ルメールのマイルCS成績と1番人気の謎

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こんにちは。Asymmetric Edge、運営者の「K」です。

秋のマイル王決定戦、マイルチャンピオンシップ(G1)。「G1のルメールは鉄板」と信じているのに、ルメール騎手のマイルチャンピオンシップの成績を調べると、特に「1番人気」で思ったような勝率が出ていないことに気づきませんか?

2024年のブレイディヴェーグはなぜ4着に敗れたのか、2022年のシュネルマイスターもなぜ人気を裏切ったのか。グランアレグリアでの連覇という輝かしい実績がある一方で、近年の敗因が気になって「なぜ?」と検索している方も多いかもしれません。

G1シーズンになると、クリストフ・ルメール騎手の動向は馬券検討の中心になりますよね。私も彼の騎乗馬は常にチェックしていますが、このマイルCSというレースに限っては、少し慎重になるデータが揃っているように感じています。

また、調べているうちに「マイルチャンピオンシップ南部杯」という別のレースの情報と混ざってしまい、正しいデータが分からなくなってしまうこともありますよね。これはJRAの芝のG1の成績を見たいときに、地方のダート戦のデータが混じってしまうという、分析する上で非常に厄介な問題です。

この記事では、JRAのG1「マイルチャンピオンシップ」に絞って、ルメール騎手の近年の成績を徹底的に振り返ります。なぜ彼が1番人気で苦戦するのか、その敗因とコース特性、そして2025年の展望まで、一緒に整理していきましょう。

  • ルメール騎手がマイルCSで1番人気を裏切る理由
  • 「南部杯」と「マイルCS」の決定的な違い
  • ブレイディヴェーグやシュネルマイスターの具体的な敗因
  • 2025年の騎乗馬に関する最新の動向
目次

ルメールのマイルチャンピオンシップ成績と「1番人気のワナ」

まずは「ルメール騎手とマイルチャンピオンシップ」の基本的なデータを整理するところから始めましょう。世間のイメージと実際の成績には、少しギャップがあるかもしれません。特に「1番人気」での成績は、馬券を考える上で非常に重要なポイントになりますね。彼がG1で絶大な信頼を集める騎手であることは間違いない事実ですが、このレースとの相性はどうなのでしょうか。

注意:マイルCS南部杯との違い

まず、分析の前に最も重要な注意点があります。データを調べる際、多くの人が「マイルチャンピオンシップ(G1)」と「マイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn1)」を混同してしまいがちです。

これは、競馬ファンとして、またデータを扱う上で、絶対に間違えてはいけないポイントだと私は思っています。名前が似ているため検索結果で混在しやすいのですが、この2つは全くの別物です。

【最重要】この2つは全く別のレースです

本記事の分析対象(JRA・G1)

本記事の分析対象「外」(地方・Jpn1)

  • 正式名称: マイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn1)
  • 主催: 地方競馬(岩手県競馬組合)
  • 開催場所: 盛岡競馬場 (ダート 1600m)
  • 概要: 地方競馬のダートマイル王決定戦

検索すると出てくる「生涯勝率.190」といった地方競馬の成績や、南部杯での成績(3着、6着など)は、JRAの芝G1であるマイルCSとは一切関係ありません。この記事では、皆さんが本当に知りたいJRAのG1(京都・芝1600m)の成績にのみ焦点を当てていきますね。

近年の騎乗成績一覧と勝率

それでは、ルメール騎手がJRAの通年免許を取得した2015年以降の、マイルチャンピオンシップ(G1)における「全騎乗成績」を見てみましょう。「近年の主要なレース」だけを切り取るのではなく、人気薄での騎乗も含めた全データを一覧にすることで、より正確な傾向が掴めると思います。

この一覧こそが、彼のマイルCSにおけるパフォーマンスを分析するための「完全なデータベース」となります。

開催年 騎乗馬 性齢 人気 着順 タイム 着差 調教師 馬場 備考
2024年 ブレイディヴェーグ 牝4 1番人気 4着 1:32.4 ハナ [美]宮田敬介 京都開催
2023年 (騎乗なし)
2022年 シュネルマイスター 牡4 1番人気 5着 1:33.0 0.5 [美]手塚貴久 阪神開催
2021年 グランアレグリア 牝5 1番人気 1着 1:32.6 [美]藤沢和雄 阪神開催 / 連覇
2020年 グランアレグリア 牝4 1番人気 1着 1:32.0 [美]藤沢和雄 阪神開催 / 1500勝
2019年 ディアトニック 牡4 5番人気 5着 1:33.4 0.4 [栗]安田隆行 京都開催
2018年 アルアイン 牡4 3番人気 3着 1:33.4 0.1 [栗]池江泰寿 京都開催
2017年 イスラボニータ 牡6 2番人気 5着 1:34.1 0.3 [美]栗田博憲 稍重 京都開催
2016年 イスラボニータ 牡5 3番人気 2着 1:33.2 0.1 [美]栗田博憲 京都開催
2015年 フィエロ 牡6 2番人気 6着 1:33.1 0.3 [栗]藤原英昭 京都開催

(※2020年~2022年は京都競馬場改修のため阪神競馬場での開催です)

この「2015年~2024年の全9騎乗」の通算成績を集計すると、【2-1-1-5】(2勝、2着1回、3着1回、4着以下5回)となります。

このデータから、より深く、重要な傾向が見えてきます。

ルメール騎手 マイルCS(G1) 通算成績 (2015-2024)

  • 通算成績 (9回騎乗): 【2-1-1-5】
  • 勝率: 22.2%
  • 連対率 (2着以内): 33.3%
  • 複勝率 (3着以内): 44.4%

この数字を見てどう感じるでしょうか? G1での圧倒的な存在感を誇るルメール騎手としては、「勝率22.2%」「複勝率44.4%」という数字は、世間のイメージほど「絶対的」ではないことが分かります。

特に注目すべきは、彼が騎乗した9回のうち8回までが「3番人気以内」の上位人気馬であったという事実です(唯一の例外は2019年ディアトニックの5番人気)。

「G1でルメールが乗る=鉄板」というイメージで彼の馬券を買うファンが多い中で、このマイルCSという舞台においては、その信頼に応えられていないケースが半分以上ある、というのがデータ上の真実ですね。

そして、この分析をさらに一歩進めると、次章で解説する「1番人気のワナ」という、さらに深刻なデータに繋がっていきます。

1番人気で成績が悪い理由

注目すべきは、グランアレグリア「以外」の馬で1番人気に騎乗したケースです。その2回(2022年、2024年)は、どちらも馬券圏外に敗れています。

「1番人気」のパフォーマンス

  • 2024年 ブレイディヴェーグ: 1番人気 → 4着
  • 2022年 シュネルマイスター: 1番人気 → 5着
  • 2021年 グランアレグリア: 1番人気 → 1着
  • 2020年 グランアレグリア: 1番人気 → 1着

このデータが示しているのは、「ルメール騎手が乗るG1の1番人気は鉄板」という考えが、少なくともマイルCS(G1)においては危険かもしれない、ということです。

競馬界には「ルメール・バフ(Lemaire Buff)」という言葉があるかは分かりませんが(笑)、要はルメール騎手が騎乗するというだけで、馬の実力以上に人気が先行してしまう「過剰人気」の状態が、このレースでは特に起こりやすいのではないか、と私は分析しています。

彼のネームバリューとG1での圧倒的な実績が、馬の適性やコンディションに対する冷静な評価を上回ってしまい、オッズに必要以上の期待が乗ってしまう。それが、近年のマイルCSで起きている現象かもしれません。

2024年ブレイディヴェーグの敗因

記憶に新しい2024年のブレイディヴェーグ(1番人気・4着)は、まさにその「過剰人気」の典型だったかもしれません。

この馬は前年にエリザベス女王杯(芝2200m)を勝っており、マイルCSが初のマイル挑戦(芝1600m)でした。この「中距離からの大幅な距離短縮」というローテーション自体が、大きな不安要素だったわけです。

レース後、ルメール騎手は敗因として以下の2点を挙げています。

  • 「初めてで(マイルに)慣れていなかった」
  • 「内側の馬場が悪くて反応が遅かった」

特に「反応が遅かった」というコメントが、私にはとても重要に聞こえます。

後ほどコース特性でも触れますが、マイルCSが行われる京都芝1600m(外回り)は、後半の「末脚(キレ)」が非常に重要になるコースです。中距離を主戦場としてきたブレイディヴェーグには、本質的にマイルG1で求められる瞬発力(キレ)が不足していた…。

馬場や枠(1枠2番)の影響もあったでしょうが、それ以上に「適性不足」の馬が、ルメール騎手騎乗という理由で1番人気に支持されてしまった、というのが私の見立てです。

2022年シュネルマイスターの敗因

一方で、2022年のシュネルマイスター(1番人気・5着)は、ブレイディヴェーグとは少し敗因が異なるように思います。この馬はG1・安田記念で2着、マイルCSでも前年2着と、マイル適性自体は十分すぎるほどの実績馬でしたからね。

ルメール騎手のコメントを見ると、この時は複数の「不運」が重なったことが分かります。レースは思い通りにいかないことの連続ですが、この時は特にそれが顕著でした。

シュネルマイスター(2022年)の不運

  • ゲートでの問題: 「凄くエキサイトして、立ち上がっていました」(スタートで出遅れ、後方からの競馬を余儀なくされました)
  • 道中での不利: 「すぐにソーヴァリアントとコンタクト(接触)がありました」(リズムを崩す物理的な不利です)
  • 勝負所での不利: 「最終コーナーで滑ってまた手応えが悪くなりましたね」(加速したい場面での致命的なアクシデントです)

2024年が「適性」という内的要因だったのに対し、2022年は「ゲート」「接触」「スリップ」という、騎手の技術だけではどうにもならない外的な要因(バッドラック)が重なってしまった敗戦だったと言えそうです。実力を出し切れないまま終わってしまった、非常に悔やまれるレースでした。

グランアレグリアでの圧巻の連覇

もちろん、ルメール騎手のマイルCSといえば、この馬を抜きには語れません。2020年と2021年のグランアレグリアによる連覇です。

特に2020年の勝利は、ルメール騎手にとってJRA通算1500勝という大きな節目になりました。しかも、武豊騎手の記録(7875戦)を大幅に更新する「史上最少騎乗回数(7048戦目)」での達成という、とんでもない金字塔でしたね。この記録がいかに凄いかは、競馬ファンならずとも想像がつくかと思います。

この連覇は、当時のマイル路線で「絶対的な能力(特にキレる末脚)」を持っていたグランアレグリアに、ルメール騎手が完璧に騎乗した、まさに「人馬一体」の結果だったと思います。

しかし、この強烈な成功体験が、逆に「ルメール=マイルCSも鉄板」というイメージをファンに強く植え付け、後の「過剰人気」を生み出す一因になった可能性も否定できないかな、と私は考えています。

ルメールのマイルチャンピオンシップ成績から読む2025年展望

過去の成績と敗因を整理したところで、ここからは「なぜルメール騎手はマイルCSで苦戦する傾向があるのか」、その本質的な理由と、来たる2025年の展望について考えていきましょう。過去のデータは未来を予測するための重要なヒントになりますからね。

騎乗成績が悪いのはなぜか?

「成績が悪い」と断言するよりは、前章の全成績一覧が示す通り、「G1での彼への期待値に比べ、成績にムラがある」という表現が正しいかなと思います。では、なぜムラがあるのか。その最大の理由は、レースの舞台となる「京都芝1600m(外回り)」というコースの特殊性が、彼の最大の武器を封じてしまうことにある、と私は考えています。

ルメール騎手の真骨頂、彼の「神騎乗」と言われるレースを思い浮かべてみてください。それは単に馬の能力を引き出すだけでなく、馬群の中で完璧に折り合いをつけ、ペースを読み、最短距離で末脚を引き出す、非常に高度な「レースマネジメント」にあると思います。彼は馬の能力を100%引き出すことにかけては天才的ですよね。

ルメール騎手の「技術」が発揮しにくい舞台

彼の技術とは、例えば「馬をリラックスさせてスタミナを温存する『折り合い』の技術」や、「馬群の中で一切ロスなく運び、勝負所で最適な進路を見つける『ポジショニング』の技術」です。これらは、ペースの駆け引きが複雑になったり、タフな流れになったりするレース(例えば天皇賞・秋やジャパンカップなど)でこそ、絶大な効果を発揮します。

しかし、前項で分析した通り、京都芝1600m(外回り)は、そのコース特性(3角手前の登り坂)から、どうしてもスローペースからの「よーいドン(瞬発力勝負)」になりやすいんです。

なぜルメール騎手の「技術介入」が効きにくいのか?

私の仮説はこうです。

  1. 「折り合い」の優位性が薄れる レースのペースが全体的に遅くなり、全馬が楽に追走できる展開になると、「馬をリラックスさせる」というルメール騎手の高度な技術的優位性が、相対的に薄れてしまいます。
  2. 「ポジショニング」の重要度が下がる スローからの瞬発力勝負は、言わば「全馬が脚を溜めた状態」でのスタートです。そうなると、道中の複雑な駆け引きや「どこで1馬身得したか」というポジショニングの妙技よりも、純粋に「その馬が持つ瞬発力(キレ)の絶対値」が、勝敗を分ける比重が高くなります。

つまり、このコースは騎手の「技術介入」によって、馬の能力(特にスタミナや持続力)を底上げして勝たせる、という「ルメール・マジック」が発動しにくい、非常に「馬の素質(キレ)」に依存する舞台なのではないか、ということです。

「馬の絶対能力」が結果に直結する

この仮説が、彼の過去の成績の「ムラ」を明確に説明してくれます。

  • 2020年・2021年 (グランアレグリア)


    この馬は、当時のマイル路線で「絶対的なキレ」を持っていました。ルメール騎手の仕事は、その能力を100%引き出すこと。京都の「キレ勝負」という土俵において、彼は最強の武器(馬)を持っていたため、完璧にエスコートして圧勝できました。
  • 2024年 (ブレイディヴェーグ)


    逆にこの馬は、中距離馬で「キレ」に本質的な疑問符がついていました。「京都のキレ勝負」という土俵において、武器を持たない状態で戦うことになりました。たとえルメール騎手が完璧に乗っても、「反応が遅れ」てしまい、「キレ負け」するのは必然だったとも言えます。

つまり、ルメール騎手にとってマイルCSは、「技術で勝たせるのがJRAの他のG1レースに比べて最も難しいレースの一つ」であり、騎乗馬の「絶対的なキレ」に大きく依存するレースなのではないか、というのが私の分析です。

京都芝1600mと「キレ」の重要性

その「京都芝1600m(外回り)」のコース特性について、ここがこの記事で最も重要な分析ポイントかもしれません。なぜルメール騎手が苦戦するのか、その答えはほぼ全て、このコースの「特殊性」にあると私は考えています。

「同じマイルG1なんだから、安田記念(東京)と何が違うの?」と思うかもしれませんが、この2つは全く異なる能力が問われるレースです。その「京都の特殊性」を掘り下げてみましょう。

特徴1:3コーナー手前の「登り坂」がペースを殺す

京都芝1600m(外回り)の最大の特徴は、スタート後のバックストレッチから3コーナー手前にかけて、緩やかに登り坂が続くことです。G1レースで序盤に登り坂があれば、どの騎手も「ここで無駄なスタミナを使いたくない」という心理が働き、自然とペースが落ち着きます。

結果として、前半の800mが非常にゆっくり流れる「スローペース傾向」が、このコースの絶対的なセオリーとなっています。馬群が凝縮し、全馬が脚を溜めたまま勝負所を迎えることになるんですね。

特徴2:勝負は「下り坂」から。問われるのは「瞬発力(キレ)」のみ

スローペースで脚が溜まった全馬は、3コーナーの頂上を越えると、今度は4コーナーにかけて一転して下り坂になります。これが「よーいドン」の合図です。

この下り坂で一気にペースが上がり、最後の直線は「どれだけ速いトップスピードを出せるか」ではなく、「どれだけ一瞬でトップスピードに入れるか」という瞬発力(キレ)の勝負になります。2024年のブレイディヴェーグがルメール騎手に「反応が遅かった」と言われたのは、まさにこの「キレ負け」を意味しています。

特徴3:遅い「決着時計」が瞬発力勝負の証拠

このレースはG1にもかかわらず、1分33秒台の決着も珍しくありません。これは、前半がスローなために起こる現象で、馬の能力が低いわけではなく、レースの質が「瞬発力特化型」であることの何よりの証拠です。

【重要】主要マイルG1 コース比較

「京都」がいかに特殊か、JRAの他の主要マイルG1(東京)と比較すると一目瞭然です。

レース名 競馬場・コース コースの特徴 求められる適性
マイルCS 京都・芝1600m(外) 3角手前から登り坂。 → ペースが緩みやすい。 → 下り坂から一斉に加速。 瞬発力(キレ) (静から動へのギアチェンジ能力)
安田記念 ヴィクトリアマイル 東京・芝1600m スタートから3角まで平坦で流れる。 → ペースが緩みなく続く。 → 長い直線で持続力勝負。 持続力(追走力) (速いペースを維持し続けるスタミナ)

このように、東京コースが「速いペースをどれだけ長く維持できるか」という持続力(スタミナ)勝負になりやすいのに対し、京都コースは「遅いペースからどれだけ速く加速できるか」という、全く別種の「キレ」が問われるんです。

この「キレ勝負」になりやすいという唯一無二の特性こそが、ルメール騎手の成績のムラを裏付けている最大の要因だと私は結論付けています。彼が乗る馬が、この特殊な「京都のキレ」を持っているかどうか。それを見極めることが、マイルCS攻略の第一歩ですね。

2025年の騎乗予定馬は?

さて、2025年11月23日に開催予定のマイルチャンピオンシップですが、11月11日現在の情報によれば、ルメール騎手の騎乗予定は「なし」となっています。

G1レースの有力馬の鞍上は、数週間前には内定しているのが普通です。それにもかかわらず、JRAを代表するトップジョッキーの予定が「空白」となっている。これは、実は非常に「異例の事態」だと私は感じています。

なぜなら、今のルメール騎手のパフォーマンスは、まさにキャリアの絶頂期にあるからです。

絶好調のルメール騎手と「空白の鞍上」

ご存知の通り、今年の秋のG1戦線におけるルメール騎手は「無双」と評されるほどの活躍を見せています。例えば、直前のエリザベス女王杯ではステレンボッシュと共にJRAタイ記録となるG1・4連勝に挑む(※記事執筆時点)など、本人も「全てがかみ合っている」と語るほどの絶好調期を迎えています。

これほどまでに「乗れている」騎手を、有力馬の陣営が放っておくはずがありません。通常であれば、マイルCSの有力馬の鞍上には真っ先に彼の名前が挙がり、オファーが殺到するはずです。

この「絶好調のルメール騎手」が、マイルCSの有力馬の鞍上に現時点で決まっていないこと。これ自体が、2025年のレースを読み解く上で最大の不確定要素であり、最大の焦点となりそうです。

有力馬の動向と残された選択肢

では、水面下では何が起きているのでしょうか。他の有力馬の動向を見てみると、その「異例の事態」の理由が少し見えてきます。

2025年マイルCS 主な出走予定馬の動向(11/11時点)

  • ソウルラッシュ: C.デムーロ騎手 騎乗予定(前年の覇者だが、ルメール騎手の手綱ではない)
  • アドマイヤズーム: 回避(有力なお手馬だったが、怪我で登録見送り)
  • ジャンタルマンタル: 鞍上未定
  • ドックランズ: 鞍上未定
  • エコロヴァルツ: 鞍上未定
  • カンチェンジュンガ: 藤岡騎手 予定

このリストが示すように、ルメール騎手が「乗れたはず」の有力馬が、既に他の騎手で埋まっていたり(ソウルラッシュ)、レース自体から離脱してしまったり(アドマイヤズーム)しているのです。

これが、彼が「最強の騎手」でありながら「最強の相棒」を(現時点では)失っているという稀な状況を生み出している原因ですね。この「なぜ彼のお手馬が消えてしまったのか」という具体的な理由は、次のセクションで詳しく見ていきましょう。

残された「鞍上未定」の馬から彼が新たな相棒を見つけるのか、それともこのコースの特性(キレ勝負)を考慮して、あえて「勝てる見込みのある馬」に絞った結果、騎乗馬がいないという選択になったのか…。レース当日まで、彼の動向から目が離せません。

アドマイヤズーム回避の影響

ルメール騎手が騎乗する可能性があった有力な選択肢の一つが、スワンSからの巻き返しが期待されたアドマイヤズームでした。

しかし、11月9日の情報で「歩様に硬さが出た」ため、陣営は大事を取ってマイルCSの登録を見送り、放牧に出すことを決定しました。

これにより、ルメール騎手のお手馬が一つ消滅してしまったのは、彼にとっても痛手かもしれませんし、我々ファンにとっても彼の選択肢が狭まったことを意味します。

ソウルラッシュはデムーロ騎手

では、他の有力馬はどうかというと、2024年の覇者(当時は団野騎手)であるソウルラッシュも、もちろん有力候補です。昨年の勝ち馬ですから、当然マークが必要です。

しかし、関係者情報によれば、今回はドバイでの勝利に導いたクリスチャン・デムーロ騎手が鞍上に戻る予定と報じられています。

他にも出走予定馬としては、ジャンタルマ ンタル、ドックランズ、エコロヴァルツ、カンチェンジュンガ(藤岡騎手予定)などがリストアップされていますが、いずれもルメール騎手騎乗の確報はありません。(2025年11月11日現在)

彼がこのまま有力馬に乗れないのか、それとも実績がやや劣る馬を選んで「技術で勝たせ」にくるのか。彼の最終的な選択が、レースのオッズと展開を左右する最大の焦点となります。

ルメールのマイルチャンピオンシップ成績の正しい見方

ここまで分析してきた内容を総括して、私なりの「ルメールのマイルチャンピオンシップ成績の正しい見方」をまとめてみたいと思います。馬券検討の際、少しでも参考になれば嬉しいです。

【結論】マイルCSにおけるルメール騎手の評価

1. 「ルメールの1番人気」のワナを疑う まず、「ルメール騎手が騎乗する1番人気」という理由だけで無条件に信頼するのは非常に危険です。2022年、2024年の連続敗退が示す通り、それは「過剰人気」のワナである可能性を常に疑うべきです。彼が乗るからといって、適性を無視してはいけません。

2. 問われるのは「絶対的な末脚(キレ)」 彼がこのレースで勝利するためには、グランアレグリア級の「絶対的な末脚(キレ)」を持つ馬が必要です。京都芝1600m(外回り)は、中途半端な適性の馬を騎手の技術だけでカバーするのが困難なコースです。馬券を考える際は、ルメール騎手に加え、その馬が「京都のキレ勝負」に対応できるかを最優先で見極める必要があると私は思います。

3. 2025年の焦点は「どの馬に乗るか」 2025年については、ルメール騎手自身は絶好調でありながら、有力なお手馬が不在という異例の状況です。彼が最終的にどの馬の鞍上に収まるのか、あるいは有力馬に乗れないままレースを迎えるのか。その動向こそが、今年のマイルCSの行方を占う最大の鍵となりそうですね。

馬券の購入に関するご注意

この記事は、特定の騎手や競走馬の成績に関する情報提供と、私個人の見解をまとめたものです。馬券の購入を推奨するものではありません。

競馬はあくまでギャンブルであり、不確定要素が非常に多いものです。馬券の購入は、ご自身の判断と責任において、無理のない範囲でお楽しみください。最終的なご判断は、レース直前の情報なども含めてご自身で行ってください。

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