「名馬 二つ名」というキーワードで検索されたあなたは、競馬史を彩った伝説の馬たちが持つ、かっこいい二つ名や競馬の異名の一覧に関心がおありでしょう。シンザンの二つ名のような神話的な称号から、競馬の二つ名で最近注目を集める馬たち、例えば「イクイノックスは天才、なぜ?」とその理由が探られるような存在まで、その由来は多岐にわたります。
ドウデュースの二つ名、アーモンドアイの二つ名、そしてコントレイルの二つ名など、記憶に新しいスターたちの称号。一方で、ゴールドシップの競馬での個性的な二つ名や、競馬の二つ名でツインターボのような強烈な印象を残した馬もいます。特に、天才の一撃と称賛された競馬の二つ名を持つイクイノックスのように、競走馬のかっこいい異名はファンの心を掴んで離しません。この記事では、そうした名馬たちの二つ名の一覧を背景と共に詳しく解説していきます。
- 伝説的な名馬たちの二つ名の由来が分かる
- 最近のスターホースの二つ名の傾向が分かる
- かっこいい異名や個性的な異名の具体例が分かる
- 二つ名が競馬文化に与える影響が分かる
心を掴む名馬 二つ名とは
- 競走馬のかっこいい二つ名と競馬の異名
- 競馬の二つ名と異名の一覧
- 伝説の始まりシンザンの二つ名
- 競馬ファンを魅了 ゴールドシップの二つ名
- 個性派の競馬の二つ名 ツインターボ

競走馬のかっこいい二つ名と競馬の異名
競走馬に与えられる「二つ名」や「異名」は、単なるニックネームの域を遥かに超え、その馬の個性、強さ、そして活躍した時代の背景までも鮮やかに映し出す鏡のような存在です。特に競馬ファンが心を揺さぶられ、「かっこいい」と感じる二つ名には、いくつかの共通するパターンが存在します。それは、馬が持つ本質的な魅力や、ターフで見せた伝説的なパフォーマンスが、時代を象徴する言葉と結びついたときに生まれるものです。
まず挙げられるのは、絶対的な支配力や他を寄せ付けない権威を感じさせる称号です。この代表格が、史上初の無敗クラシック三冠を達成したシンボリルドルフの「皇帝」でしょう。その名は神聖ローマ皇帝に由来しており、レースで見せるいかなる展開にも動じない完璧なレース運びと威厳に満ちた姿は、まさにターフに君臨する絶対君主そのものでした。また、2000年に年間無敗のグランドスラムという偉業を成し遂げたテイエムオペラオーの「世紀末覇王」も同様です。これは20世紀末という時代背景と、彼の圧倒的な強さが融合し、一つの時代を完全に支配した強者というイメージを強く喚起させます。
次に、馬自身の突出した能力、特にスピードを端的に表現した二つ名も人気を集めます。アグネスタキオンの「音速の貴公子」は、「貴公子」という優雅な響きと、「音速」という彼の本質であった常識外れのスピードを見事に組み合わせています。わずか4戦でターフを去ったことも、その伝説性を一層高めました。この系統で言えば、サイレンススズカの「異次元の逃亡者」も忘れてはいけません。後続を置き去りにして別次元の速さで逃げ続ける姿は、まさに他の馬とは違う次元で走っているかのようでした。
他にも、馬の外見的な特徴と内面的な気迫が融合した異名があります。一切の無駄な色がない漆黒の馬体と、パドックで見せる「肉食恐竜のよう」とまで評された威圧的な雰囲気から「漆黒の豪傑」と呼ばれたシンボリクリスエスはその好例です。さらに、オグリキャップの「芦毛の怪物」もこの分類に入るかもしれません。見る者を惹きつける美しい芦毛の馬体と、地方競馬から中央のエリートたちを次々と打ち破っていく怪物的な強さ。この対比が多くの人々を熱狂させました。
一方で、詩的であったり、神話的であったりするロマンチックな表現も、ファンの心を掴みます。トウショウボーイの「天馬」は、その躍動感あふれる走りが、あたかも地面を蹴らずに空を飛んでいるようだと評されたことに由来します。また、オルフェーヴルの「金色の暴君」も秀逸です。フランス語で「金細工師」を意味する美しい栗毛の馬体と、時に常軌を逸した行動を見せる激しい気性(暴君)。この光と影の二面性を完璧に表現しています。
かっこいい二つ名が生まれる背景
- 権威と支配:「皇帝」や「世紀末覇王」のように、他を寄せ付けない絶対的な強さを示す。
- 圧倒的能力:「音速の貴公子」や「異次元の逃亡者」など、特定の能力が突出していることを示す。
- 外見と内面:「漆黒の豪傑」や「芦毛の怪物」のように、馬体や雰囲気と強さが結びついたもの。
- 詩的な二面性:「天馬」や「金色の暴君」など、ロマンや物語性を感じさせる表現。
このように、かっこいい二つ名は、その馬の競走成績だけではなく、見た目、走り方、気性、そして時代性といった様々な要素が複雑に絡み合って生まれる文化的産物です。だからこそ、二つ名は馬の伝説性を高め、ファンがより深く感情移入するための重要な鍵となっているのです。

競馬の二つ名と異名の一覧
競馬の歴史を通じて、数多くの名馬たちがその走りと個性に応じた二つ名で呼ばれてきました。ここでは、時代を象徴する代表的な名馬たちの二つ名と、その簡単な由来を一覧表で紹介します。
時代ごとに二つ名の傾向が少しずつ異なっている点にも注目です。昭和は神話的・詩的な表現が多く、平成は多様化・大衆化し、令和はグローバルな評価が反映される傾向にあります。
| 時代 | 馬名 | 主な二つ名・異名 | 由来・概要 |
|---|---|---|---|
| 昭和 | シンザン | 神馬(しんめ)、ナタの切れ味 | 史上2頭目の三冠馬であり、五冠を達成。長寿でもあり神格化された。 |
| 昭和 | トウショウボーイ | 天馬 | 空を飛ぶかのような躍動的な走りから。テンポイント、グリーングラスと「TTG時代」を築いた。 |
| 昭和 | シンボリルドルフ | 皇帝、七冠馬 | 史上初の無敗クラシック三冠を達成。その絶対的な強さと威厳から。 |
| 昭和 | オグリキャップ | 芦毛の怪物、アイドルホース | 地方から中央を席巻した強さと、社会現象を巻き起こした人気から。 |
| 平成 | トウカイテイオー | 帝王、奇跡の名馬 | 父「皇帝」から「帝王」。度重なる骨折を乗り越え、有馬記念で奇跡の復活を果たした。 |
| 平成 | ナリタブライアン | シャドーロールの怪物 | トレードマークの馬具と、他馬を圧倒する破壊的な強さから。 |
| 平成 | サイレンススズカ | 異次元の逃亡者 | 他馬とは別次元のスピードで大逃げを打つレーススタイルから。 |
| 平成 | テイエムオペラオー | 世紀末覇王 | 2000年(世紀末)に、古馬中長距離G1完全制覇を含む年間無敗を達成したため。 |
| 平成 | ディープインパクト | 英雄(ヒーロー) | 武豊騎手が「飛ぶようだった」と評した走りで、閉塞感を打ち破るヒーローとなった。 |
| 平成 | オルフェーヴル | 金色の暴君 | 美しい栗毛(金色)と、時に見せる激しい気性(暴君)の二面性から。 |
| 平成 | ゴールドシップ | 破天荒、黄金の船 | G1・6勝の実力と、気分次第で大敗する予測不可能な個性から。 |
| 令和 | アーモンドアイ | 9冠女王 | JRA史上最多となる芝G1・9勝という金字塔を打ち立てたことから。 |
| 令和 | コントレイル | 無敗の三冠馬、空に描く軌跡 | 父ディープインパクト以来となる無敗でのクラシック三冠達成。「飛行機雲」の馬名から。 |
| 令和 | イクイノックス | 世界最強馬 | 国際的なレースホースランキングで世界1位の評価を確立したため。 |
豆知識:二つ名の命名者
二つ名は、特定の誰かが公式に命名するものではありません。多くの場合、スポーツ新聞の記者や競馬実況のアナウンサーが使用したキャッチコピーが、ファンの間で定着していくことで生まれます。中には、騎手や調教師の言葉がそのまま二つ名になるケースもあります。

伝説の始まりシンザンの二つ名
日本競馬史において、「伝説」という言葉を語る上で欠かせない存在がシンザンです。彼に与えられた「神馬(しんめ)」という二つ名は、他の名馬たちとは一線を画す、特別な響きを持っています。
この究極の尊称は、単に彼が1964年に史上2頭目のクラシック三冠馬となり、さらに天皇賞(秋)、有馬記念を制して「五冠馬」という言葉を生み出した偉業だけによるものではありません。
「神馬」と呼ばれる理由
シンザンが「神馬」と呼ばれるに至った背景には、複数の要因が絡み合っています。
- 圧倒的な競走成績:五冠達成という、当時の常識を遥かに超えたパフォーマンス。
- 後世への影響力:種牡馬としてミホシンザンなどを輩出し、内国産種牡馬の地位を向上させた功績。
- 驚異的な長寿:サラブレッドとしては異例の35歳という長寿を全うしたこと。
これら全てが規格外であったため、彼は単なる名馬を超えた神格化された存在となりました。
また、シンザンには「ナタの切れ味」という独特の二つ名もあります。これは、名伯楽・武田文吾調教師が、同厩舎の二冠馬コダマの瞬発力を「カミソリの切れ味」と評したのに対し、シンザンの力強く確実に相手を捉える末脚を「ナタの切れ味」と表現したことに由来します。どんな展開でも頼りになる、絶対的な信頼感を伴った力強さの象徴でした。
シンザン鉄の逸話
シンザンは後肢の踏み込みが強すぎるあまり、前脚の蹄を傷つけてしまう(追突)という弱点を抱えていました。これを克服するために開発されたのが、蹄の後部を保護する特殊な蹄鉄「シンザン鉄」です。この逸話もまた、彼の並外れた能力を物語っています。

競馬ファンを魅了 ゴールドシップの二つ名
G1レースを6勝という輝かしい実績は、それだけで「名馬」の証です。しかし、ゴールドシップという馬を語る上で、勝利の数だけでは全く不十分と言えます。彼を競馬史において唯一無二の存在たらしめているのは、その極端な二面性、まさに「破天荒」という二つ名そのものでした。
彼の代名詞となった「破天荒」は、彼が持つ圧倒的な実力と、その一方で気分次第で全く走らないという究極の気まぐれさを完璧に表現しています。
「強」と「奇」の二面性
まず「強」の部分ですが、皐月賞や菊花賞のクラシック二冠、さらには有馬記念(2012年)を制覇しています。特に、スタミナが問われる長距離戦や、力のいる道悪(馬場状態が悪いこと)での強さは圧巻でした。得意とした阪神競馬場の宝塚記念を2013年、2014年と連覇した姿は、まさに「黄金の船」という馬名にふさわしい、ファンの夢を乗せた力強い走りです。
しかし、ファンが熱狂したのは、この「絶対的な強さ」と同じだけ、あるいはそれ以上に、彼の「予測不可能性」、すなわち「奇」の部分でした。普通の馬ならあり得ないような位置から勝利することもあれば、スタート地点でレースを終えてしまうこともあったのです。
ゴールドシップの「破天荒」劇場
彼の魅力は、レースのたびに「今日はどちらのゴールドシップか」とファンをハラハラさせる点にありました。
- 「神」の日:圧倒的なスタミナとパワーで、他馬が止まって見えるかのような「ワープ」と称される走りでG1を勝利する。
- 「凡」の日:スタートで出遅れる、あるいはゲート内で立ち上がり、レースに参加すらしない。
伝説の宝塚記念(2015年)
彼の「破天荒」ぶりが最も発揮され、競馬史に残る事件となったのが、三連覇がかかった2015年の宝塚記念です。ファン投票1位の圧倒的な支持を集めていましたが、ゲートが開いた瞬間、ゴールドシップはゲート内で大きく立ち上がり、スタートを拒否しました。他の馬が走り出すのを悠然と見送るかのような姿に、競馬場は悲鳴に包まれます。
この歴史的な大出遅れ(結果は15着)により、当時の金額で約120億円分もの馬券が紙くずとなりました。
「破天荒」は一度だけではない
この事件はあまりにも有名ですが、彼の「伝説」はこれだけではありません。例えば、同じく2015年の天皇賞(春)では、スタートで大きく出遅れた上に、レース中盤で走るのをやめるかのように失速。誰もが故障かと思った矢先、再び猛然と走り出し、訳の分からない追い上げを見せて7着に入るなど、常人には理解不能な走りを見せています。
ファンを魅了した理由
結局のところ、レースのたびに「今日は走るのか、走らないのか」が最大の焦点となる馬は、後にも先にも彼だけでしょう。強さと脆さ、賢さと気難しさ。その全てを内包した「破天荒」という二つ名は、彼以外には誰も名乗ることのできない、唯一無二の称号です。ファンは彼にハラハラさせられ、時には怒り、それでも愛さずにはいられませんでした。ゴールドシップは、単なる競走馬を超えた、愛すべき時代の「主役」だったのです。

個性派の競馬の二つ名 ツインターボ
強さだけが名馬の条件ではありません。その個性的なレーススタイルで、ファンの記憶に強烈な印象を刻み込んだ馬もいます。その代表格がツインターボです。
彼の戦法はただ一つ、「大逃げ」。スタートの瞬間から全力で後続を引き離し、そのままゴールまで逃げ切るという、非常に潔いスタイルでした。その極端な戦法から、彼は「最後の個性派」と呼ばれています。
なぜ「最後の」と付くのか。それは、現代競馬がより戦術的になり、彼のような極端な逃げ馬がG1戦線で活躍することが難しくなった時代に現れたためです。ファンは彼の走りに、古き良き時代のロマンを重ね合わせました。
ツインターボの伝説のレース
彼の「大逃げ劇場」が最も輝いたのが、1993年のオールカマー(G3)です。このレースには、天皇賞馬ライスシャワーやG1馬イクノディクタスなど、当代一流のメンバーが揃っていました。常識的に考えれば、ツインターボが逃げ切れるはずのない相手です。
しかし、彼はスタートからハイペースで飛ばし、一時は後続に10馬身以上の大差をつけます。直線に入ってもその脚色は衰えず、並み居る強豪たちに影すら踏ませない圧巻の逃げ切り勝ちを収めました。この勝利は、競馬というスポーツが持つ筋書きのないドラマとスペクタクルを体現したものとして、今なお語り継がれています。
勝つか、大敗するか。その分かりやすさと、全てを出し切る潔い走りが、多くのファンの心を掴んで離さない理由です。
最近の名馬 二つ名の潮流
- 最近の競馬の二つ名の特徴
- アーモンドアイの二つ名とコントレイルの二つ名
- 大舞台に強いドウデュースの二つ名
- 競馬の二つ名 イクイノックスは天才?なぜか
- 天才の一撃 イクイノックスの伝説
- 時代を映す名馬の二つ名まとめ

最近の競馬の二つ名の特徴
昭和、平成、そして令和と時代が移り変わるにつれて、名馬に与えられる二つ名の傾向にも変化が見られます。
昭和の「神馬」(シンザン)や「天馬」(トウショウボーイ)が、どこか神話的で詩的な響きを持っていたのに対し、平成では「世紀末覇王」(テイエムオペラオー)のように大衆文化の影響を受けたものや、「芦毛の怪物」(オグリキャップ)のようにキャラクター性を際立たせたものが増えました。
そして、最近の競馬の二つ名には、よりグローバルで客観的な評価を反映するという顕著な特徴があります。
潮流の変化の背景
この変化の背景には、日本競馬界全体のレベルアップがあります。日本の競走馬が海外のビッグレースで活躍することが当たり前になり、国際的な競走馬の格付け(ワールド・ベスト・レースホース・ランキングなど)が一般のファンにも広く認知されるようになりました。
そのため、国内のレース結果だけでなく、「世界の中でどれだけ強いか」という客観的な事実に基づいた二つ名が生まれやすくなっているのです。
例えば、イクイノックスの「世界最強馬」という二つ名は、まさにこの潮流を象徴しています。これは詩的なイメージではなく、彼が国際的なランキングで世界1位の評価を得たという「事実」に直接由来する称号です。このように、令和の二つ名は、国内のロマンだけでなく、世界基準の評価という新たな価値観を取り込んでいると言えます。

アーモンドアイの二つ名とコントレイルの二つ名
平成の終わりから令和にかけて、競馬史に輝かしい記録を打ち立てた2頭の名馬がいます。アーモンドアイとコントレイルです。彼らの二つ名もまた、その偉業を端的に表しています。
アーモンドアイ:「9冠女王」
アーモンドアイの二つ名は「9冠女王」です。これは、彼女が国内外で達成したJRA史上最多となる芝G1・9勝という、不滅の金字塔そのものを指しています。
牝馬三冠(桜花賞、オークス、秋華賞)を達成した後も、ジャパンカップ(2回)、ドバイターフ、天皇賞(秋)(2回)、ヴィクトリアマイルと、牡馬や海外の強豪を相手に次々とビッグタイトルを獲得しました。その圧倒的な実績が、そのまま彼女の二つ名として定着したのです。まさに記録ずくめの、偉大な女王でした。
コントレイル:「無敗の三冠馬」
コントレイルの二つ名は「無敗の三冠馬」です。2020年、彼は父であるディープインパクトでさえ成し遂げられなかった、デビューから無敗でのクラシック三冠(皐月賞、日本ダービー、菊花賞)という偉業を達成しました。
「コントレイル(Contrail)」という馬名は「飛行機雲」を意味します。その名の通り、まるで偉大な父ディープインパクトが空に描いた軌跡を追いかけるかのように、完璧な航跡で三冠を制覇しました。菊花賞のゴール後、鞍上の福永祐一騎手が見せた涙は、この偉業にかかる計り知れないプレッシャーと感動を物語っています。
この2頭の二つ名は、イクイノックスの「世界最強馬」と同様に、客観的な「記録」や「事実」に重きが置かれている点で、最近の二つ名の特徴を色濃く反映していると言えるでしょう。

大舞台に強いドウデュースの二つ名
競馬には、なぜか大舞台や重要なレースでこそ最高のパフォーマンスを発揮する、いわゆる「勝負強い」馬が存在します。2022年の日本ダービー馬、ドウデュースもその一頭です。
彼に付けられた二つ名は「千両役者」。これは、彼が朝日杯フューチュリティステークス(G1)、日本ダービー(G1)、そして有馬記念(G1)といった、競馬ファンが最も注目する大舞台でこそ輝きを放ってきたことに由来します。
名コンビ、武豊騎手との絆
ドウデュースの「千両役者」ぶりを語る上で欠かせないのが、名手・武豊騎手の存在です。武豊騎手は、ドウデュースがデビューする前からその才能を見抜き、コンビを組んできました。
特に2023年の有馬記念では、海外遠征からの凱旋レースで決して万全とは言えない状態の中、武豊騎手の完璧なエスコートに応えて見事に復活の勝利を飾りました。観客を最高に沸かせるこのコンビの姿は、まさに「千両役者」そのものと言えます。
普段のレースでは取りこぼすことがあっても、最も重要なレースで必ずファンの期待に応えてくれる。その勝負強さが、彼を特別な存在にしています。

競馬の二つ名 イクイノックスは天才?なぜか
近年、日本競馬界だけでなく、世界中の競馬ファンに衝撃を与えた馬がイクイノックスです。「天才」という言葉が、彼ほどふさわしい馬も珍しいでしょう。
彼が天才と呼ばれる理由は、単にG1を6連勝したから、というだけではありません。そのレース内容と、それによって得られた客観的な評価にあります。
イクイノックスの二つ名は「世界最強馬」です。これは、国際的な競走馬の格付けである「ロンジン・ワールド・ベスト・レースホース・ランキング」において、2022年(126ポンドでディープインパクトと並ぶ日本調教馬歴代1位タイ)、そして2023年(135ポンドで歴史的世界評価)と、2年連続で世界1位の評価を得たという事実に由来します。
なぜ天才と呼ばれるのか?
- 圧倒的なパフォーマンス:レースで見せる走りが、他の馬とは明らかに異次元でした。
- 客観的な世界一の評価:感覚的な「強さ」ではなく、データに基づいた「世界最強」の称号を得たこと。
- 完璧なレース運び:主戦のクリストフ・ルメール騎手が「パーフェクト」「弱点がない」と評するほどの完成度。
特に2023年のジャパンカップでは、三冠牝馬リバティアイランドとの壮絶な叩き合いを制し、自身の引退レースを世界レコード(当時)に迫るタイムで飾りました。その強さは、もはや詩的な表現を必要としない、事実としての「天才」であったと言えます。

天才の一撃 イクイノックスの伝説
前述の通り、イクイノックスが「天才」であり「世界最強馬」であることは、国際的な客観的評価によって証明されています。しかし、データやレーティングだけでは語り尽くせないのが、彼の「伝説」です。その伝説は、単一のレースではなく、見る者の常識を覆し続けた圧倒的なパフォーマンスの積み重ねによって築かれました。
彼のキャリアを象徴する「天才の一撃」と呼ぶべきレースは、一つではありません。ここでは、イクイノックスの伝説を確立した、特に衝撃的な3つのレースを時系列で振り返ります。
衝撃のドバイシーマクラシック(2023年)
彼の名を世界に轟かせた、まさに「天才の一撃」と呼ぶにふさわしいレースが、2023年3月のドバイシーマクラシック(G1)です。これが彼にとって初の海外遠征でした。
それまでのイクイノックスは、天皇賞(秋)や有馬記念で見せたように、中団から後方でレースを進め、直線で驚異的な末脚(上がりの速さ)を使って差し切るのが勝ちパターンでした。世界中の競馬関係者も、当然今回もその戦法をとると予想していました。
しかし、スタートが切られると、イクイノックスは誰も予想しなかった「逃げ」の戦法を選択します。世界の強豪たちを相手に、堂々と先頭に立ってレースを主導したのです。普通であれば、初の海外遠征、慣れない展開、そして有力馬たちからのプレッシャーで、最後の直線では脚が鈍るはずです。
異次元の圧勝劇
イクイノックスは違いました。最後の直線に入っても、鞍上のクリストフ・ルメール騎手は一度もムチを使うことなく、持ったままの手応えで後続との差を広げる一方でした。2着のウエストオーバー(のちに凱旋門賞馬となる実力馬)に3馬身半もの差をつける圧勝。まさに世界を震撼させた瞬間です。どんな展開でも、どんな相手でも、自分の能力を完璧以上に発揮できる。この衝撃的な勝利こそが、彼を「世界最強馬」の座へと押し上げた決定的なレースとなりました。
常識を破壊した天皇賞(秋)(2022年)
ドバイの「逃げ」が戦法の衝撃だとしたら、その半年前、2022年の天皇賞(秋)(G1)は、スピードの常識を破壊したレースでした。
このレースでは、大逃げを得意とするパンサラッサがハイペースで飛ばし、一時は1000m通過57秒4という超ハイペースで、後続に10馬身以上の大差をつけていました。イクイノックスは中団後方。通常、これほどの差がつけば、先行した馬がそのままゴールするのが競馬のセオリーです。
しかし、イクイノックスは最後の直線だけで、この絶望的な差をまるでワープするかのような末脚で猛追。ゴール直前でパンサラッサを捉えきり、1分57秒5という驚異的なタイムで勝利しました。これは、当時の芝2000mのJRAレコードに迫るものでした。この勝利は、彼の爆発的な加速力とスピードの持続力が「天才」的であることを証明しました。
伝説の集大成、ジャパンカップ(2023年)
そして、彼の伝説の集大成となったのが、引退レースとなった2023年のジャパンカップ(G1)です。このレースには、現役最強のイクイノックスに加え、この年の三冠牝馬(三冠を達成した牝馬)となったリバティアイランドという、もう一頭のスターホースが出走していました。
新旧王者対決
まさに「世界最強馬」と「次代の女王」が激突する、競馬史に残るドリームマッチでした。イクイノックスはここでも完璧なレース運びを見せ、直線では早めに先頭に立つと、追いすがるリバティアイランドを寄せ付けず、4馬身差の圧勝。自身の引退レースを、当時の芝2400mの世界レコードとなる2分20秒6というタイムで飾りました。
「逃げ」て圧勝し、「追い込ん」で常識を破り、そして最後は「横綱相撲」で次代の王者を完膚なきまでに退ける。イクイノックスの伝説は、その圧倒的な強さと、どんな状況にも対応できる万能性によって築かれたのです。

時代を映す名馬の二つ名まとめ
この記事では、競馬史を彩ってきた名馬たちの「二つ名」について、その由来や時代背景を掘り下げてきました。最後に、本記事の要点をリスト形式でまとめます。
- 名馬の二つ名は単なる愛称ではなく、その馬の物語や個性を凝縮した文化的記号である
- かっこいい二つ名は「皇帝」のように権威を示すものや、「音速の貴公子」のように能力と外見が融合したものが多い
- 昭和の二つ名は「神馬」シンザンのように神話的・詩的な表現が特徴
- 平成の二つ名は「世紀末覇王」のように大衆文化の影響や、「破天荒」ゴールドシップのようなキャラクター性が反映された
- 「最後の個性派」ツインターボのように、強さだけでなく個性的な戦法で愛された馬もいる
- 最近の二つ名はグローバルな評価や客観的なデータを反映する傾向が強い
- アーモンドアイの「9冠女王」は芝G1・9勝という客観的な記録に由来する
- コントレイルの「無敗の三冠馬」もまた、父ディープインパクト以来の無敗での三冠達成という事実に由来する
- ドウデュースの「千両役者」は、ダービーや有馬記念といった大舞台での勝負強さから名付けられた
- イクイノックスが天才と呼ばれる理由は、国際的なランキングで「世界最強馬」と客観的に評価されたためである
- イクイノックスの「天才の一撃」とは、特にドバイシーマクラシックで見せた衝撃的な逃げ切り勝ちを指す
- 競馬の二つ名や異名の一覧を辿ることは、そのまま日本競馬の歴史を振り返ることにも繋がる
- 二つ名は時代を映す鏡であり、その時代の競馬界の価値観を示している
- スポーツ新聞や実況アナウンサーのキャッチコピーが、ファンの間で定着し二つ名となることが多い
- 名馬の二つ名は、競馬ファンが馬に感情移入し、伝説を語り継いでいく上で重要な役割を果たしている
