菊花賞の優勝賞金は一体いくらなのか、気になったことはありませんか。競馬の賞金と聞くと、有馬記念の賞金配分や競馬のG1賞金一覧など、様々な情報が思い浮かぶかもしれません。この記事では、日本の競馬賞金レースランキングにも触れながら、競馬の優勝賞金配分や競馬の賞金配分といった基本的な仕組みを分かりやすく解説します。さらに、菊花賞に焦点を当て、その過酷な菊花賞の距離、菊花賞の歴代優勝馬、そして武豊騎手の菊花賞における歴代の記録にも迫ります。菊花賞のレコードや歴代レコードタイム、菊花賞の払い戻しや過去最高配当といった記録的な側面から、菊花賞の過去10年、過去20年の菊花賞結果、そして過去の結果まで、あらゆる角度からこの伝統の一戦を紐解いていきます。
- 菊花賞の優勝賞金と競馬界の賞金システム
- 日本の主要G1レース賞金ランキング
- 菊花賞の歴史を彩る歴代の名馬と記録
- 過去データから読み解く菊花賞の傾向
菊花賞の優勝賞金と競馬界の賞金事情
- 競馬の優勝賞金配分の仕組み
- 競馬の賞金レースランキングとG1一覧
- 有馬記念の賞金配分との比較
- 菊花賞の距離がレースを過酷にする

競馬の優勝賞金配分の仕組み
競馬のレースで得られる賞金は、1着馬が総取りするわけではありません。中央競馬(JRA)では、レースで5着以内に入った馬に対して、着順に応じた賞金が支払われる仕組みになっています。これを「本賞金」と呼びます。
なぜなら、競走馬を所有し、レースに出走させるまでには多額の経費がかかるため、馬主の負担を軽減し、競馬産業全体を支える必要があるからです。また、レースを成立させるために貢献した調教師や騎手、厩務員にも成功報酬として賞金の一部が分配されるべき、という考え方に基づいています。
具体的には、1着馬の賞金を100%とした場合、2着は40%、3着は25%、4着は15%、5着は10%と定められています。さらに、馬主が受け取る賞金の中から、調教師に10%、騎手に5%、厩務員に5%が「進上金」として支払われるのが通例です。このため、騎手や調教師にとって、G1レースでの勝利は名誉だけでなく経済的にも非常に大きいものとなります。
賞金配分のポイント
- 賞金は1着から5着までの馬に支払われる
- 馬主の取り分は賞金総額の80%
- 調教師(10%)、騎手(5%)、厩務員(5%)にも分配される

競馬の賞金レースランキングとG1一覧
日本の競馬には数多くのレースがありますが、その中でも特に賞金が高額なのが「G1(グレードワン)」に格付けされるレースです。G1レースは、歴史と格、そして出走馬のレベル、全てにおいて最高峰と位置づけられています。
競馬の賞金レースランキングを見ると、その頂点に君臨するのが年末のグランプリ・有馬記念と、国際レースのジャパンカップです。これらのレースは1着賞金が5億円と、他のG1レースを大きく引き離しています。
ここでは、日本の主要なG1レースの賞金一覧をランキング形式でご紹介します。この表を見ることで、各レースの格や位置づけが賞金額にどう反映されているかが分かります。
やはりジャパンカップと有馬記念の賞金額は別格ですね。ダービーや天皇賞も3億円と高額ですが、菊花賞は2億円となっており、3歳馬限定のクラシックレースとしては最高水準の賞金が設定されています。
| 順位 | レース名 | 1着賞金(2025年) |
|---|---|---|
| 1位タイ | ジャパンカップ | 5億円 |
| 1位タイ | 有馬記念 | 5億円 |
| 3位タイ | 日本ダービー | 3億円 |
| 3位タイ | 天皇賞(春・秋) | 3億円 |
| 3位タイ | 宝塚記念 | 3億円 |
| 3位タイ | 大阪杯 | 3億円 |
| 8位タイ | 皐月賞 | 2億円 |
| 8位タイ | 菊花賞 | 2億円 |

有馬記念の賞金配分との比較
菊花賞と同じくG1レースである有馬記念ですが、その賞金配分には大きな違いがあります。これは、レースの性質や位置づけが異なるためです。
菊花賞が3歳馬限定のクラシックレースであるのに対し、有馬記念は3歳以上のスターホースが一堂に会する、その年の競馬界の総決算ともいえるグランプリレースです。そのため、注目度も賞金額も、有馬記念の方が高く設定されています。
以下の表で、両レースの5着までの本賞金額を比較してみましょう。1着賞金だけでなく、2着以下の賞金も有馬記念が菊花賞を大きく上回っていることが分かります。
総賞金額では、有馬記念は菊花賞の2倍以上になります。これが、年末のグランプリレースが持つ特別な価値を示しています。
| 着順 | 菊花賞 | 有馬記念 |
|---|---|---|
| 1着 | 2億円 | 5億円 |
| 2着 | 8,000万円 | 2億円 |
| 3着 | 5,000万円 | 1億3,000万円 |
| 4着 | 3,000万円 | 7,500万円 |
| 5着 | 2,000万円 | 5,000万円 |

菊花賞の距離がレースを過酷にする
菊花賞が他のG1レースと一線を画し、「最も強い馬が勝つ」と言わしめる最大の理由は、その3000mという長大な距離にあります。これは皐月賞(2000m)の1.5倍、日本ダービー(2400m)よりも600mも長い設定です。3歳の若駒たちにとって、この距離はほとんどの馬が経験したことのない未知の領域であり、単なるスピードだけでは到底乗り切ることはできません。スピード、スタミナ、精神力、そして血統という、サラブレッドが持つ能力の全てが試される究極の舞台なのです。
勝利に求められる3つの資質
3000mという長丁場を制するためには、他のレースとは質の異なる、特殊な能力が求められます。ここでは、勝利の鍵を握る3つの重要な資質を深掘りしていきましょう。
①究極のスタミナ – 底なしの持久力
言うまでもなく、最も重要なのが3000mを最後まで走り切るための絶対的な持久力、すなわちスタミナです。人間でいえば、中距離走ではなく、完全にマラソンの領域に入ります。レース終盤、多くの馬がスタミナ切れで失速していく中で、最後まで力強く脚を伸ばせるかどうかが勝敗を分けます。
このスタミナは、日々の調教だけでなく、その馬が持つ血統に大きく左右されると言われています。競馬の世界では、長距離を得意とする血統を「ステイヤー血統」と呼び、菊花賞を勝つためには、このステイヤーとしての資質が不可欠です。過去の優勝馬の血統を遡ると、ステイゴールドやサドラーズウェルズといった、長距離で実績のある血を引いている馬が多く見られます。
「ステイヤー」とは?
「ステイヤー(Stayer)」とは、英語の「Stay(持ちこたえる、耐える)」が語源で、長距離競走を得意とする競走馬を指す言葉です。
②盤石の精神力 – 「折り合い」という鍵
どれだけ豊富なスタミナを持っていても、それをレースの最後まで温存できなければ意味がありません。そこで重要になるのが、馬の精神力、特に「折り合い」です。
折り合いとは、簡単に言えば「騎手の指示に従ってリラックスし、無駄なエネルギーを使わずに走ること」を指します。レース中に他の馬に抜かれそうになって興奮したり、騎手の指示を無視して暴走したりしてしまうと、スタミナを無駄に消耗し、間違いなくゴール前で力尽きてしまいます。3000mという長い道中では、ほんのわずかな力みが命取りになるのです。
③騎手の頭脳戦 – ペース配分と仕掛け
馬の能力を最大限に引き出すためには、騎手の卓越した技術と判断力が不可欠です。騎手は、いわば「マラソンのペースメーカー兼監督」のような役割を担います。
レース全体の流れを読み、馬を完璧にリラックスさせながら、いかに最短距離をロスなく走るかというコース取りの巧みさ。そして、最後の直線で最高のパフォーマンスを発揮できるよう、スパートをかけるタイミングを計る「仕掛け」の判断。これら全てが噛み合わなければ、菊花賞を勝つことはできません。
騎手にとっては、3分間以上も馬と対話し続け、ライバルの動きを探り合う、一瞬たりとも息の抜けない頭脳戦なんですよ。
最大の難所・淀の坂
菊花賞の過酷さを象徴するのが、舞台となる京都競馬場に存在する「淀の坂」です。コースの3コーナー付近に設けられたこの坂は、高低差が約4.3mもあります。これは、ビルでいえば1階から2階へ一気に駆け上がるのに等しい負荷です。
そして、菊花賞ではこの過酷な坂を2度も上り下りしなくてはなりません。1周目の坂でじわじわと体力を削られ、勝負どころとなる2周目の坂でスタミナの限界を迎えて脱落していく馬は数知れません。ここでいかにスタミナを温存し、脚を溜められるかが、まさに勝負の分かれ目となるのです。
スピード馬が泣かされる「距離の壁」
中距離路線(2000m〜2400m)で圧倒的なスピードを見せてきた人気馬が、この菊花賞の「距離の壁」に跳ね返される例は後を絶ちません。血統的にスタミナの裏付けが乏しい馬にとっては、まさに鬼門ともいえるレースです。日本ダービーまでの実績が、そのまま通用しないことがあるのも、このレースの難しさであり、面白さでもあります。
菊花賞の優勝賞金を巡る歴代の記録
- 菊花賞の歴代優勝馬と武豊の伝説
- 菊花賞の過去10年の結果を振り返る
- 菊花賞の過去20年のデータと傾向
- 菊花賞の歴代レコードタイムを紹介
- 菊花賞の払い戻しと過去最高配当

菊花賞の歴代優勝馬と武豊の伝説
3歳馬にとって世代最強の栄誉を懸けて争われるクラシックレース。その最終関門である菊花賞の優勝トロフィーを手にできるのは、一握りの名馬と名騎手のみに許された特権です。ここでは、その栄光の歴史に名を刻んだ英雄たちの物語と、このレースを象徴する一人の天才騎手の伝説を紐解いていきます。
菊花賞の歴代優勝馬
菊花賞は、皐月賞、日本ダービーに続くクラシック三冠の最後のレースであるため、しばしば歴史的な「三冠馬」誕生の舞台となってきました。世代の頂点に立つだけでなく、競馬史にその名を永遠に刻む英雄たちのドラマを紹介します。
時代を彩った三冠馬たち
近年だけでも、競馬ファンの記憶に鮮烈に残る3頭の三冠馬がこの菊花賞で誕生しています。
- ディープインパクト(2005年)
単勝支持率79.0%という圧倒的な一番人気に応え、まるでターフの上を飛んでいるかのような走りでライバルたちを寄せ付けませんでした。父サンデーサイレンスが成し得なかった「無敗の三冠」という偉業を達成し、まさに日本近代競馬の結晶と呼ぶにふさわしい存在です。 - オルフェーヴル(2011年)
レース中に逸走しかけるほどの激しい気性を持ちながら、一度スイッチが入ると他馬を置き去りにする異次元の強さを誇りました。その予測不能な危うさと、見る者を圧倒するパフォーマンスの同居が、多くのファンを魅了した三冠馬です。 - コントレイル(2020年)
父ディープインパクト以来となる、史上3頭目の無敗での三冠達成という、日本競馬史でも類を見ない偉業を成し遂げました。最後の直線ではライバルとの壮絶な叩き合いをクビ差で制し、その類まれな勝負根性も見せつけました。
三冠を阻んだ”漆黒の刺客” ライスシャワー
菊花賞の歴史は、栄光の物語だけで紡がれているわけではありません。1992年、無敗の三冠達成が確実視されていたミホノブルボンの前に、一頭の刺客が立ちはだかりました。それが、黒鹿毛のステイヤー・ライスシャワーです。
春の二冠ではミホノブルボンの後塵を拝してきたものの、長距離でこそ真価を発揮すると見込まれていました。レースでは、三冠の夢を打ち砕くかのようにミホノブルボンをマークし、直線で差し切り勝ち。場内が悲鳴に包まれる中、レコードタイムで偉業を阻止しました。
当時はヒール(悪役)と見なされることもありましたが、その後の天皇賞(春)連覇など、最強ステイヤーとして君臨した実力は本物であり、今やその強さは伝説として語り継がれています。
ファンに愛された個性派チャンピオン
三冠馬のような絶対的な強さだけでなく、個性的なキャラクターでファンを魅了した菊花賞馬もいます。
- キタサンブラック(2015年)
菊花賞制覇がG1初勝利であり、ここから国民的スターホースへの道が始まりました。オーナーである演歌歌手・北島三郎氏の存在も大きく、レース後にファンと一体となってG1勝利を祝う「まつり」の大合唱は、競馬場の風物詩となりました。 - ゴールドシップ(2012年)
気分次第でレースをやめてしまうほどの気まぐれな性格と、スイッチが入った時の圧倒的なパフォーマンスで知られています。菊花賞では後方から大外をまくる圧巻の走りで勝利し、その予測不能な魅力で多くのファンを虜にしました。
レジェンド・武豊と菊花賞
菊花賞の歴史を語る上で、レジェンド・武豊騎手の存在は絶対に欠かすことができません。数々の記録はもちろんのこと、多くの歴史的瞬間に立ち会い、レースの価値そのものを高めてきたからです。
当時まだ19歳だった武豊騎手にとって、1988年のスーパークリークでの勝利は、自身のG1初制覇を飾る記念すべきものでした。この勝利はまさに伝説の始まりであり、ベテラン騎手たちを相手に堂々とした騎乗を見せ、天才の登場を競馬界に鮮烈に印象付けた一戦です。
これまでにスーパークリーク、ダンスインザダーク、エアシャカール、ディープインパクト、ワールドプレミアで勝利しており、異なる時代背景の中で頂点に立ち続けてきました。まさに「ミスター菊花賞」と呼ぶにふさわしい活躍で、レースの歴史にその名を深く刻んでいます。
武豊騎手の菊花賞での主な記録
- G1初制覇: 1988年、スーパークリークで達成。
- 歴代最多勝利: 前人未到の5勝を挙げる。
- 最年少・最年長勝利: 19歳での最年少記録と、50歳での最年長記録を保持。
19歳から50歳まで、30年以上にわたってこの大舞台を制し続けているというのは、本当に驚異的な記録です。ただ、これほどのレジェンドであっても人気馬で敗れることがあるのが、このレースの難しさでもありますね。

菊花賞の過去10年の結果を振り返る
菊花賞というレースを深く理解するためには、過去の結果を分析することが不可欠です。単に勝ち馬の名前を眺めるだけでなく、その背景にある「勝利の方程式」ともいえる複数の共通点を探ることで、レースの本質に迫ることができます。ここでは、過去10年(2015年~2024年)のデータから、菊花賞を勝ち抜くための重要な傾向を徹底的に分析していきましょう。
最重要ステップレース「神戸新聞杯」組の優位性
菊花賞を予想する上で、最も重要な指標となるのが前哨戦の成績です。特に、西のトライアルレースである「神戸新聞杯(G2)」は、本番と直結する最重要ステップレースとして確固たる地位を築いています。
実際に、過去10年の菊花賞馬のうち、実に8頭が前走で神戸新聞杯に出走していました。なぜこれほどまでに神戸新聞杯組が強いのか、その理由は主に2つ考えられます。
- 出走馬のレベルの高さ
神戸新聞杯には、春のクラシック(特に日本ダービー)で好走した世代トップクラスの実力馬が集まります。レベルの高いメンバーを相手に好走した実績は、そのまま菊花賞での信頼度に繋がります。 - 本番に近いレース環境
本番と同じ関西圏の阪神競馬場で行われるため、関東からの長距離輸送の負担がありません。また、2400mという距離も菊花賞に繋がるスタミナを試すには絶好の舞台です。
もちろん、関東のトライアルレース「セントライト記念(G2)」からも、2015年のキタサンブラックや2022年のアスクビクターモアといった勝ち馬が出ていますが、好走率という点では神戸新聞杯組に軍配が上がります。
血統が示す長距離適性の重要さ
前述の通り、3000mという長丁場では、その馬が持つ血統背景、すなわち長距離適性が色濃く反映されます。
この10年間で最も顕著だったのは、三冠馬ディープインパクト産駒の活躍です。2016年のサトノダイヤモンドを筆頭に、ワールドプレミア、コントレイル、アスクビクターモアと、4頭もの勝ち馬を輩出しました。これは、父譲りの瞬発力とスタミナを兼ね備え、スローペースからの瞬発力勝負にも、スタミナが問われる消耗戦にも対応できる万能性を持っていたためです。
しかし、近年はその勢力図にも変化の兆しが見られます。2021年のタイトルホルダーと2023年のドゥレッツァはドゥラメンテ産駒、そして2024年のアバヴシーはキタサンブラック産駒と、新たなステイヤー血統が台頭してきました。これは、ディープインパクト亡き後の血統トレンドが、新たな時代へと移り変わっていることを示唆しています。
血統の世界は常に動いています。数年後には、また新たな血統が菊花賞の主役になっているかもしれませんね。
データが示す馬券のヒント
過去10年の結果は、馬券を予想する上でも多くのヒントを与えてくれます。
まず人気面を見ると、1番人気は3勝と、絶対的な信頼度というわけではありません。7番人気のフィエールマン(2018年)が勝利したり、比較的伏兵が絡みやすい傾向も見られます。極端な大穴は狙いにくいものの、人気馬と伏兵をうまく組み合わせることが的中の鍵と言えるでしょう。
また、長距離戦のセオリー通り、レースの進め方にも一定の傾向があります。スタミナ温存が最も重要となるため、道中で脚を溜め、最後の直線で勝負をかける「差し」の戦法を得意とする馬が好成績を収めています。さらに、距離ロスなく走れる「内枠」が有利とされるのも、このレースの特徴です。
過去10年の菊花賞・馬券の傾向
- 1番人気の勝率は30%と、絶対的ではない
- ステップレースは「神戸新聞杯」組が圧倒的に有利
- 脚質は「差し」、枠順は「内枠」が好成績
過去10年の菊花賞結果一覧
以下の表は、2015年から2024年までの菊花賞の結果をまとめたものです。「前走」の欄を見ると、神戸新聞杯組の多さが一目瞭然です。
| 開催年 | 優勝馬 | 騎手 | 人気 | 前走 | 前走着順 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024年 | アバヴシー | C.デムーロ | 2 | 神戸新聞杯 | 1着 |
| 2023年 | ドゥレッツァ | C.ルメール | 4 | 日本海S (3勝) | 1着 |
| 2022年 | アスクビクターモア | 田辺裕信 | 2 | セントライト記念 | 2着 |
| 2021年 | タイトルホルダー | 横山武史 | 4 | セントライト記念 | 13着 |
| 2020年 | コントレイル | 福永祐一 | 1 | 神戸新聞杯 | 1着 |
| 2019年 | ワールドプレミア | 武豊 | 3 | 神戸新聞杯 | 3着 |
| 2018年 | フィエールマン | C.ルメール | 7 | ラジオNIKKEI賞 | 2着 |
| 2017年 | キセキ | M.デムーロ | 1 | 神戸新聞杯 | 2着 |
| 2016年 | サトノダイヤモンド | C.ルメール | 1 | 神戸新聞杯 | 1着 |
| 2015年 | キタサンブラック | 北村宏司 | 5 | セントライト記念 | 1着 |

菊花賞の過去20年のデータと傾向
10年というスパンからさらに視野を広げ、過去20年(2005年~2024年)の長大なデータに目を向けることで、菊花賞というレースの普遍的な本質と、時代と共に移り変わるトレンドの両側面を浮き彫りにできます。ここでは、よりマクロな視点から、この伝統の一戦が持つ意味を分析していきましょう。
時代の象徴・三冠馬誕生の舞台
前述の通り、菊花賞はクラシック三冠の最終関門です。過去20年間で、日本競馬史に燦然と輝く3頭の三冠馬がこの舞台で誕生しました。
- 2005年 ディープインパクト
- 2011年 オルフェーヴル
- 2020年 コントレイル
スピードが重視される現代競馬において、これら3頭の偉業は、世代随一のスピード能力と、3000mという長距離を克服する傑出したスタミナを両立させていたことの証明です。数多の名馬が挑戦しながらも、過去20年でわずか3頭しか達成できていない事実が、三冠最終戦としての菊花賞の価値を何よりも雄弁に物語っています。
波乱を呼ぶ「夏の上がり馬」の台頭
一方で、菊花賞は絶対的な本命馬が常に勝つレースではありません。1番人気が順当に勝利する年もあれば、伏兵が台頭して波乱を巻き起こす年もあります。特に、過去20年の歴史を振り返ると、波乱の主役にはある共通点が見られます。それが、「夏の上がり馬」の存在です。
「夏の上がり馬」とは、春のクラシックシーズンでは目立った実績がなかったものの、気候の良い夏を越して心身ともに急成長を遂げ、秋にその素質を一気に開花させる馬を指します。2009年に8番人気で勝利したスリーロールスや、2006年に同じく8番人気で制したソングオブウインドは、まさにその典型例でした。
なぜ菊花賞では「夏の上がり馬」が活躍しやすいのか。その理由は、このレースがスタミナの比重が非常に大きい舞台であるためです。春までのスピード実績だけでは通用せず、馬自身の成長力や本質的な長距離適性が問われるため、完成度の高い春の実績馬を、未知の魅力を秘めた上がり馬が逆転する余地が生まれるのです。
データで見る関西馬の圧倒的優位性
過去20年のデータをさらに別の角度から分析すると、興味深い事実が浮かび上がります。それは、所属するトレーニングセンターによる成績の偏り、いわゆる「西高東低」の傾向です。
JRAの競走馬は、滋賀県の栗東(りっとう)トレーニングセンターに所属する「関西馬」と、茨城県の美浦(みほ)トレーニングセンターに所属する「関東馬」に大別されます。そして菊花賞においては、長年にわたり関西馬が圧倒的な成績を収めてきました。
過去20年の勝ち馬のうち、関東馬は2021年のタイトルホルダーと2022年のアスクビクターモアの2頭のみです。この2年間は京都競馬場の改修工事により阪神競馬場で開催されたため、本来の京都開催に絞ると、20年以上もの長きにわたり関西馬が勝利を独占していた時期がありました。
この「西高東低」は菊花賞に限らず、競馬界全体の大きなトレンドでもあります。栗東トレセンの坂路コースといった調教施設の充実度などが、その要因の一つと考えられています。
開催場所の変更が与えた影響
ちなみに、前述の通り2021年と2022年の菊花賞は、京都競馬場の改修工事に伴い、阪神競馬場で開催されました。コースは異なりますが、距離は同じ3000mです。京都の坂とは異なる特徴を持つ阪神コースでの開催は、レースの展開や求められる適性にも微妙な変化をもたらしたと言われています。
過去20年の菊花賞・3つのポイント
- 英雄の誕生: 3頭の三冠馬が誕生した、時代の節目となるレース。
- 伏兵の台頭: 夏に急成長した「上がり馬」が波乱を巻き起こす。
- 関西馬の優位: 長年にわたり関西馬が圧倒的な成績を残している。

菊花賞の歴代レコードタイムを紹介
菊花賞の歴史の中で、最も速いタイムで駆け抜けた馬がいます。その記録は、今なお破られていない不滅のレコードとして燦然と輝いています。
不滅のレコードタイム
菊花賞のレースレコードは、2014年にトーホウジャッカルが記録した「3分01秒0」です。これは、従来の記録を1.5秒も更新する、まさに驚異的なタイムでした。
レコードが生まれた背景
この歴史的な記録が生まれたのには、いくつかの理由があります。一つは、その年のレース展開です。序盤から比較的速いペースでレースが進み、スタミナを消耗する厳しい流れとなりました。このようなハイペースの展開が、結果的に速いタイムを生み出す要因となったのです。
もう一つの理由は、トーホウジャッカル自身の驚異的な素質です。彼はその年の5月にデビューしたばかりの、いわゆる「夏の上がり馬」でした。キャリアは浅かったものの、内でじっと脚を溜め、直線で爆発的な末脚を繰り出すという完璧なレース運びで、この大記録を打ち立てたのです。
デビューからわずか149日での菊花賞制覇も、常識を覆す快挙でした。まさに記録ずくめの勝利だったと言えますね。

菊花賞の払い戻しと過去最高配当
菊花賞は、時に高額な配当が飛び出す、波乱のレースとなることがあります。特に記憶に新しいのが、歴史的な不良馬場で行われた2017年の一戦です。
この年は台風の影響で、馬場は極度にぬかるんだ状態でした。このようなタフなコンディションでは、馬の能力だけでなく、道悪適性やスタミナがより一層問われます。
レースを制したのは1番人気のキセキでしたが、2着に10番人気のクリンチャー、3着に13番人気のポポカテペトルという人気薄の馬が入線しました。この結果、3連単(1着、2着、3着を順番通りに当てる馬券)の払い戻しは、559,700円という高配当になったのです。
2017年・高配当のポイント
- 歴史的な不良馬場が波乱の要因に。
- 1番人気が勝利するも、2・3着に人気薄の馬が入線。
- 3連単の払い戻しは55万9700円を記録した。
これは、1番人気の馬が勝ちながらも配当が跳ね上がった珍しいケースです。過酷な馬場状態がスタミナ自慢の人気薄の馬に味方し、多くのファンの予想を覆す結果となりました。菊花賞がいかに厳しいレースであるかを物語る、象徴的な一戦と言えるでしょう。

菊花賞の優勝賞金が持つ特別な価値
- 菊花賞の優勝賞金は2億円に設定されている
- 賞金は1着から5着までの馬に配分される
- 馬主だけでなく調教師や騎手にも進上金が渡る
- 日本のG1賞金はジャパンカップと有馬記念の5億円が最高額
- 有馬記念は3歳以上のスターが集うため賞金が高い
- 菊花賞は3000mという過酷な距離が特徴
- 「最も強い馬が勝つ」と言われる所以である
- 歴代優勝馬にはディープインパクトなどの三冠馬がいる
- 武豊騎手は菊花賞で歴代最多の5勝を記録している
- 過去10年ではディープインパクト産駒の活躍が目立つ
- 前哨戦の神戸新聞杯で好走した馬が有利な傾向
- 過去20年では三冠馬誕生の年が大きな盛り上がりを見せた
- 歴代レコードはトーホウジャッカルの3分01秒0
- 不良馬場で行われた2017年は高額な払い戻しとなった
- 菊花賞を勝つことは名誉と賞金の両面で価値がある
