大井競馬場の砂入れ替えによる影響|タイム・傾向の変化を解説

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大井競馬場の砂入れ替えによる影響について、具体的な情報を探していませんか?

2023年に行われた大井競馬場の改修以降、レースのタイムや傾向にどのような変化があったのか、多くの競馬ファンが注目しています。特に、大井競馬場の砂入れ替えがいつ実施され、導入された大井の白砂の特徴や、変更後の大井競馬の砂厚がどうレースに作用するのかは重要なポイントです。この変化は、先行して砂を入れ替えた船橋競馬場の影響や、独自の砂質を持つ川崎競馬場の砂の入れ替え事例と比較することで、より深く理解できます。

この記事では、大井競馬場の砂質や砂厚変更の詳細なデータから、他の競馬場との比較、さらには地方競馬の砂厚一覧まで、馬場状態を正確に把握するための情報を網羅的に解説します。砂の入れ替え後の大井競馬場の傾向を掴み、予想の精度を一段と高めていきましょう。

  • 大井競馬場の砂の入れ替えとコース改修の歴史
  • 新しい白砂がレースタイムや脚質傾向に与える具体的な影響
  • 南関東4競馬場(大井・川崎・船橋・浦和)の砂質・砂厚の比較
  • 今後の大井競馬を攻略するための馬券的アプローチ
目次

大井競馬場での砂入れ替えによる影響の基本

  • 大井競馬場の砂入れ替えはいつ行われたか
  • 入れ替え後の大井の白砂が持つ特徴と砂質
  • 大井競馬場の砂の入れ替えによるタイム変化
  • 砂の入れ替え後に見られるレース傾向とは
  • 大井競馬場の改修と同時に行われた砂厚変更

大井競馬場の砂入れ替えはいつ行われたか

結論から言うと、大井競馬場の大規模な砂の入れ替えは2023年10月6日から11月2日にかけて実施されました。これは、地方競馬の祭典であるJBC競走の開催に合わせたタイミングでの改修でした。

この入れ替えの目的は、主に2つあったと考えられています。

一つは、馬場の安全性の確保です。ダートコースの砂は、競走馬が繰り返し走行することで粒子が細かくなり、「シルト化」と呼ばれる現象が起きます。シルト化が進行すると、特に雨が降った際に水はけが悪化し、馬が脚を取られやすくなるなど、競走に危険が伴う状態になります。定期的なメンテナンスや入れ替えは、人馬の安全を守る上で不可欠な作業なのです。

もう一つの理由は、安定的な砂資源の確保です。これまで大井競馬場では青森県産の海砂を使用していましたが、良質な砂の安定供給が将来的な課題となる可能性がありました。そこで、長期的に安定供給が見込めるオーストラリア産の砂に切り替える決断がなされたという背景があります。

入れ替えのポイント

時期:2023年10月~11月(JBC開催前)
目的:安全性の確保と、砂資源の安定供給

このように、砂の入れ替えは単なるリフレッシュではなく、競馬開催の根幹を支える重要な改修事業として行われました。この変更が、後のレース展開に大きな影響を与えることになります。

入れ替え後の大井の白砂が持つ特徴と砂質

2023年の改修で大井競馬場に導入されたのは、オーストラリアの西オーストラリア州アルバニー産出の「珪砂(けいさ)」です。その名の通り、白く美しい見た目が特徴的な砂であり、いくつかの優れた特性を持っています。

高い排水性とクッション性

この白砂の最大のメリットは、非常に高い排水性にあります。砂の粒子が均一で硬く、壊れにくい(シルト化しにくい)性質を持っているため、雨が降っても水が溜まりにくく、馬場状態が急激に悪化することを防ぎます。これにより、天候に左右されにくい安定したレースコンディションの提供が可能になりました。

また、クッション性にも優れており、競走馬の脚部にかかる衝撃を和らげる効果が期待されています。これは、故障のリスクを軽減し、人馬の安全性を高める上で非常に重要な要素です。

ナイター競馬では、この白い砂が照明を反射してコースが以前より明るく見えるようになり、騎手や観客からの視認性も向上したと言われていますね。

物理的な特性

大井競馬場の公式サイトによると、この砂は粒の大きさが揃っており、角が丸みを帯びているとされています。これにより、砂が締まりすぎず、適度なクッション性を保つことができます。一方で、砂粒が硬いため、踏み固められた際の反発力も一定に保たれるという特徴も持ち合わせています。

これらの砂質が、後述する「時計のかかる馬場」へと繋がる大きな要因となっています。

豆知識:珪砂とは?

珪砂は、石英(クォーツ)という鉱物を主成分とする砂のことです。非常に硬く、化学的にも安定しているため、ガラスの原料や鋳物の型など、工業用にも幅広く利用されています。競馬場ではその物理的な安定性が評価され、採用されるケースが増えています。

大井競馬場の砂の入れ替えによるタイム変化

砂の入れ替え後、大井競馬場の時計は本当に遅くなったのでしょうか。そして、もしそうであれば、具体的にどのくらい変化したのか。これは、馬券を予想する上で最も核心的な情報の一つです。

このセクションでは、新しい白砂が大井競馬場の走破タイムに与えた影響を、具体的なデータやメカニズムを交えながら、多角的に徹底解説していきます。

結論:時計のかかる「パワー馬場」へ変貌

単刀直入に言うと、新しい白砂が導入された後の大井競馬場は、以前とは比較にならないほど時計のかかる、パワーを要する馬場へと大きく変貌しました。以前の「スピードがあれば押し切れる」というイメージは一度リセットし、「スタミナと思いきりパワーでねじ伏せる」馬場に変わったと認識する必要があります。

この変化を象徴する出来事が、入れ替え直後の2023年12月に行われた「東京大賞典(G1)」です。優勝したウシュバテソーロの勝ちタイム「2分5秒9」は、不良馬場だった2014年を除けば、過去10年間で最も遅い決着タイムでした。もちろん、レース展開なども時計に影響を与えますが、これほど明確な差が出たのは、馬場がいかにタフになったかを示す何よりの証拠と言えるでしょう。

関係者の間では、良馬場であれば「以前の時計よりも1秒から2秒くらいかかる」という声が共通認識になっているようですね。

この「1秒から2秒」という差は、競馬の世界では決定的です。これまでのタイム感覚をそのまま持ち込むと、予想の根幹が大きく揺らいでしまうため、注意が求められます。

クラス・距離別のタイム比較目安

では、具体的にどれくらい時計がかかるようになったのでしょうか。厳密なデータは天候やメンバー構成によって変動しますが、ここでは主要な距離における「良馬場」での勝ち時計の目安を、入れ替え前後で比較してみましょう。

距離クラス目安入れ替え前の目安タイム入れ替え後の目安タイム
1200mB2/B31分12秒台前半1分13秒台後半~14秒台
1600m (マイル)B1/B21分39秒台1分41秒台~42秒台前半
1800mA2/B11分53秒台1分55秒台~56秒台前半

タイム評価の新しい基準

あくまで大まかな目安ですが、マイル戦であれば以前の感覚にプラス1.5秒から2秒以上、スプリント戦や中距離戦でも1秒以上の差を想定してタイムを評価するのが妥当です。レースVTRなどを見る際も、この新しい基準を念頭に置くことで、各馬のパフォーマンスをより正確に判断できます。

【要注意】馬場状態によるタイムの変動幅

時計のかかる馬場になったとはいえ、その傾向が常に一定というわけではありません。ダートコースは、砂に含まれる水分量によって状態が大きく変化します。特に、この新しい白砂は水分による影響が顕著に表れるため、馬場状態ごとの特徴を掴むことが極めて重要です。

  • 良馬場:最も時計がかかり、パワーが要求される状態です。砂が乾いてパサパサしているため、蹄が深く沈み込み、前述のようなタフなコンディションになります。
  • 稍重・重馬場:雨が降って水分を含むと、砂の粒子が締まって走りやすくなります。地面からの反発力も得やすくなるため、良馬場と比べて1秒から2秒ほど時計が速くなるのが一般的です。
  • 不良馬場:さらに水分量が増えると、脚抜きの良い高速馬場へと変わります。ただし、馬によっては水が浮くほどの馬場を嫌がって能力を発揮できないケースもあるため、道悪適性の見極めが鍵となります。
白砂特有の「乾き始め」に注意

この白砂で最も注意したいのが、雨が降った後、乾いていく過程の馬場です。馬場発表は「稍重」や「重」でも、表面だけが乾き始めると、内部の水分が馬の脚を捉える「力の要る重馬場」へと変化することがあります。見た目以上にスタミナを消耗するコンディションになるため、「時計が速くなるはず」という思い込みは禁物です。

なぜ時計のかかるようになったのか?そのメカニズム

最後に、なぜ新しい砂はこれほど時計がかかるのか、その理由を少し掘り下げてみましょう。最大の要因は、繰り返しになりますが、「非常に高いクッション性」にあります。

馬が地面を蹴って前に進む力は、地面からの反発力があって初めて推進力に変わります。硬いアスファルトの上なら少ない力で前に進めますが、この白砂の馬場は、その逆です。

馬の蹄が砂の中に深く沈み込み、地面を蹴った際の衝撃が砂に吸収されてしまいます。そのため、馬は地面からの反発力を十分に得られず、前に進むためのエネルギーロスが大きくなるのです。結果として、一歩一歩に通常以上のパワーが必要となり、全体の走破タイムが遅くなります。

キックバックの影響

また、この白砂は砂粒が硬く、角張っているという特徴もあります。そのため、前の馬が蹴り上げた砂、いわゆる「キックバック」が後続の馬の顔に当たると非常に痛いと言われています。これが原因で砂を被るのを嫌がり、戦意を喪失してしまう馬も少なくありません。これも、レース展開やタイムに間接的な影響を与える一因となっています。

砂の入れ替え後に見られるレース傾向とは

大井競馬場の砂入れ替えは、単にコースが新しくなったというだけでなく、馬券戦略そのものを見直す必要があるほどの大きな変化をもたらしました。時計がかかるタフな馬場になったことで、これまで大井で通用していた馬のタイプやレース展開のセオリーが通用しなくなるケースも出てきています。

ここでは、新しい大井競馬場を攻略するために、具体的にどのような馬を狙い、どのような傾向に注意を払うべきかを4つの視点から深く掘り下げて解説します。

最重要ファクターは「パワー」と「スタミナ」

新しい大井競馬場の馬場を攻略する上で、最も重要なキーワードは「パワー」と「スタミナ」の2つです。前述の通り、クッション性が非常に高い白砂が導入されたため、馬は地面からの反発力を得にくくなりました。

これは、フカフカの砂浜を走る状況をイメージすると分かりやすいかもしれません。前に進むためには、一歩一歩、自らの筋力で体を力強く押し出す必要があり、これが馬の体力を大きく消耗させます。そのため、スピードの絶対値や持続力よりも、砂をしっかり掴んで掻き込む力、そしてレースの最後までバテずに走り切る持久力が何よりも重要になるのです。

馬券検討の際には、馬体重が一つの参考になります。もちろん一概には言えませんが、最低でも480kg以上のしっかりとした馬格を持つ馬が、このタフな馬場で有利に戦える一つの目安となるでしょう。パドックを観察する機会があれば、トモ(後脚の付け根)の筋肉の張りや、踏み込みの力強さなどをチェックするのも有効な手段です。

血統傾向の劇的な変化:注目すべき種牡馬は?

馬場がタフになった影響は、血統の勢力図にも劇的な変化をもたらしました。これまでの大井競馬のセオリーが通用しなくなり、血統評価のアップデートは必須と言えます。ここでは、注目すべき種牡馬を具体的に紹介します。

新・大井ダートで注目のパワー系種牡馬
  • シニスターミニスター:A.P. Indy系でありながら、産駒はパワーとスタミナに秀でる傾向。タフな馬場への適性は非常に高く、新しい大井の馬場を象徴する血統の一つです。
  • パイロ:こちらもA.P. Indyの系統ですが、地方の小回りダートへの適性が極めて高く、産駒は力強い走りが持ち味。馬場を問わず安定した成績を残します。
  • ヘニーヒューズ:ストームキャット系の代表格で、パワフルな産駒を多く輩出します。馬格に恵まれた馬が多く、時計のかかる馬場は大歓迎のクチです。
  • ドレフォン:ヘニーヒューズと同じくストームキャット系。産駒は筋肉質で、パワーとスピードを兼ね備えており、新馬場への対応力も高いと評価されています。

一方で、これまで大井の高速ダートで猛威を振るってきた一部のスピード血統は、苦戦を強いられる傾向が見られます。例えば、短距離界の絶対王者だったサウスヴィグラス産駒などは、自慢のスピードだけでは押し切れず、ゴール前で失速する場面が目立つようになりました。

A.P. Indy系に関する注意点

「A.P. Indy系が苦戦」という情報もありますが、これは少し注意が必要です。シニスターミニスターやパイロのように、同系統でもパワー型の産駒を出す種牡馬はむしろ好走しています。苦戦しているのは、系統の中でも特にスピードに特化したタイプの産駒であり、「A.P. Indy系だから」という理由だけで評価を下げるのは早計です。

このように、血統の得意・不得意が明確に表れる馬場へと変化したため、出走馬の父馬の名前は必ずチェックするようにしましょう。

脚質・展開のセオリーと新たな狙い目

大井競馬場は地方競馬のコースであり、直線が短い小回りであることに変わりはないため、レース展開の基本セオリーである「逃げ・先行有利」の傾向は維持されています。

しかし、その中身には大きな変化が生まれています。以前のように、スピードに任せて楽に逃げ切る、あるいは番手から楽に抜け出すといった競馬は難しくなりました。時計がかかる分、前を行く馬も相当なスタミナを消耗するため、レース後半で脚が鈍りやすいのです。

以前の感覚で「前の馬を買っておけば大丈夫」と安易に考えるのは危険になった、ということですね。

その通りです。特に先行争いが激しくなり、ペースが速くなった場合は、先行集団が総崩れになることも珍しくありません。そこで新たな狙い目となるのが「差し馬」の存在です。

ただし、どんな差し馬でも良いわけではありません。後方でただ脚を溜めているだけでは、短い直線で前を捉えきるのは困難です。狙うべきは、3コーナーから4コーナーにかけて、自らポジションを押し上げていけるだけのパワーと機動力を兼ね備えた差し馬です。馬群をこじ開けて伸びてくるような、力強い馬が台頭する場面が以前よりも確実に増えています。

枠順の有利・不利に変化はあったのか?

砂の質と深さが変わったことで、枠順の考え方にも新しい視点が必要になる可能性があります。

一般的に、ダートコースでは砂を被ることを嫌がる馬が多く、スムーズにレースを進めやすい外枠が有利とされる傾向があります。新しい大井の馬場はクッション性が高く、キックバック(前の馬が蹴り上げた砂)の量も多いと言われています。このため、揉まれ弱い馬や、砂を被ると集中力を欠くタイプの馬にとっては、内枠はより厳しい条件になったと考えられます。

逆に、外枠であれば自分のタイミングでスムーズに先行したり、馬場の良いところを選んで走ったりすることが可能です。そのため、馬の能力だけでなく、その馬の性格(キャラクター)と枠順をセットで評価することの重要性が増していると言えるでしょう。

枠順評価のポイント

一概に「外枠有利」と決めつけるのではなく、「この馬は砂を被っても大丈夫なタイプだから内枠でもこなせる」「この馬は気性が繊細で揉まれ弱いから、外枠でこそ能力を発揮できる」といったように、馬の個性と枠順の相性を考えることで、より精度の高い予想に繋がります。

単純に前の馬や人気馬を買うだけでなく、血統・展開・枠順といった様々な要素を新しい馬場に合わせて再評価し、戦略的にアプローチすることが、新・大井競馬場攻略の鍵となります。

大井競馬場の改修と同時に行われた砂厚変更

砂の入れ替えと並行して、もう一つ重要な変更が行われました。それが砂の厚さ(砂厚)の変更です。大井競馬場の砂厚は、近年、何度か調整が加えられており、レース内容に大きな影響を与えています。

砂厚の変遷

大井競馬場の砂厚は、以下のように変化してきました。

  • ~2023年9月:8cm
  • 2023年10月~12月:10cm
  • 2023年12月25日~:9cm

2023年10月の砂入れ替えのタイミングで、砂厚は8cmから10cmへと深くなりました。これは、新しい砂のクッション性を最大限に活かし、馬の脚部への負担をさらに軽減する狙いがあったと考えられます。この「白砂10cm」のセッティングが、前述した「時計のかかるタフな馬場」をより顕著にしていました。

しかし、その後、年末に9cmへと再調整されています。この背景には、JRA(日本中央競馬会)のダートコースの標準砂厚が9cmであることが関係していると言われています。JRAと地方競馬との交流競走が増える中で、馬場のクッション性をJRAの基準に近づけることで、遠征してくる馬がよりスムーズに力を発揮できるようにする、という意図があったのかもしれません。

わずか1cmの違いですが、この差が馬の走り心地に大きく影響するんですね。騎手は非常に敏感にその変化を感じ取るといいます。

砂厚が1cm浅くなったことで、10cm時代よりは若干時計が速くなる可能性も指摘されていますが、依然として以前の8cm時代よりはタフな馬場であることに変わりはありません。この砂厚9cmという設定が、現在の大井競馬場のスタンダードとなっています。

他の競馬場から見る大井競馬場砂入れ替えの影響

  • 比較でわかる地方競馬の砂厚一覧
  • 川崎競馬場で行われた砂の入れ替え事例
  • 川崎競馬場における現在の砂厚について
  • 船橋競馬場の砂入れ替えが与えた影響
  • 船橋競馬場の砂厚はどのくらいか
  • 総括:大井競馬場の砂入れ替えが与える影響

比較でわかる地方競馬の砂厚一覧

大井競馬場の新しい馬場を正確に理解するためには、コースを単体で見るのではなく、他の競馬場と比較する視点が不可欠です。各競馬場の砂の厚さや種類には、それぞれ明確な個性や設計思想が反映されており、それらを知ることで大井の馬場の特徴がより一層際立ちます。

ここでは、南関東4競馬場を中心に、全国の特色ある地方競馬場の馬場データを比較し、その背景にある違いを深く掘り下げていきましょう。

全国主要地方競馬場 馬場データ比較表

まずは、各競馬場の基本的なデータを一覧で確認します。特に「砂厚」と「砂の種類」の違いが、各競馬場のレース傾向を決定づける重要な要素です。

競馬場砂厚砂の種類(主な産地)特徴・コース傾向
大井9cm豪州・アルバニー産 珪砂クッション性が高く時計がかかるパワー馬場。JRAの基準に合わせた砂厚。
川崎10cm青森県東通村産 海砂砂が重く非常にタフ。独特のスパイラルカーブと相まってスタミナ消耗戦になりやすい。
船橋12cm豪州・アルバニー産 珪砂南関東で最も砂が深い。大井と同じ砂だが、より過酷なパワーとスタミナが求められる。
浦和10cm青森県東通村産 海砂砂は深いが、1周1200mの小回りコースのため、立ち回りの器用さやスピードも重要になる。
門別約10cm豪州・クイーンズランド州産 珪砂夏でも時計のかかる欧州のようなタフな馬場。2歳戦から馬を鍛える思想が反映されている。
園田11cm~14cmオーストラリア・ブリスベン産 珪砂内側が深く外側が浅い特殊な構造。経済コースを回るには相当なパワーが必要。
高知内14.5cm / 外12cmオーストラリア産 海砂全国屈指の極深ダート。一発逆転のドラマを演出する馬場として意図的に設計されている。
佐賀内15cm / 外11cmクッションサンド内ラチ沿いが極端に深い設定。高知と並ぶタフな馬場で、外を回すロスが大きい。

※上記のデータは、各競馬場の公式サイトの情報や報道を基にしていますが、メンテナンス等で変更される可能性があります。最新の情報は各主催者の発表をご確認ください。

南関東4競馬場の個性:砂が語るコース戦略

同じ南関東エリアにありながら、4つの競馬場は全く異なる顔を持っています。その違いは、馬券戦略に直結します。

大井と船橋は同じオーストラリア産の砂なのに、砂の厚さが9cmと12cmで全然違うんですね。

はい、この3cmの差が決定的な違いを生みます。大井の9cmでも相当なパワーが要りますが、船橋の12cmはそれをさらに上回る過酷さです。大井のレース後半で脚が怪しくなるような馬は、船橋ではまず通用しない、と考えるのが基本になります。

一方で、川崎と浦和は青森県産の海砂を使用しています。この砂はオーストラリア産の珪砂に比べて「重く、粘りつく」ような性質があると言われます。特に川崎は砂厚10cmに加えて、コーナーがきつい独特のコース形状も相まって、馬力だけでなく巧みなコーナリング技術も問われる玄人好みのコースです。

「なぜ深い?」高知競馬場にみる馬場作りの思想

表の中でも特に異彩を放つのが、高知競馬場の内ラチ沿い14.5cmという極端な砂の深さです。これは単なる偶然ではなく、明確な意図を持って設計されたものです。

高知競馬の代名詞といえば、最終レースの「一発逆転ファイナルレース」。このレースを最大限に盛り上げるため、馬場は意図的にタフな設定になっています。砂がこれほど深いと、先行馬は楽に逃げることができず、レース後半には必ずスタミナを消耗します。そこへ、後方で脚を溜めていたスタミナ自慢の馬たちが、直線で一気に追い込んでくる…というドラマチックな展開が生まれやすくなるのです。

このように、競馬場の馬場設定には、レースの安全性を確保するだけでなく、興行としての面白さを演出するという側面もあるのです。

遠征馬を評価する際の注意点

異なる競馬場の馬が同じレースで走る交流競走などを予想する際は、この馬場の違いを理解しているかどうかが的中を大きく左右します。

馬場比較の基本セオリー
  • JRAの馬が地方に来る場合:JRAの標準砂厚は9cmなので、大井への遠征は比較的スムーズです。しかし、船橋(12cm)や高知(14.5cm)のような極端に深い砂の競馬場では、JRAで通用していたスピードだけでは押し切れず、パワー負けするケースが頻繁に見られます。
  • 南関東内での力関係:前述の通り、「大井で好走したから船橋でも大丈夫」という考えは通用しません。逆もまた然りで、船橋のタフな馬場で実績のある馬が、時計の出やすい馬場に変わった際にスピード負けすることもあります。

馬柱の着順だけを見るのではなく、「どの競馬場の、どんな馬場で記録された成績なのか」という背景まで読み解くことが、精度の高い予想への第一歩となります。

川崎競馬場で行われた砂の入れ替え事例

大井競馬場の馬場を考える上で、川崎競馬場の事例は良い比較対象となります。川崎競馬場も過去に砂の全面入れ替えを行っており、その結果、馬場傾向が大きく変化した歴史があります。

現在、川崎競馬場で使用されているのは青森県東通村産の海砂です。この砂は、粒子が粗く、水はけが良い一方で、非常にパワーを要するタフな馬場を形成することで知られています。

入れ替え後の川崎競馬場は、「南関東で最も時計がかかる競馬場」の一つとして定着しました。騎手からは「スパイラルカーブ(コーナーの形状)も相まって、とにかくスタミナが問われる」「馬がノメりやすく、独特の走りが求められる」といった声が多く聞かれます。

川崎競馬場の特徴

砂の種類:青森県東通村産 海砂
馬場傾向:時計がかかり、パワーとスタミナが必須
コース形状:コーナーがきつく、独特の適性が求められる

大井競馬場が白砂に入れ替えた際、この川崎競馬場のように時計のかかる馬場になるのではないかと予想されていました。結果として、方向性は似ていますが、砂質の違いから走り心地は異なると言われています。川崎の砂が「重く粘りつく」ような感覚であるのに対し、大井の白砂は「フカフカで沈み込む」感覚に近いと表現されることがあります。

川崎競馬場における現在の砂厚について

前述の通り、現在の川崎競馬場の砂厚は10cmに設定されています。

これは、南関東4競馬場の中では浦和競馬場と並ぶ厚さであり、9cmの大井競馬場よりは1cm深く、12cmの船橋競馬場よりは2cm浅い、中間の設定です。しかし、砂厚が同じでも砂質が全く異なるため、単純に比較することはできません。

川崎の砂厚10cmと青森産の重い砂の組み合わせが、あの独特のタフな馬場を生み出しています。馬の蹄が必要以上に深く入り込みすぎない絶妙な厚さでありながら、一歩一歩の踏み込みには相当なパワーを要求します。そのため、大井の白砂馬場とはまた違った意味での「スタミナ自慢の馬」が活躍する舞台となっています。

川崎は特に内枠の馬が砂を深く被りやすく、揉まれ弱い馬には厳しいコースと言えますね。馬の精神的な強さも問われる競馬場です。

このように、同じ南関東にありながら、大井と川崎では馬場を構成する砂の種類と厚さ、そしてそれらがもたらすレース傾向が大きく異なります。この違いを理解することが、南関東競馬全体の攻略に繋がります。

船橋競馬場の砂入れ替えが与えた影響

大井競馬場の変化を予測する上で、最も重要な比較対象となるのが船橋競馬場です。なぜなら、船橋競馬場は大井に先駆けて、2022年11月に同じオーストラリア産の白砂への入れ替えを完了していたからです。

船橋競馬場も、入れ替え後は大井と同様に時計のかかる馬場へと大きく変化しました。以前は「スパイラルカーブを採用した日本屈指の高速ダートコース」として知られていましたが、そのイメージは一変しました。クッション性の高い白砂が導入されたことで、スピードだけでは押し切れず、パワーとスタミナが要求されるようになったのです。

この変更は、多くの騎手や調教師を驚かせ、馬券を買うファンにとっても大きなアジャストが求められました。それまで船橋を得意としていたスピードタイプの馬が凡走し、逆にパワータイプの馬が台頭するなど、勢力図が塗り替わるような現象も見られました。

先行事例としての船橋

船橋での変化があったからこそ、大井競馬場の関係者やファンは、砂の入れ替えによってどのような影響が出るのかをある程度予測することができました。船橋でのデータや騎手のコメントは、新しい大井の馬場を攻略する上での貴重なヒントとなったのです。

船橋競馬場の砂厚はどのくらいか

現在の船橋競馬場の砂厚は12cmです。これは、南関東4競馬場の中で最も深い設定となっています。

大井競馬場と同じオーストラリア産の白砂を使用しながら、砂厚でこれだけの差をつけているのは非常に興味深い点です。砂厚が12cmもあるということは、それだけ馬の脚が深く潜り込むことを意味し、大井以上にパワーとスタミナが求められる、より過酷なコースセッティングであると言えます。

大井と船橋の比較

  • 砂の種類:同じ(オーストラリア産白砂)
  • 砂厚:船橋(12cm)> 大井(9cm)
  • 馬場傾向:両方とも時計がかかるパワー馬場だが、よりタフなのは船橋

このため、同じ白砂のコースでありながら、「大井では好走できたが、船橋ではスタミナが持たなかった」という馬や、逆に「大井では少し忙しかったが、より時計のかかる船橋で良さが出た」という馬も出てきます。この砂厚の違いが、両競馬場の適性の差を生み出す大きな要因となっているのです。

総括:大井競馬場の砂入れ替えが与える影響

最後に、この記事で解説してきた「大井競馬場の砂入れ替えが与える影響」についての要点をまとめます。

  • 大井競馬場の砂は2023年10月にオーストラリア産白砂に入れ替えられた
  • 新しい白砂は排水性とクッション性が高く安全性が向上した
  • 馬場傾向は以前より時計がかかるようになりパワーとスタミナが求められる
  • 2023年東京大賞典の時計が過去10年で最も遅かったのがその象徴
  • 有利な脚質は逃げ・先行が基本だが差し馬の台頭も増えた
  • 血統的にはパワータイプの価値が上がり一部のスピード血統は苦戦傾向にある
  • 砂厚は8cmから10cmに変更された後現在は9cmで運用されている
  • 砂厚9cmはJRAのダートコースの基準と同じ設定
  • 船橋競馬場も同じ白砂を使用しているが砂厚は12cmとより深い
  • 川崎競馬場は砂厚10cmだが砂質が異なり南関屈指のタフな馬場
  • 浦和競馬場の砂厚は10cmでコース形態からスピードも活きやすい
  • 全国的に見ても高知競馬場のように14cmを超える深い砂厚の競馬場もある
  • 砂の入れ替えは馬場コンディションを安定させる目的もある
  • ナイターでは白砂が光を反射し視認性が向上したという副次効果もあった
  • 馬券検討では従来のスピード評価からパワー評価へのシフトが重要になる
目次