こんにちは。Asymmetric Edge、運営者の「K」です。
「新馬戦 配当」で検索されたということは、あなたも新馬戦のあの独特な魅力と、同時に潜む「高額な的中」の可能性に気づいている方かもしれませんね。JRAのレースの中でも、新馬戦はひときわ「荒れる」と言われますし、実際にデータが少ないために「予想が難しい」レースの筆頭です。
多くの人が「血統」や「調教」のタイムだけを頼りにしますが、それゆえに「1番人気の信頼度」が他のレースより低くなりがちで、なぜ人気馬が簡単に負けてしまうのか、疑問に思うことも多いかなと思います。
この記事では、新馬戦の配当がなぜ構造的に荒れやすいのか、その理由を解き明かしつつ、どうすればその「歪み」を突いて高配当を狙えるのか、データ分析の視点から掘り下げていきます。「厩舎」の傾向や「歴代」の高配当事例なども交えながら、新馬戦の奥深さに一緒に迫っていきましょう。
- 新馬戦の配当がなぜ構造的に荒れるのか、その本質的な理由
- 良血馬や1番人気が危険とされる「過剰人気」のメカニズム
- 高配当に直結する「血統」と「厩舎」の具体的なデータパターン
- 調教タイムに隠された「粉飾」を見抜き、真の能力馬を見つける視点
新馬戦の配当が荒れる構造的理由
まずは「なぜ新馬戦の配当はこんなに荒れるのか?」という根本的な疑問から見ていきましょう。G1レースのようにデータが豊富なレースとは全く異なる、新馬戦特有の「不確実性」が、そのまま高配当の源泉になっています。

なぜ新馬戦は予想が難しいのか
最大の理由は、出走する全馬に「過去のレースデータ」が一切存在しないことです。
通常のレースなら、私たちは「近走成績」や「走破タイム」、「上がり3ハロン」といった客観的なデータを比較して馬の能力を判断しますよね。でも、新馬戦ではその全てが「ゼロ」。これが予想を困難にする最大の要因です。
さらに、新馬戦は馬にとって初めての「本番」。精神的な成熟度が勝敗に直結します。
例えば、急に先頭に立ってしまって周囲を気にする「物見(ものみ)」をしたり、ゲートや大観衆の雰囲気に怖気づいたり。これらは調教タイムからは読み取れない「見えざる変数」であり、人気馬が力を発揮できずに凡走してしまう典型的なパターンですね。

新馬戦の1番人気が危険な理由
では、なぜ新馬戦の1番人気は信頼性が低い(=危険)と言われるのでしょうか。
それは、客観的なデータがないため、オッズ(人気)がその馬の「実際の能力」ではなく、「評判」によって形成されやすいからです。
過剰人気を生む「評判」の例
- 歴史的名馬の初仔(例:アーモンドアイの仔)
- 兄姉にG1馬がいる「良血馬」
- メディアでの注目度や、調教の「一番時計」
これらの馬は、仕上がり状態や気性に関わらず、その「評判」だけで過剰な人気を集めがちです。市場が「この馬は強いはずだ」という期待感でオッズを下げてしまうため、実際の能力とオッズとの間に大きな「歪み」が生まれます。高配当とは、まさにこの「歪み」が現実化した結果なんですね。

データ不足とオッズの歪み
新馬戦の馬券市場は、本質的に「非効率的」だと言えます。
豊富な過去データ(ファクト)に基づいてオッズが形成される通常のレース市場と違い、新馬戦は「血統」や「厩舎の評判」といった「ソフトな情報」に依存せざるを得ません。
これらの情報は、本質的な能力よりも過大(あるいは過小)に評価されやすいため、オッズと実際の能力との間に「歪み」が生じます。私たちが狙うべき高配当は、この「市場が見落としている、過小評価された馬」が激走した時に生まれるわけです。

JRAの歴代高額配当に見る傾向
新馬戦に限った話ではありませんが、JRAのレースがいかにとんでもない配当を生む可能性があるか、ご存知でしょうか。
JRAの3連単(1着・2着・3着を着順通りに当てる)の歴代最高配当は、なんと約2,983万円(2012年8月4日 5回新潟2日目 5R)という記録的な金額です。
G1レースですら、2015年のヴィクトリアマイルで3連単2070万円、2007年にも同レースで228万円という「帯封」超えの配当が記録されています。
これらは、データが比較的揃っているトップレベルのレースでさえ、人気馬が崩れて人気薄の馬が激走する余地が十分にあることを示しています。ましてや、データがゼロの新馬戦であれば、その可能性はさらに高まると考えるのが自然かなと思います。

俗説「新馬戦の1枠不利」を検証
競馬の格言に「新馬戦の1枠(最内枠)は不利」というものがあります。これは単なる迷信ではなく、若駒の精神的な未熟さに起因する、合理的な根拠に基づいていると私は考えています。
1枠が不利とされる主な理由
- 精神面:競馬に慣れていないため、ハナ(先頭)に立たされると物見をしやすい。
- 物理面:ゲートに「先入れ」させられるため、ゲート内での待機時間が長くなりやすい。
- 展開面:レースで内側の揉まれやすい(馬群に包まれる)コースを通らされやすい。
能力が同じだとしたら、精神的な負荷が最もかかりやすい1枠の馬は、その能力を発揮できないリスクが他の枠より高いかもしれません。新馬戦で1枠の馬が人気になっている場合は、少し疑ってかかる根拠にはなりそうですね。
新馬戦の配当を狙うデータ分析
新馬戦が「不確実性のゲーム」であるなら、私たちはその不確実性の中に隠された「優位性(エッジ)」を見つけ出す必要があります。ここでは、高配当に直結しやすい「血統」「厩舎」「調教」の具体的なデータパターンに注目してみましょう。

高配当を掴む血統パターン
血統分析というと、つい「エピファネイア産駒」や「ロードカナロア産駒」といった人気の種牡馬(父馬)ばかりに目が行きがちですよね。ですが、高配当を狙うには、市場(オッズ)がまだ気づいていない、より「具体的」な組み合わせ、いわば「ニッチな強み」に注目する必要があります。
私が「ハイパー・スペシフィシティ(超・具体性)」と呼んでいる考え方です。
市場は「エピファネイア産駒だから人気」という大雑把な評価しかできません。しかし、「エピファネイア産駒 × 母父ルーラーシップ」という特定の組み合わせが、驚異的な成績(例えば、インプットされたDBデータでは過去5年間で連対率100%)を残しているとしたらどうでしょう?
この「市場の無知」と「分析による既知」のギャップこそが、高配当の源泉です。ここでは、その「お宝パターン」の探し方を、もう少し深掘りしてみます。
「父×母父」:ニックスの妙味
最も王道かつ強力なのが、この「父馬」と「母の父(BMS)」の組み合わせ、いわゆる「ニックス」です。単純な「父の強み」だけでなく、母父がその強みを「増幅」させたり、逆に「弱点を補完」したりするケースがあります。
- 成功例:「エピファネイア産駒 × 母父ルーラーシップ」
これは前述の通り、とんでもない成績を叩き出しているパターンです。市場がこの組み合わせの「異常値」に気づいていない(あるいは、気づいても分母が少なく半信半疑な)うちに狙うのが、高配当の鍵です。 - 隠れた妙味:「母父キングカメハメハ」
インプットされたDBの(3-1)でも触れられていましたが、あるレースでは「母の父がキングカメハメha」という馬が、単勝26.9倍という高配当で勝利していました。父馬が地味でも、母父にG1級の血が入ることで底力が注入され、新馬戦から走るパターンは狙い目です。
ポイント
有名な父馬(横の血統)だけでなく、その父馬と相性の良い「母父」は誰なのか、あるいは「母系」にG1馬を輩出するような「フィリーサイヤー」(例:クロフネ、トニービンなど)の血が隠れていないか、という視点が重要です。
「父×コース・距離」:コース適性の妙味
次に注目すべきは、「特定の競馬場」や「特定の距離」で、特定の血統が異常な成績を出すパターンです。
- 函館・札幌(洋芝)のスペシャリスト
例えば、JRAの競馬場の中でも、函館や札幌の「洋芝」は、東京や京都の「野芝」とは全く異なる適性が求められます。ある血統(例:キズナ産駒)が、なぜか「函館競馬場」での新馬戦だけ、やたらと勝率や回収率が高い、といったケースです。 - 1400m以下のスペシャリスト
データベースの例では、「モーリス産駒」が「1400m以下 × 5~8枠(外枠)」という条件で単勝回収率318%という高い数値を示していました。これは「モーリス産駒はマイル以上」という一般的なイメージの「裏」を突いた、典型的な高配当パターンと言えるかもしれません。
【参考データ】高回収率・血統パターン(芝新馬戦)
※以下のデータは、インプットされたデータベース(2019年8月~2024年8月)に基づくものであり、特定の条件下での過去の実績を示すものです。未来の結果を保証するものではありません。
| 種牡馬条件 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 単回収率 |
|---|---|---|---|---|
| エピファネイア産駒 × 母父 ルーラーシップ | 【4-2-0-0】 | 66.7% | 100.0% | 863% |
| モーリス産駒 × 1400m以下 × 5~8枠 | 【10-4-4-49】 | 14.9% | 20.9% | 318% |
| キズナ産駒 × 函館競馬場 | 【4-1-2-10】 | 23.5% | 29.4% | 209% |
| ロードカナロア産駒 × 函館1200m | 【3-3-1-1】 | 37.5% | 75.0% | 131% |
ダート新馬戦の盲点と血統
「新馬戦」というと、どうしてもクラシックレースに繋がる「芝」のレースに注目が集まりがちです。しかし、高配当を狙うなら「ダートの新馬戦」は狙い目の宝庫だと私は考えています。
なぜなら、芝で活躍した名馬の産駒が「芝の新馬戦」で過剰人気になるのとは対照的に、ダート馬の産駒は、その素質がまだ正しく評価されにくい(=オッズがつきやすい)からです。
例えば、父がダート短距離で活躍した馬(例:データベースのケーススタディ②にあったショウナンカンプ産駒のような血統)が、JRAでは未勝利でも、地方のダートに変わった途端に激走するパターンがあります。これは、その血統が本質的に「ダート向き」だったことを示しています。
ダートの新馬戦では、父が「ヘニーヒューズ」や「サウスヴィグラス」「パイロ」といった、ダートのスペシャリストの産駒でありながら、なぜか人気がない馬に注目してみると、思わぬ高配当に巡り会えるかもしれません。
「縦の血統」:兄姉成績と母系の力
最後に、血統分析で最も強力でありながら、見落とされがちなのが「縦の血統」——つまり、その馬の「母」や「兄・姉」の成績です。
「父がディープインパクト」という情報(横の血統)は、誰もが知っています。しかし、「その母から生まれた兄や姉が、JRAで12頭中7頭も勝ち上がっている」(データベースのケーススタディ①より)という事実は、どうでしょう?
これは、「その母親が、中央競馬のスピードに対応できる産駒を出すアベレージ(打率)が非常に高い」ことを示す、とんでもなく強力なデータです。にもかかわらず、その馬の父が地味だったり、新馬戦の調教が目立たなかったりすると、この「7勝」という事実はオッズに反映されず、人気薄のまま放置されることがあります。
有名な父馬(種牡馬)を追いかけるだけでなく、その母や兄姉の「JRAでの勝ち上がり率」という「縦の血統」を分析すること。これこそが、新馬戦で高配当を掴むための、最も確実なヒントの一つだと私は思います。
データ利用の注意点
これらの数値は過去の統計であり、あくまで傾向の一つです。分母(試行回数)が少ないデータも含まれるため、盲信するのではなく、予想の一つの参考情報として活用してください。

激走する厩舎の特定データ
新馬戦は「馬」の素質(血統)だけでなく、「人」(厩舎)が馬をデビューまでにどれだけ完璧に「仕上げた」かが、勝敗に直結します。同じ血統の馬でも、どの厩舎がどう仕上げるかで、デビュー戦のパフォーマンスはまったく変わってきます。
特定の厩舎は、新馬戦の仕上げ(ゲート練習、実戦調教、精神面のケア)に並外れた手腕を発揮し、それがデータに明確に表れています。ただ、高配当を狙うには「どの厩舎がスゴイか」という”名前”だけ知っていても不十分です。その厩舎が「どういう条件で」スゴイのか、その「勝ちパターン」を具体的に知る必要があります。
「コース適性」の極端な偏りを見抜く
まさにその典型が、データベースにも示されている「堀宣行厩舎 × 東京競馬場」の組み合わせです。これは勝率54.8%、単回収率225%(※DBデータ)という、競馬のデータとしては「異常値」とも言える数字です。
勝率54.8%は「2回に1回以上勝つ」ことを意味しますが、にもかかわらず単勝回収率が200%を超えている。これは、市場がこの「54.8%」という異常な勝率を、人気にはするものの、いまだに(その異常な勝率と比べれば)過小評価している証拠と言えるかもしれません。堀厩舎の東京新馬戦は、人気でも逆らえない「鉄板」であると同時に「妙味」すらある、という稀有なパターンですね。
「厩舎 × 距離」:得意な仕上げパターン
次に注目したいのが「距離」です。データベースを見ると、「矢作芳人厩舎 × 芝1200m」(単回収率291%)、「友道康夫厩舎 × 芝2000m」(単回収率189%)といったパターンが見えます。
これは、各厩舎の「仕上げのスタイル」や「馬選びの傾向」が表れている可能性があります。例えば、矢作厩舎は短距離の新馬戦からスプリント能力をしっかり引き出す仕上げが上手く、友道厩舎はクラシック(G1)を見据えた中長距離(2000m)で、将来性のある馬をきっちりデビュー勝ちさせるのが上手い、といった推測ができます。
ローカル(夏競馬・小倉など)の隠れた妙味
私自身が特に注目しているのが、中央の4大競馬場(東京・中山・京都・阪神)以外の「ローカル競馬場」での新馬戦です。
特に夏競馬(函館・札幌・新潟・小倉)は、有力厩舎が「本気」で狙っているのか、それとも「試運転」なのか、見極めが難しいです。しかし、中には特定のローカル競馬場を非常に得意としている厩舎が存在します。データベースでも「友道康夫厩舎 × 小倉競馬場」が勝率40.0%、複勝率66.7%という高い安定感を示しています。日本トップクラスの友道厩舎が、小倉の新馬戦に送り込んでくる馬は、それだけで「本気度が高い」と判断できるかもしれません。
最重要:「厩舎 × 騎手」の黄金コンビ
そして、新馬戦の厩舎分析で、最も高配当に直結しやすいと私が考えているのが、この「厩舎 × 騎手」の組み合わせです。
「厩舎のエース騎手」が常にベストな馬券とは限りません。むしろ、市場があまり注目していない「特定の騎手」とのコンビで、厩舎が意図的に勝負をかけてきているケースがあり、これがとんでもない高回収率を生み出すことがあります。
高回収率の「厩舎×騎手」コンビ(DBデータ例)
以下は、インプットされたデータベース(3-3)に記載されていた、注目すべき「厩舎×騎手」の組み合わせです。
- 矢作芳人厩舎 × 藤岡佑介騎手:単回収率291%
- 矢作芳人厩舎 × 戸崎圭太騎手:単回収率258%
- 矢作芳人厩舎 × 横山武史騎手:単回収率416%
- 堀宣行厩舎 × 佐々木大輔騎手:単回収率495%
このデータは非常に興味深いです。例えば、矢作厩舎といえば坂井瑠星騎手や古川奈穂騎手といった所属騎手、あるいは川田将雅騎手といったトップジョッキーをイメージするかもしれませんが、データ上は藤岡佑介騎手や横山武史騎手とのコンビで驚異的な回収率を叩き出しています。
特に「堀厩舎 × 佐々木大輔騎手」の単回収率495%は圧巻です。これは、市場が「堀厩舎の馬なのに、佐々木騎手(若手)が乗るのか」と評価を下げた(オッズが上がった)ところを、厩舎側がその信頼に応えて結果を出している、という典型的な高配当パターンではないでしょうか。
このように、「厩舎」というファクターを、コース・距離・そして騎手と「掛け合わせる」ことで、高配当のヒントが見えてきます。
【参考データ】高回収率・厩舎パターン(芝新馬戦)
※以下のデータは、インプットされたデータベース(2019年8月~2024年8月)に基づくものであり、特定の条件下での過去の実績を示すものです。未来の結果を保証するものではありません。
| 厩舎条件 | 成績 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | 単回収率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 堀宣行厩舎 × 東京競馬場 | 【17-5-2-7】 | 54.8% | 71.0% | 77.4% | 225% |
| 矢作芳人厩舎 × 芝1200m | 【4-3-3-5】 | 26.7% | 46.7% | 66.7% | 291% |
| 友道康夫厩舎 × 芝2000m | 【13-7-2-13】 | 37.1% | 57.1% | 62.9% | 189% |
| 友道康夫厩舎 × 小倉競馬場 | 【6-2-2-5】 | 40.0% | 53.3% | 66.7% | 111% |
データ利用の注意点
これらの数値は過去の統計であり、あくまで傾向の一つです。分母(試行回数)が少ないデータも含まれるため、盲信するのではなく、予想の一つの参考情報として活用してください。

調教タイムの罠と見抜き方
調教タイムは、新馬戦予想における数少ない「客観的データ」の一つです。レースが近づくと、スポーツ紙には「坂路で52秒台!」や「ウッドチップ(W)でラスト1ハロン11秒台!」といった威勢のいい数字が並びますよね。しかし、このタイムの「表面的な速さ」に騙されてはいけません。
一部の専門家の間では、スポーツ紙の調教欄だけを鵜呑みにすることは「自殺行為」とまで言われることがあります。
なぜなら、厩舎によっては(意図的かどうかは別として)馬を良く見せかける「速い時計」が出る調教、いわゆる「粉飾調教」のパターンが存在するためです。
一般のファンは「速い時計=強い」と短絡的に判断し、その馬は「過剰人気」となります(第1章の「危険な人気馬」ですね)。高配当を狙うには、この「粉飾」を私たち自身が見破る必要があります。では、具体的に「危ない速い時計」とはどういうものでしょうか?
「全体時計」だけが速いパターン(失速ラップの罠)
最もよくある「罠」がこれです。例えば、坂路で「4ハロン52.0秒」という速い全体時計が出ていたとします。これだけ見ると「動ける馬だ」と飛びついてしまいがちです。
しかし、その「中身」(ラップタイム)を見てみると…
【危険なラップ例】4ハロン52.0秒
13.0秒 → 12.5秒 → 12.5秒 → 14.0秒
このようなラップだった場合、どうでしょう。前半から中盤は速いペースで来ていますが、最後の1ハロン(ゴール前)で「14.0秒」と、急激に失速しています。これは、馬が最後の苦しいところでバテてしまった(脚が上がってしまった)可能性を示しています。
全体時計は速くても、レース本番の「最後のひと踏ん張り」が利かないかもしれません。私たちが本当に評価すべきは、全体時計がそこそこでも、最後の1ハロンを「12秒台前半」などで加速して終えている(=加速ラップ)馬です。
「併せ馬」で見栄えだけが良いパターン
調教では、2頭以上で走る「併せ馬」がよく行われます。「A馬がB馬に1馬身先着」といった情報ですね。
これも「先着=強い」と判断するのは危険です。
- 相手が弱すぎる:併せた相手(B馬)が、格下の未勝利馬や、調子の悪い馬であるケース。弱い相手に勝っても評価はできません。
- 相手が「馬なり」で、こちらが「一杯」:相手(B馬)は持ったまま(馬なり)で楽に走っているのに、こちら(A馬)はムチを入れて必死に(一杯に)追って、ようやく先着した、というパターン。これはむしろ「見劣り」と判断すべきです。
「馬場状態」や「コース」を利用したタイム
調教タイムは、時計が出された「馬場状態」に大きく左右されます。
- 時計が出やすい馬場:雨が降った後の「重」や「不良」のウッドチップコース、あるいは「ポリトラック」は、芝や良馬場のダートよりも速い時計が出やすくなることがあります。
- 坂路の「馬場」:坂路コースも、時間帯(早朝の馬場が整備された直後)や、当日の天候によって、時計の出やすさが全く異なります。
「52秒台が出た」と聞いても、「それは、他の馬も軒並み速い時計を出していた、”超高速馬場”だったからではないか?」と疑う視点が必要です。
専門家が「粉飾」を見破る視点
インプットされた情報(専門書「馬券会計学 実践バイブル」)によれば、専門家はこの「粉飾」を見破るために、「速い調教時計に騙されないための9つのポイント」や「新馬戦の『危ない人気馬』見極め4つのチェックポイント」といった、非常に多角的な分析を用いているとされます。
私たちがそこまで専門的になるのは難しくても、「全体時計だけを信じない」「ラップタイムを見る」「併せ馬の中身を疑う」という視点を持つだけで、「危ない人気馬」を回避できる確率は格段に上がるはずです。

アーモンドアイ初仔の敗北に学ぶ
この「過剰人気」の罠を象徴する事例が、G1・9勝馬アーモンドアイの初仔として注目された「アロッズロッド」のデビュー戦(2023年10月)です。
同馬は圧倒的な1番人気(単勝1倍台)に支持されましたが、結果は4着に敗れました。
これは、「アーモンドアイの仔」という単一の強力なファクターが、他の重要なマイナス要素を覆い隠してしまった結果と分析できます。市場は過剰反応し、以下の重要な分析要素を無視してしまいました。
アロッズロッドの事例で無視された要素
- 怪我によるデビューの遅れ(順調ではなかった)
- 陣営(調教師や騎手)の慎重なコメント
- 当日の馬場傾向(前残りの馬場だった)
対照的に、このレースで勝利した10番人気の馬や2着の8番人気の馬は、調教での動きが良く、厩舎からも前向きなコメントが出ていました。この事例は、「過剰な人気」がいかに危険かを示す教訓的なケースだと思います。

狙える人気薄馬の調教内容
前のセクションで「粉飾された速い時計」(危ない人気馬)を見破る視点について触れました。高配当を狙う上で、それと同時に、いや、それ以上に重要なのが、「軽めの追い切り」しか行われていない人気薄馬の「真の能力」を見抜くことです。
スポーツ紙の調教欄で「目立たない時計」の馬は、当然人気になりません。しかし、専門家や熟練のファンは、その「時計の裏」に隠された中身を評価します。
あえて「軽めの調教」しかしていない馬には、2つの可能性があります。
- 本当に仕上がりが悪い、あるいは単に能力が低い
- 軽めの調教で十分仕上がるほど、素質(ポテンシャル)が高い
高配当は、この「2」のパターンを、市場が(人気になる前に)見つけ出せた時に生まれます。これはまさに、調教分析の醍醐味です。では、どうやって「1」と「2」を見分けるのでしょうか?
ラップタイムに見る「余力」のサイン
「粉飾調教」のセクションで、「全体時計は速いが、最後はバテている(失速ラップ)」という危険なパターンを見ました。人気薄馬を狙う場合は、その逆です。
全体時計は遅くても、最後の1ハロン(あるいは2ハロン)で最も速い時計を出す「加速ラップ」を踏んでいる馬。これこそが「余力」のサインです。
ラップタイムの比較例(坂路4ハロン)
- 危険な人気馬(失速):52.0秒(13.0 → 12.5 → 12.5 → 14.0秒) → 全体時計は速いが、最後はバテている。
- 狙える人気薄馬(加速):54.5秒(14.5 → 13.8 → 13.2 → 13.0秒) → 全体時計は平凡だが、最後にしっかり加速している。
後者の馬は、厩舎が「馬なり」(強く追わない)で、あえて馬に負担をかけず、最後の「反応」だけを確かめるような調教を行っている可能性があります。全体時計が54秒台でも、最後に13.0秒でグイッと伸びているなら、本番で「追われたらもっと切れる(速く走れる)」可能性を秘めている、と判断できます。
「併せ馬」で見抜く「手応え」と「素質」
調教映像や調教欄のコメントで「併せ馬」の内容を見るのも非常に重要です。
- 見るべきポイント①:相手は誰か?
新馬が、すでに上のクラス(1勝クラスやオープンクラス)で走っている格上の馬と併せ馬をしている場合、それだけで厩舎の期待が高い可能性があります。 - 見るべきポイント②:手応えはどうか?
これが最も重要です。格上の馬が「一杯」に追っている(必死に走っている)のに対し、こちらの新馬が「馬なり」(持ったまま)で楽に併入(同時にゴール)したり、むしろ先着したりするパターン。これは「素質の怪物」である可能性を示唆します。
時計は平凡でも、「手応え優勢(てごたえゆうせい)」というコメントが付いている馬は、隠れた能力馬の典型です。逆に、格下の馬相手に「一杯」に追って、やっと併入しているような馬は、時計が速くても評価できません。
「軽め」の理由を推測する
なぜ、その馬の調教は「軽め」なのでしょうか。その理由を推測することも大切です。
「軽め」の理由
- 可能性1(危険)
- ・仕上がりが遅れている(まだ太い)。
- ・カイ食い(エサ食い)が悪く、強い調教ができない。
- ・脚元に不安がある。
- 可能性2(狙い目)
- ・気性が素直で、すでに仕上がっている(息ができている)。
- ・素質が高く、オーバーワーク(やりすぎ)を避けている。
- ・あえて能力を隠し、本番での一変を狙っている。
この「可能性2」の馬を見つけ出すことこそ、高配当への最短ルートです。インプットされた情報によれば、専門家は「調教分析における13個のチェックポイント」といった多角的な分析を用いて、この「真の能力」を見抜いているとされます。
私たちは、単なる「速い時計の人気馬」の粉飾を見破るだけでなく、「軽め追い切りの人気薄馬」の「隠された真の能力」を見抜く、という二重のプロセスに挑戦することで、新馬戦の配当という「歪み」を突くことができるのです。

新馬戦の配当で勝つための戦略
最後に、新馬戦の高配当を狙うための具体的な馬券戦略についてです。
新馬戦は不確実性が高いため、「的中率」と「回収率」はトレードオフの関係にあります。人気馬ばかり買えば的中率は上がりますが、回収率は下がります。逆に、穴馬ばかり狙えば的中率は下がりますが、当たった時の爆発力(回収率)は上がります。
長期的にプラス収支を目指すなら、「的中率よりも回収率を重視」する戦略が不可欠です。
高配当を狙う2つのアプローチ
- ① システマティック・バリュー戦略(ワイド・複勝)
- 第3章のデータ(例:「エピファネイア×ルーラーシップ」)のように、期待値(回収率)が高いと判断したパターンの馬を、ワイドや複勝でコツコツ買い続ける戦略。
- ② 一発逆転・大爆発戦略(3連単)
- 調教分析などに基づき、「粉飾された人気馬」が飛び、かつ「隠れた能力馬」が激走するレースを見極め、3連単などで高額配当を狙う戦略。
どちらの戦略も「回収率重視」という点では共通しています。回収率重視の戦略は、必然的に連敗期間が長くなるため、高度な「資金管理」が求められます。
数学的な資金管理術(ケリー基準など)は少し難しいかもしれませんが、まずは「的中すれば残高の10%が払い戻されるように金額を調整する」といったシンプルなルールを決めて、全財産を失うことなく、高配当の「爆発」を待つことが重要かなと思います。
馬券購入に関する最終的なご注意
この記事で紹介したデータや分析は、あくまで過去の傾向に基づくものであり、未来の利益を保証するものではありません。馬券の購入はご自身の判断と責任において、無理のない範囲でお楽しみください。
より専門的な予想や資金管理については、専門の書籍やサービスを参考にすることをお勧めします。
