最強の競走馬は?世界と日本の歴代ランキング

【PR】この記事には広告を含む場合があります。

競馬の歴史を振り返る時、誰もが一度は考える議題、それが「最強の競走馬」はどの馬かという終わりのない論争です。世界に目を向ければ、史上最強馬として語り継がれる伝説の名馬がおり、その世界 歴代最強馬ランキングは多くのファンを魅了します。一方で、日本の競馬史にも、歴代最強馬 日本の称号にふさわしい数々の名馬が存在します。ファン投票による日本名馬100選や歴代人気馬ランキングを見れば、時代を超えて愛される日本で一番有名な馬たちの姿が浮かび上がります。近年では、圧倒的な強さで世界を制した歴代最強馬 イクイノックスの記憶も新しいでしょう。また、異次元の逃亡劇でファンを熱狂させた最強馬 サイレンススズカや、道半ばでターフを去った幻の最強馬たちの物語も、私たちの心を捉えてやみません。さらに、トップジョッキーが選ぶ最強馬の視点や、現在の日本最強馬は現役にもいるのかを探る現役最強馬ランキングなど、議論は尽きることがありません。この記事では、データや専門家の意見、ファン投票など様々な角度から、史上最強馬や日本最強馬のランキングに迫ります。

  • 世界の歴代最強馬とその客観的な評価基準
  • ファンや専門家が選ぶ日本の歴代最強馬たち
  • 語り継がれる伝説の名馬や幻の最強馬の物語
  • 国内外の現役最強馬に関する最新情報

目次

データで探る世界の最強の競走馬

  • 史上最強馬ランキングと世界での評価
  • 世界の歴代最強馬ランキングを紹介
  • 異次元の最強馬 サイレンススズカ
  • 記憶に刻まれる幻の最強馬の物語
  • 新時代の歴代最強馬 イクイノックス

史上最強馬ランキングと世界での評価

「史上最強馬」を決める議論は、いつの時代も競馬ファンの心を熱くさせます。しかし、異なる時代や国で走った馬たちを単純に比較することはできません。そこで、客観的な指標として用いられるのが「レーティング」という数値です。

レーティングとは、競走馬の能力を数値化したもので、国際的な統一基準に基づいて算出されます。特に権威があるとされているのが、イギリスの民間競馬情報機関であるタイムフォーム社が発表する「タイムフォーム・レーティング」や、国際競馬統括機関連盟(IFHA)が発表する「ロンジン・ワールド・ベスト・レースホース・ランキング(LWBRR)」です。

これらのランキングは、レースの格や対戦相手のレベル、着差、負担重量などを複雑な計算式に当てはめて算出されます。言ってしまえば、この数値が高ければ高いほど、世界的に見て能力の高い馬であると評価されていることになります。

タイムフォーム・レーティングの評価基準

タイムフォーム・レーティングは特に歴史が古く、過去の馬と比較する上で重要な指標とされています。一般的に、140ポンド以上の評価を得た馬は「歴史的名馬」として扱われます。

豆知識:レーティングの「1ポンド」の価値

レーティングにおける1ポンドの差は、一般的に「1馬身」の差に相当すると言われています。つまり、レーティングが5ポンド違えば、実力差は5馬身あると考えることができます。

このように、レーティングは最強馬を語る上で欠かせない客観的なデータです。もちろん、数値だけが馬の強さを表す全てではありませんが、一つの重要な判断材料であることは間違いありません。次の項目では、実際に高いレーティングを獲得した世界の歴代最強馬たちを紹介します。

世界の歴代最強馬ランキングを紹介

前述の通り、レーティングという客観的な指標を用いることで、世界の歴代最強馬の姿がある程度見えてきます。ここでは、特にタイムフォーム社から極めて高い評価を受けた、伝説的な名馬たちを紹介します。

結論から言えば、歴代最高のレーティングを持つのは「フランケル」です。彼は、生涯成績14戦14勝という完璧な成績を残し、タイムフォーム社から史上最高の147ポンドという驚異的な評価を与えられました。

歴代最高レーティングを持つ名馬たち

フランケルを筆頭に、競馬史には数々の名馬が名を連ねています。ここでは代表的な3頭を紹介します。

馬名主な勝ち鞍タイムフォーム・レーティング特筆事項
フランケル英2000ギニー、チャンピオンSなどG1・10勝147ポンド生涯無敗。圧倒的なパフォーマンスで「史上最強馬」と称される。
シーバード英ダービー、凱旋門賞145ポンド英ダービーと凱旋門賞を制覇。凱旋門賞での走りは「世紀のレース」と評される。
セクレタリアトアメリカ三冠(ケンタッキーダービー、プリークネスS、ベルモントS)139ポンドベルモントSで2着に31馬身差をつける圧勝劇は競馬史に残る伝説。

これらの馬たちは、ただ強いだけでなく、見る者の記憶に強烈に残るパフォーマンスを見せました。特にセクレタリアトのベルモントステークスでの走りは、今なお語り草となっていますね。

もちろん、ここに取り上げた馬以外にも、イタリアの無敗馬リボー(142ポンド)や、”マイルの王様”と称されたブリガディアジェラード(144ポンド)など、数々の名馬がいます。これらの馬たちが、世界基準で見た場合の「最強馬」候補と言えるでしょう。

異次元の最強馬 サイレンススズカ

世界の競馬史に名を刻む名馬たちがレーティングという客観的な「記録」で評価される一方、日本の競馬ファンの心には、記録以上に鮮烈な「記憶」によって最強と語り継がれる馬がいます。その筆頭格であり、おそらくは唯一無二の存在、それが「異次元の逃亡者」サイレンススズカです。

彼の最大の魅力は、スタートのゲートが開いた瞬間からゴール板を駆け抜けるまで、ただひたすらに先頭を走り続けるという、あまりにも純粋で、そして破壊的なレーススタイルにありました。言ってしまえば、通常のレースがライバルとの駆け引きであるのに対し、彼のレースは「サイレンススズカ自身が刻むラップタイムとの孤独な戦い」でした。他の馬たちは、そのあまりのスピードについていくことすら許されなかったのです。

常識を破壊した伝説のレース

サイレンススズカの真価、そしてその異次元ぶりが最もよく表れているのが、競馬史に残る伝説の一戦と評される1998年の毎日王冠(G2)です。このレースの何が伝説かと言えば、それは対戦相手のレベルの高さにあります。

  • 後のジャパンカップを制し、凱旋門賞で歴史的激闘を演じるエルコンドルパサー
  • 同年の有馬記念を含むグランプリ3連覇を達成するグラスワンダー

本来であれば主役級であるはずの2頭の怪物を脇役へと追いやる、圧巻のパフォーマンスを彼は見せつけました。スタートからよどみないペースで後続を引き離し、直線に入ってもその脚色は全く衰えません。エルコンドルパサーが必死に追いすがりますが、影すら踏ませず、まるで遊びながら走っているかのような手応えで楽々と逃げ切ってしまいます。

毎日王冠で見せた「異次元」の正体

このレースの前半1000mの通過タイムは57秒7。これは通常、1200mの短距離専門スプリンターが出すような猛烈なペースです。常識的に考えれば、これほどのハイペースで逃げた馬は、ゴール前で必ず失速します。しかし、サイレンススズカは最後の600m(上がり3ハロン)を35秒1という、後方で脚を溜めていた差し馬と遜色ないタイムでまとめてしまいました。これは物理法則を無視しているかのような、まさに「異次元」の走りでした。

主戦騎手を務めた武豊騎手は、後に「一番速い馬は?」という問いに対し、ディープインパクトなど数々の名馬の名前を挙げつつも、「スピードという点ではサイレンススズカが断トツだった」という意味のコメントを残しています。馬の背中を最も知る天才ジョッキーのこの言葉が、全てを物語っているのかもしれません。

「沈黙の日曜日」と永遠のIFストーリー

毎日王冠の衝撃的な勝利を経て、誰もが彼の絶対的な勝利を信じて疑わなかったのが、次走の天皇賞(秋)でした。単勝オッズは1.2倍という圧倒的な支持を集め、ファンは彼がどれほどの着差をつけて勝つのかという一点にのみ注目していました。

レースは、いつも通りサイレンススズカが後続を大きく引き離す展開で進みます。1000mの通過タイムは57秒4。毎日王冠をさらに上回る、狂気的とも言えるハイペースでした。東京競馬場の名物である大欅の向こう側を、後続に10馬身以上の差をつけて駆け抜けていく姿に、場内の誰もが歴史的な圧勝劇を確信した、その瞬間でした。

突如、彼の脚取りが乱れます。左前脚手根骨粉砕骨折。競走能力喪失どころか、回復の見込みがないほどの致命的な故障でした。歓声に包まれていた競馬場は水を打ったように静まり返り、後にこの日は「沈黙の日曜日」と呼ばれることになります。

もし、あのまま無事に走り切っていたらどうなっていたのか。これは競馬界における永遠の問いです。しかし、あの時点でのラップタイムと後続との差を考えれば、2着に2秒以上、距離にして10馬身以上の歴史的な大差勝ちになっていた可能性が極めて高いと推測されます。

記録の上ではG1勝利は1つだけ。しかし、計り知れないポテンシャルと、それを証明しきれずにターフに散った悲劇的な最期が、サイレンススズカをファンの心の中で永遠に走り続ける「最強」の称号を持つ伝説の存在へと昇華させたのです。

記憶に刻まれる幻の最強馬の物語

前述の通り、サイレンススズカのように、その圧倒的な能力を発揮しながらも、志半ばでターフを去った馬たちがいます。彼らは「幻の最強馬」として、競馬ファンの間で「もしも無事だったら…」というIFストーリーと共に語り継がれています。

ここでは、サイレンススズカ以外の代表的な「幻の最強馬」を2頭紹介します。

幻の三冠馬 アグネスタキオン

わずか4戦のキャリアながら、見る者に絶大なインパクトを残したのがアグネスタキオンです。デビューから無傷の4連勝で皐月賞を制し、その中には後の日本ダービー馬ジャングルポケットや、ダートの絶対王者となるクロフネといった錚々たるメンバーが含まれていました。

特に皐月賞では、ノーステッキのまま後続を突き放す圧倒的なパフォーマンスを見せ、三冠は確実とまで言われました。しかし、日本ダービーを目前に屈腱炎を発症し、無念の引退。その底知れない能力から、「幻の三冠馬」と呼ばれています。

パーフェクトレコードの悲劇 トキノミノル

時代は大きく遡りますが、トキノミノルもまた幻の最強馬として欠かせない一頭です。1951年、デビューから無傷の10連勝で皐月賞と日本ダービーの二冠を達成。しかも、そのうち7つのレースでレコードタイムを更新するという、まさに完璧な成績でした。

ダービー制覇からわずか17日後の悲劇

無敵を誇ったトキノミノルでしたが、日本ダービー制覇のわずか17日後、破傷風によりこの世を去りました。その劇的な生涯は映画化もされ、今なお多くの人々の心に刻まれています。

これらの馬たちは、そのキャリアが短かったからこそ、ファンの想像力を掻き立てます。記録には残らない、しかし記憶には永遠に残る強さ。それもまた、「最強」の一つの形なのかもしれません。

新時代の歴代最強馬 イクイノノックス

サイレンススズカのような鮮烈な「記憶」を残す馬、ディープインパクトのような圧倒的な「記録」を持つ馬。最強馬の議論では、しばしばこの二つの側面が比較されます。しかし近年、その両方を史上最高レベルで兼ね備え、新たな時代の扉を開いた名馬が登場しました。それが、「完璧な競走馬」とまで称されたイクイノックスです。

彼の功績を客観的に示す最も大きな指標が、国際競馬統括機関連盟(IFHA)が発表する「ロンジン・ワールド・ベスト・レースホース・ランキング」です。彼は2023年、このランキングにおいて日本馬としては歴代最高値となる135ポンドの評価を獲得。これは、エルコンドルパサーが記録した134ポンドを24年ぶりに更新する歴史的快挙であり、名実ともに彼がその年の「世界最強馬」であったことを証明しています。

豆知識:年間世界1位の偉大さ

日本の調教馬がこのランキングで年間世界1位に輝いたのは、1999年のエルコンドルパサー、2014年のジャスタウェイに次いで、イクイノックスが史上3頭目です。この事実だけでも、彼が日本競馬史において特別な存在であることが分かります。

常識を覆した二つの衝撃的なパフォーマンス

イクイノックスの強さは、ただ単に速い、強いという言葉だけでは表現できません。レースごとに全く異なる戦法を取り、いずれも他馬を全く寄せ付けずに圧勝するという、その常識外れのレース内容にこそ彼の本質があります。特に、彼の評価を決定づけたのが以下の2つのレースです。

「静」の衝撃:2023年 ドバイシーマクラシック(G1)

初の海外遠征、これまで経験のない戦法、そして圧倒的な結果。このレースは、イクイノックスが持つ底知れないポテンシャルを世界に知らしめました。これまで後方からの追い込みを勝ちパターンとしてきた彼が、スタート直後、主戦のC.ルメール騎手は誰もが予想しなかった「逃げ」の手に打ち出ます。

スローペースを嫌った咄嗟の判断でしたが、彼は初めての展開に全く動じることなく、まるで調教のようにリラックスした走りで後続を従えます。そして、直線では一度も鞭を使うことなく、持ったままの楽な手応えで後続を突き放し、コースレコードで圧勝。その光景は、世界中の競馬関係者に「まるで馬が遊んでいるかのようだ」とまで言わしめる、静かで、しかしあまりにも衝撃的なものでした。

「動」の衝撃:2023年 ジャパンカップ(G1)

自身の引退レースとなったこの一戦は、三冠牝馬リバティアイランドとの「世紀の一戦」として、日本中の注目を集めました。ドバイで見せた静かな強さとは対照的に、ここでは彼の持つ競走馬としての完成度、いわば「王者の強さ」を見せつけます。

完璧な「王者の競馬」

レースには稀代の大逃げ馬パンサラッサが出走していましたが、イクイノックスは慌てず騒がず、完璧な折り合いで2番手を追走。直線でパンサラッサを楽々と捉えると、猛追するリバティアイランドを全く寄せ付けず、逆に4馬身もの差をつけて完勝。その勝ちタイム2分21秒8は、驚異的な世界レコードでした。

イクイノックスの強さの本質とは

彼のG1・6連勝という軌跡を振り返ると、その強さの本質が究極の「自在性」にあることがわかります。

レース名戦法結果
2022年 天皇賞(秋)後方からの追い込み勝利
2022年 有馬記念中団からの差し切り勝利
2023年 ドバイシーマクラシック逃げ切り勝利
2023年 宝塚記念後方からの捲り勝利
2023年 天皇賞(秋)先行策からの抜け出し勝利
2023年 ジャパンカップ2番手からの抜け出し勝利

ディープインパクトが「カミソリの切れ味」と評される瞬発力、サイレンススズカが他を圧倒するスピードを武器にしたのに対し、イクイノックスはどんな展開、どんな位置からでも勝てる、いわば「全ての能力が高いレベルで融合した万能型」と言えます。これは歴代の最強馬候補の中でも、彼が持つ特筆すべき才能です。

G1・6連勝という輝かしい実績を残し、キャリアの絶頂期にターフを去ったイクイノックス。その強さはまだ底を見せていなかったかもしれません。記録と記憶の両面で日本競馬の頂点に立った彼は、ディープインパクト以来となる、新たな「日本の歴代最強馬」最有力候補と言えるでしょう。


ファンが選ぶ日本の最強の競走馬

  • 歴代最強馬は日本にもいるのか?
  • ファン投票による日本最強馬ランキング
  • 日本名馬100選と歴代人気馬ランキング
  • 日本で一番有名な馬はどの馬?
  • 現役最強馬ランキングと日本の現役馬
  • プロの目線!ジョッキーが選ぶ最強馬

歴代最強馬は日本にもいるのか?

結論から言うと、「はい、日本の歴代最強馬は世界にも通用するレベルにあります」。かつては、日本国内で圧倒的な強さを誇っても、海外の強豪には歯が立たない時代が長く続きました。しかし、近年その状況は大きく変わっています。

この変化の背景には、日本の生産レベルや育成技術の向上が挙げられます。特に、大種牡馬サンデーサイレンスの血統が日本の競馬を劇的に進化させました。

世界の壁に挑んだ名馬たち

日本の競馬ファンが「最強」を意識する時、その馬が世界最高峰のレースであるフランスの凱旋門賞(G1)でどこまで戦えるか、という視点は欠かせません。

  • エルコンドルパサー:1999年の凱旋門賞で、地元の名馬モンジューと歴史的な叩き合いを演じ、半馬身差の2着。日本の馬が世界で勝てることを証明しました。
  • ディープインパクト:無敗の三冠馬として絶大な人気を誇り、2006年に凱旋門賞に挑戦。3位に入線しましたが、後に禁止薬物検出により失格。
  • オルフェーヴル:2012年、2013年と2年連続で凱旋門賞に挑戦し、いずれも2着。破天荒な気性と圧倒的な強さでファンを魅了しました。

オルフェーヴルの凱旋門賞は本当に惜しかったですね。一度は完全に先頭に立っただけに、今でも悔しく思うファンは多いはずです。

そして、前述のイクイノックスがドバイで世界を圧倒したことで、今や日本の馬は世界のトップレベルにあると断言できます。歴代最強馬の議論においても、日本の馬が世界の名馬たちと肩を並べて語られる時代になったのです。

ファン投票による日本最強馬ランキング

客観的なデータだけでなく、ファンがどの馬を「最強」や「名馬」と考えているかを知るのも興味深いものです。ここでは、JRA(日本中央競馬会)が実施したファン投票の結果を見てみましょう。

2015年に行われた「未来に語り継ぎたい名馬BEST100」というファン投票では、数々の名馬を抑えて、ディープインパクトが堂々の1位に輝きました。

彼の強さは、なんと言ってもその圧倒的な瞬発力です。武豊騎手が「飛んでいるようだった」と表現した走りは、後方からごぼう抜きにする圧巻のパフォーマンスで、多くのファンの心を掴みました。

ファン投票に見る上位馬の傾向

順位馬名主な実績ファンの支持理由(考察)
1位ディープインパクト無敗のクラシック三冠、G1・7勝衝撃的な末脚と無敗三冠という完璧なストーリー性。
2位オルフェーヴルクラシック三冠、凱旋門賞2年連続2着圧倒的な強さと予測不能な危うさが同居する魅力。
3位オグリキャップ有馬記念2勝などG1・4勝(中央)地方からの叩き上げでエリートに挑む姿が感動を呼んだ。
4位シンボリルドルフ史上初の無敗クラシック三冠、G1・7勝「皇帝」と呼ばれた完璧な強さとレース運び。
5位サイレンススズカ毎日王冠、宝塚記念異次元の逃げと悲劇的な最期が伝説となっている。

このランキングを見ると、ただ強いだけでなく、ドラマ性やキャラクター性がファンからの支持に大きく影響していることが分かります。強さと脆さ、エリートと叩き上げなど、それぞれの馬が持つ物語がファンを惹きつけるのです。

日本名馬100選と歴代人気馬ランキング

前述の「未来に語り継ぎたい名馬BEST100」のように、ファンが選ぶランキングは、その馬の強さだけでなく「人気」や「知名度」も大きく反映されます。言ってしまえば、強さのランキングと人気のランキングは、必ずしも一致しないのが面白いところです。

例えば、強さの指標であるG1勝利数やレーティングでは上位に来なくても、ファンに愛され、人気投票で上位に入る馬がいます。その代表格が、オグリキャップです。

アイドルホースの元祖・オグリキャップ

オグリキャップは、地方の笠松競馬から中央競馬へ移籍し、エリート馬たちを次々と打ち破っていく姿が、多くの人々の共感を呼びました。第二次競馬ブームの火付け役となり、社会現象を巻き起こした彼は「アイドルホース」の元祖と言えます。

特に、引退レースとなった1990年の有馬記念は伝説です。誰もが衰えたと思っていた中で奇跡の復活勝利を飾り、競馬場が「オグリコール」に包まれた光景は、競馬史に残る感動的なシーンとして語り継がれています。

人気馬に共通する要素

  • ストーリー性:逆境を乗り越える叩き上げの物語(オグリキャップ)
  • キャラクター性:美しいルックスや個性的な性格(ゴールドシップなど)
  • 社会現象:競馬の枠を超えた知名度(ハルウララなど)

このように、ファンの心に残る「名馬」は、必ずしも「最強馬」とイコールではありません。レースでの強さに加え、人々を惹きつけるドラマやカリスマ性も、名馬を語る上で非常に重要な要素なのです。

日本で一番有名な馬はどの馬?

「日本で一番有名な馬は?」と聞かれたら、多くの人がディープインパクトの名前を挙げるのではないでしょうか。競馬ファンでなくとも、その名前を聞いたことがある人は少なくありません。

結論から言うと、彼の知名度は、その圧倒的な強さと、メディアでの取り上げられ方によって確立されました。無敗でクラシック三冠を達成するという、漫画のようなストーリーは、一般のニュースや新聞でも大きく報じられ、社会的な関心事となったのです。

競馬の枠を超えた知名度を持つ馬たち

ディープインパクト以外にも、競馬を知らない人にまで名前が知れ渡った馬がいます。

  • ハルウララ:高知競馬に所属し、連敗を重ねながらも懸命に走る姿が話題となり、全国的なブームとなりました。「負け組の星」として多くの人々に勇気を与えました。
  • オグリキャップ:前述の通り、第二次競馬ブームを牽引した立役者です。彼のぬいぐるみは爆発的な売上を記録しました。
  • ウマ娘 プリティーダービーの影響:近年では、競走馬を擬人化した育成シミュレーションゲーム「ウマ娘」の影響で、スペシャルウィークやトウカイテイオーといった過去の名馬たちの知名度が再燃しています。

確かに、「ウマ娘」から競馬に興味を持ったという方は非常に多いですね。ゲームをきっかけに、過去の名馬のストーリーを知るという新しい流れが生まれています。

このように、日本で一番有名な馬の座は、時代や社会情勢によっても変化します。しかし、圧倒的な強さで社会現象を巻き起こしたディープインパクトは、現時点での最有力候補と言って間違いないでしょう。

現役最強馬ランキングと日本の現役馬

歴代の最強馬たちに思いを馳せる一方で、「今、一番強い馬はどれか?」という議論も競馬の醍醐味です。ここでは、2025年現在の現役最強馬の状況を見ていきましょう。

現在、世界の現役馬ランキングでトップクラスの評価を得ているのが、日本のフォーエバーヤングです。彼はダート路線で活躍し、サウジアラビアのサウジカップや、アメリカのケンタッキーダービーで好走し、世界にその名を知らしめました。

このように、近年は日本の馬が芝だけでなくダートでも世界トップレベルで戦えることを証明しています。

2025年注目の日本の現役馬

フォーエバーヤング以外にも、国内外での活躍が期待される日本の現役馬が数多くいます。

  • ドウデュース:2022年の日本ダービー馬。凱旋門賞挑戦の経験もあり、2024年の有馬記念を制するなど、国内トップクラスの実力を誇ります。
  • ダノンデサイル:2024年の日本ダービーを制した新星。今後の成長次第では、歴代最強馬の仲間入りも期待される一頭です。
  • リバティアイランド:2023年に牝馬三冠を達成した名牝。イクイノックスには敗れましたが、その実力は世界レベルです。

注意点:競走馬のキャリアは短い

競走馬のピークは非常に短く、数戦で引退することも珍しくありません。ここで紹介した馬たちも、いつ引退してもおかしくないのが競馬の世界です。だからこそ、一戦一戦が非常に貴重になります。

現役馬たちの戦いは、まさにリアルタイムで進行するドラマです。イクイノックスのように、この中から新たな「歴代最強馬」が生まれるのか。その走りから目が離せません。

プロの目線!ジョッキーが選ぶ最強馬

ファンによる人気投票や、レーティングという客観的なデータ。最強馬を語る上でこれらは欠かせない要素です。しかし、もう一つ、何物にも代えがたい説得力を持つ視点があります。それが、実際に馬の背中に乗り、その息遣いや筋肉の躍動、そして闘争心を肌で感じてきたジョッキー(騎手)たちの証言です。

彼らは、データには決して表れない、競走馬の「生きた能力」を唯一知る存在です。ここでは、数々の名馬を勝利に導いてきたトップジョッキーたちが、自らの経験に基づいて語る「最強馬」に迫ります。

レジェンドたちの言葉に宿る真実

時代を彩った名騎手たちは、それぞれに忘れられないパートナーとの出会いを経験しています。彼らの言葉からは、データだけでは計り知れない名馬たちの凄みが伝わってきます。

武豊騎手:「飛んでいた」ディープインパクトと「未完の大器」サイレンススズカ

日本競馬界の至宝、武豊騎手は「最強馬は?」という問いに、特定の馬名を断定することは稀です。しかし、しばしばその異次元の能力に言及するのがディープインパクトです。「まるで飛んでいるようだった」という有名な言葉は、単なる比喩ではありません。他の馬とは全く違う、地面を蹴る力の強さとバネの深さからくる、文字通り浮き上がるような感覚だったと語ります。また、悲劇の快速馬サイレンススズカについては、「スピードなら間違いなく一番」「完成形を見てみたかった」と語り、その計り知れないポテンシャルに今なお思いを馳せています。

C.ルメール騎手:「パーフェクト」なアーモンドアイと「モンスター」イクイノックス

現代の日本競馬を代表するクリストフ・ルメール騎手は、自身が主戦を務めたG1・9勝の名牝アーモンドアイを「マイベストホース」と公言しています。その理由は、スピード、スタミナ、瞬発力、そして賢さの全てを兼ね備えた「完璧な馬」だったからだ、と。一方で、前述のイクイノックスについては「モンスター」と表現し、その規格外の能力を最大級に評価。両馬の強さの質は異なるものの、いずれも自身のキャリアを代表する特別な存在であると認めています。

岡部幸雄元騎手:「馬がレースを教えてくれた」シンボリルドルフ

「皇帝」シンボリルドルフと共に史上初の無敗三冠を達成した岡部幸雄元騎手は、パートナーを「パーフェクトな馬」と称賛します。特に印象的なのが「馬が自分でレースを組み立てていた」という言葉。ペース判断や仕掛けどころを馬自身が理解しているかのように、騎手が何もしなくても勝手にレースを運んでくれたと語ります。騎手と馬の理想的な一体感を、まさに体現したコンビでした。

安藤勝己元騎手:「絶対的な信頼」があったキングカメハメハ

辛口ながら的確な相馬眼で知られる「アンカツ」こと安藤勝己元騎手。彼がその能力に惚れ込んだ一頭がキングカメハメハです。日本ダービーにおいて、普通ならスタミナが持たない「4コーナー先頭」という常識破りの騎乗を敢行できたのは、「この馬なら絶対にバテない」という能力への絶対的な信頼があったからこそ。騎手にそこまで信じさせる傑出した能力があったことの証明です。

なぜ騎手によって評価が分かれるのか?

面白いのは、どの騎手も自身が深く関わった馬を最強候補に挙げることが多い点です。これは単なる思い出補正ではなく、そこには明確な理由が存在します。

騎手の「最強馬」が異なる3つの理由

  1. 馬との「相性」:馬の性格や走り方、リズムが騎手のスタイルに合うかどうか。騎手と馬が完璧にシンクロした時に、最高のパフォーマンスが生まれます。
  2. 出会った「タイミング」:騎手自身のキャリアが円熟期にある時に出会った馬は、より強く印象に残る傾向があります。
  3. 強さの「質」の好み:爆発的な瞬発力、他を圧倒するスピード、驚異的なスタミナ、精神的な強さなど、騎手がどの能力を最も高く評価するかによって、選ぶ馬は変わってきます。

このように、プロである騎手たちの多様な視点を知ることで、最強馬論争はさらに深みを増します。彼らの言葉は、一頭一頭の名馬が持つ、データだけでは測れない独自の強さと個性を浮き彫りにしてくれる、何より貴重な証言なのです。


あなたが思う最高の最強の競走馬は

この記事では、最強の競走馬について、様々な角度から掘り下げてきました。最後に、本記事の要点をリスト形式でまとめます。

  • 最強馬の議論にはレーティングという客観的な数値が用いられる
  • 世界歴代最高レーティングはフランケルの147ポンド
  • シーバードやセクレタリアトも世界史に残る名馬として評価が高い
  • 日本では記録以上に記憶に残る馬が最強馬候補に挙がりやすい
  • 異次元の逃亡者サイレンススズカはその筆頭格である
  • アグネスタキオンやトキノミノルは「幻の最強馬」として語り継がれる
  • イクイノックスは日本馬歴代最高のレーティングを獲得した新時代の最強馬
  • 日本の競走馬レベルは向上し世界トップクラスにある
  • ファン投票ではディープインパクトが圧倒的な人気で1位に選ばれた
  • オグリキャップのように強さと人気を兼ね備えたアイドルホースもいる
  • 日本で一番有名な馬はディープインパクトが有力候補
  • 現役最強馬の動向を追うのも競馬の楽しみの一つ
  • 武豊騎手などトップジョッキーの意見も最強馬論争の重要な要素
  • データ、記憶、人気、専門家の意見など評価軸は一つではない
  • 最終的にどの馬を最強と考えるかは個人の自由であり競馬の醍醐味
目次