較的開催されることが多いです。雪はダートの砂に水分を供給することになり、脚抜きの良い、時計の速い馬場になります。一般的に、ダートは水分を含むと時計が速くなる傾向があることを覚えておきましょう。
さらに厄介なのが、凍結防止剤の影響です。気温が氷点下になる恐れがある場合、馬場の凍結を防ぐために、前日の夜からコースに凍結防止剤(主に塩化カルシウム)が散布されることがあります。
凍結防止剤が撒かれたダートの特徴
塩化カルシウムには水分を吸収・保持する性質があるため、これを撒かれたダートコースは、パサパサに乾きにくくなります。その結果、非常に力が要る、時計のかかるタフな馬場へと変貌します。スピードタイプの馬は苦戦し、代わりにパワーとスタミナに秀でた馬が上位を独占することが多くなります。
凍結防止剤が使用されるかどうかは、JRAから事前に発表があります。もし「凍結防止剤使用」のアナウンスがあった場合は、スピードよりもパワーを重視した予想に切り替える必要があります。これは、冬競馬ならではの重要な予想ファクターです。

東京競馬場馬場状態はツイッターで
情報収集のスピードが求められる現代競馬において、Twitter(X)は非常に強力なツールです。特に、刻一刻と変化する馬場状態をリアルタイムで把握したい場合、その速報性は他のメディアの追随を許しません。
Twitterの最大のメリットは、現場にいるトラックマンや競馬記者の「生の声」が聞ける点です。彼らは、一般のファンでは知り得ない、専門的な視点から馬場を観察しています。
Twitterで発信される有益な情報例
- パドックでの馬の歩き方から見た馬場適性
- 返し馬での走りから感じた馬場の硬さや走りやすさ
- 実際にコースを歩いて確認した芝の傷み具合
- レース後の騎手コメント(非公式なものも含む)
「4コーナーの内側だけ、かなり掘り返されている」といった、ピンポイントな情報を投稿してくれる記者さんもいるので、本当に参考になりますよ。
ただし、その一方でデメリットも存在します。それは情報の信頼性の問題です。誰でも自由に発信できるため、中には根拠のない噂や、個人の願望に基づいた偏った情報も紛れ込んでいます。
Twitter情報を活用する際の注意点
信頼できる情報源を見極めることが何よりも重要です。具体的には、所属が明らかな競馬専門紙の記者や、長年の実績がある元トラックマンなどをフォローするのが良いでしょう。そして、一つのアカウントの情報だけを鵜呑みにせず、必ず複数のアカウントの情報を比較検討し、JRAの公式発表と照らし合わせながら、総合的に判断する姿勢が求められます。

京都競馬場の馬場状態で最終予想
さて、これまで解説してきた様々な情報を、いよいよ菊花賞の最終予想に繋げていきましょう。結論として、当日の京都競馬場の馬場状態を完璧に読み切り、それに最も適した馬を選ぶことが、的中への最短ルートです。
最終予想を組み立てるプロセスは、以下のステップで行うのが効果的です。
最終予想への4ステップ
- ステップ1:馬場状態の確定
JRAの公式発表と当日のレース傾向から、馬場が「良・稍重・重・不良」のどれに該当し、かつ「高速馬場か、タフな馬場か」を判断します。 - ステップ2:有利な脚質の判断
確定した馬場状態に基づき、「内枠の先行馬が有利」なのか、「外からの差し馬が有利」なのか、その日の流れを読み解きます。 - ステップ3:馬場適性のある馬の選出
出走馬の中から、判断した馬場状態や流れに合致する馬をピックアップします。過去のレース実績(特に道悪での成績)や血統背景(パワー型かスピード型か)が重要な判断材料になります。 - ステップ4:最終的な印を打つ
ピックアップした馬の中から、当日のパドックでの気配や馬体重の増減なども加味して、最終的な印(◎◯▲△)を打ちます。
このステップをより具体的にイメージするために、過去の象徴的なレースを振り返ってみましょう。
ケーススタディ:2017年菊花賞(不良馬場)
競馬史に残る消耗戦として語り継がれているのが、台風21号の接近に伴う大雨の中で行われた2017年の菊花賞です。馬場状態は「不良」。田んぼのような極悪馬場となり、出走馬のスタミナと精神力が極限まで問われました。
このレースを制したのは、7番人気のキセキ。そして2着には5番人気のクリンチャーが入りました。注目すべきは両馬の血統です。キセキの父はキングカメハメハ系のルーラーシップ、クリンチャーの父はサンデーサイレンス系ながらパワーを伝えるディープスカイでした。どちらも欧州の重い馬場を得意とする血の背景を持ち、まさに極悪馬場をこなすためのパワーとスタミナを色濃く受け継いでいたのです。このレースは、馬場がタフになればなるほど、血統の重要性が増すことを明確に示した一戦でした。
菊花賞で注目すべきスタミナ血統
では、具体的にどのような血統が、菊花賞のようなタフな長距離レースで注目すべきなのでしょうか。もちろん一概には言えませんが、一般的にスタミナやパワーを産駒に伝えやすいとされる代表的な血統が存在します。
| 血統系統 | 代表的な種牡馬(例) | 特徴 |
|---|---|---|
| ロベルト系 | シンボリクリスエス、エピファネイア | 欧州由来の血統で、豊富なスタミナと底力が持ち味。長距離や力の要る馬場で滅法強い。 |
| キングカメハメハ系 | ルーラーシップ、ドゥラメンテ | パワーとバランスに優れ、距離や馬場への融通が利きやすい。特にルーラーシップ産駒は道悪巧者が多い。 |
| ステイゴールド系 | オルフェーヴル、ゴールドシップ | 無尽蔵のスタミナと強い精神力を伝える。荒れた馬場や長距離での大駆けが魅力で、人気薄でも軽視禁物。 |
血統はあくまで馬券検討の一つの要素ですが、特に菊花賞が行われる3000mという距離は、ごまかしの利かないスタミナ勝負になります。タフな馬場になれば、その傾向はさらに顕著になりますよ。
このように、当日の馬場状態から「今日はパワーとスタミナが問われる馬場だ」と判断したなら、これらの血統背景を持つ馬の評価を上げる、といった戦略が有効になります。一つ一つの情報を丁寧に分析し、それらを論理的に組み合わせることで、単なる勘に頼らない、根拠のある予想を組み立てることが可能になるのです。

菊花賞の馬場状態を見極めるのが鍵
- 菊花賞の予想において馬場状態の分析は不可欠
- ダービーやオークスとは求められる馬場適性が異なる
- 各競馬場の芝やコース形態には固有の傾向がある
- 東京競馬場は高速馬場になりやすいがコース替わりで変化
- 京都競馬場は伝統的にスタミナが問われるタフな馬場
- 洋芝100%の札幌競馬場はパワーとスタミナが重要
- 天候の変化は馬場状態を一変させるため常に注意が必要
- 今日の馬場傾向は当日のレース内容から読み解く
- 冬季競馬の凍結防止剤はダートを特殊なパワー馬場に変える
- Twitterは最速の情報源だが情報の精査が必須
- JRA公式発表のクッション値や含水率は必ず確認する
- 馬場状態からその日有利になる脚質やコースを判断する
- 馬場が渋れば「道悪巧者」と呼ばれる血統の評価を上げる
- 全ての情報を統合して最終的な予想を組み立てる
- 馬場適性を見極めることが的中への近道となる
